PC-NIKKORのお散歩スナップ
写真家「鬼海弘雄」のフォト&エッセイ集「靴底の減り方」を読んで刺激され、ドーッてことないまちかどのスナップを撮りました。
彼は背景に何も入らない壁の前で標準レンズ(ハッセルブラッドプラナー80mmF2.8)による人物写真で有名ですが、やはり標準レンズで人物を入れない街角の写真も撮っていました。私も人の入らない、特に着目した被写体のない街角のスナップを、歪みの出ないシフトレンズ”PC-NIKKOR28mmF3.5”で、撮ってみました。
PC-NIKKORはマニュアルフォーカスレンズなので、相性の良いデジタル一眼D40Xを使いました。露出オートが効かないので絞り、シャッタースピード、ピントもマニュアルで合わせなければなりません。デジタルのフルオート撮影に慣れている現在では、ちょっと新鮮な気分です。
レンズの横にシフト量を回して調整するレバーがあります。シフト方向を変えるためレンズ全体を回転することができます。
結局ほとんどカメラを水平に構えて撮っているので、シフト機能はあまり使っていません。
最初は路地の、まだ枯れずに残っていたアサガオ。さすがに花は咲かず、花の後の種ができていました。
露出はASA400にセットしてマニュアルで、ややアンダーですが、良い発色です。レンズとD40Xの相性がとても良いです。この写真は、少し下側にレンズをシフトしています。画像の下と上の葉、両方にピントが合っていて、カメラを下に向けているのに歪がほとんど出ていません。
着目する被写体は、しいて言えば路地の舗装のつぎはぎな道。電信柱と電線が多いですね。写真に撮ると改めて感じます。インターネットのケーブルがやたらと多いです。露出はちょっとオーバー気味です。
この道沿いは、昔女郎が並んでいたそうで、利根川対岸の我孫子側から渡しの船で客が来ていたそうです。街道の宿場には、必ず色町がありました。
上の写真の正面に写っているお蕎麦屋さん。道は突き当りになっていて、少しずれて先に続いています。古い道は、このような形がよく見られます、沿道に規制なく勝手に家が建てられたからかもしれません。
左の赤い建物は、表通りで店を開いているお蕎麦屋さん「常陸屋」さんの個人所有のお稲荷さんです。商売繁盛の神様でもある「お稲荷さん」なのでお祀りしているのでしょう。
このお蕎麦屋さん「蕎麦花」は、わりあい最近できた店で、土日だけの営業です。店の前の駐車スペースは狭いので、土日はいつも車でいっぱいです。とても人気があります。ご主人が趣味で始めたお店のようです。手打ちの蕎麦が昼過ぎにはなくなって、店を閉めてしまいます。
5mほどの幅の、車1台がやっと通れる細い道が続いています。左の漆喰の古風な建物は、やはり表通りで人形のお店をやっている「油市(あぶいち)」さんです。古くから、たぶん江戸時代、あるお店で昔は店の名前にもあるように油の商いをしていたようです。中の庭も手入れが行き届いていてかなり裕福な・・・、のように見えるお宅です。
さらに先に進みます。道の両脇には車が止められていますが、狭い道なので手前から先への一方通行です。
通り過ぎて、来た方を撮ってます。正面に「常陸屋」さんの赤いお稲荷さんが見えています。
さらに先へと進みます。古い木造住宅の前、ここも道が微妙に左に曲がっています。この家自体が、少しせり出しています。
内科、婦人科の加藤医院があります。だいふ以前から閉まっています。女郎街だった所に婦人科病院が・・・表通りにも病院があります。
この先、右側に図書館があります。左側は、表通りで最近まで呉服屋さんを開いていた「香取」さんのマンションです。
右が三階建ての市の図書館です。古い建物で、将来取手駅前に移転する計画です。
道は、八坂神社に突き当たります。
突き当たって右折した先、利根川の土手に行き当たります。右側に畳屋さん。この道は利根川の渡しに出る道で、古地図を見ると両側に色々な店が軒を連ねていたようです。
八坂神社の道を挟んだ向い側に図書館があります。
八坂神社の裏側に、道が続いています。
表の本陣通りからの眺めです。左側が八坂神社です。
こんな感じで鬼海弘雄の写真に触発された地元の街撮りでした。鬼海弘雄は中判のハッセルブラッドで撮っているので、写真に迫力があって一枚々々が作品になっています。私の写真は、ただの街撮り。鬼海弘雄とは比べるべくもありませんが。モノクロの標準レンズで撮ってみるのも良いかもしれませんね。
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