フォト&クラフト工房Gorou's (写真、カメラ、万年筆、腕時計、etc.)

写真、特に沖縄の・・・ カメラ、万年筆、腕時計など蒐集、修理復活などなど・・・写真と物の世界に嵌っています。

ロンジンクォーツ修復

2016-04-13 00:16:20 | 腕時計

スイスmadeロンジン(LONGINES)クォーツ修復

       最近は時計の修理報告ばかりが続いてしまって・・・

          スイス製のクォーツ、ロンジンです。

   2針のシンプルなデザインです。クォーツですが、けっこう古いものです。

 スケルトンです・・・と言いたいところなのですが、実は裏蓋がありませんでした! 「写真に写っているもの以外は、付属しません!」とは、書かれていましたが・・・。確かに裏側の写真は蓋を開けた状態で、ムーブメントを見せています。でも実は中身を見せているのではなくて、蓋が無かったのでした!

 でもしっかり稼働品なので、蓋をしておかないとホコリがついたり水分で腐蝕したりしそうで。それでしかたないので、アクリル板を丸く切って蓋を作ることにしました。

 ケースとアクリル板の接着は、グルーガンですることにしました。

 アクリル系の樹脂を熱で溶かし、先端部分から押し出します。すぐに冷えて軟化します。電池交換の時は、固まった樹脂は軟らかいのでケースから剥がすことができるでしょう。

 

 接着には技術がいります。解けた接着剤を少しずつ押し出して、アクリルの蓋の縁に均一に塗りつけて行きます。
 アーア˝ッ・・・グチャグチャになってしまいました。難しいです。
 でも取りあえずこれで、何とか密閉できたので・・・。これでも少しカッターナイフで切り落として、形を整えたのですが・・・

 

 

 腕に着けてしまえば、裏側は見えません。かなり、いい加減です。

 

 ベルトと尾錠は、オリジナルでした。

 でも、かなり劣化しています。

 

 

 ベルトは曲げるとひび割れてしまうので、野球のグローブなどに使う、「スポーツオイル」を塗り込みます。十分に油を浸み込ませると革が軟らかくなって、しかも切れにくく丈夫になります。オリジナルのベルトなので、補修して使います。
 腕時計はベルトによって見栄えが大きく変わり雰囲気が一変します。

 

 

 このロンジンを手に入れた時、どのように蓋をしようかといろいろ悩んでいました。始めはアルミ板もしくは硬質のプラスチック板を削り出して、オリジナルの蓋と同じものを作ろうかと思いました。しかし、そのためには削り出すためのミニ旋盤、あるいは研磨盤が必要です。ハンドドリルで作ろうかとイメージしたのですが、とても出来そうにありません。そんな時、地元のホームセンターに行って「グルーガン」を見つけて、ひらめきました。
 でもアクリル板を切って蓋を作ってみて、改めて「プラ風防」を使うことを思いつきました。もっと見栄えのする蓋が出来そうです。しかし取りあえずは蓋をすることができたので、これでしばらく使ってみることにします。

 グルーガンの使い方には、もっと習熟しないと。結局修理には、まず専用工具は絶対必要です。無ければ作ってしまう。そしてさらにその使い方に習熟して、使い熟さなければならないことを改めて認識した次第です。技術とは、そういうものなのだと思います。

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ブローバ、エルジン、ベンラスのスモールセコンド

2016-04-11 11:24:24 | 腕時計

ブローバ(BLOVA)、エルジン(ELGIN)ベンラス(BENRUS)スモールセコンド

 ブローバは、以前にご紹介しました。エルジンも戦前のアメリカの時計メーカーです。ベンラスもアメリカの時計メーカーですが、文字盤には”SWISS"と書かれています。戦前のアメリカの時計メーカーは、ドイツ系スイス移民が立ち上げた会社が多いです。

 

 みな戦前のアメリカの時計です。スクエアーでデザインも似ています。

 

 左がベンラス、右がブローバです。ベンラスはプラスチック風防で、厚く盛り上がっています。プラ風防は、やはり傷がつきやすく、汚れてきます。表面の細かい傷で曇りが出ますので、コンパウンドで磨きます。深い傷は修復できませんが、細かい傷は、消えてピカピカになります。

 ブローバの風防は、当時としてはかなり珍しいのではないでしょうか、ガラス製です。プラスチックに比べて傷はつきにくいのですが、割れやすく、この風防も四角が欠けています。現代は、サファイアガラスが使われているので、当時のガラスよりは硬くて丈夫です。以前にも紹介しましたが、ガラスは欠けたままにしておくとさらに欠けが広がってきますので、ABS樹脂製の充填接着剤で補修しておきます。

 

 ブローバのフレームと裏蓋は、10k金製です。

 

 

 

 エルジンも、フレームも裏蓋も10Kの金製です。この当時は、ステンレスが普及していなかったので、腐蝕しない金を使う腕時計が多く作られています。

 

 エルジンの風防はプラスチック製なので細かい傷のある表面は、コンパウンドで、裏側はカメラレンズクリーナーで磨きます。

 

 

 文字盤は、ほとんど腐蝕が見られず大変キレイな状態でした。
 ただ小さなゴミ、ホコリがけっこうついていたので、フロワーで吹いたのですが飛びません。刷毛を使って払って、キレイになりました。

 

 

 

 

 フレームと裏蓋は、コンパウンドが含まれている「金みがきクロス」で、磨きます。
 金は腐蝕しないけれど、柔らかいので細かな傷がつきやすいです。逆に言うと、コンパウンドなどで磨くと艶が出て、大変キレイになります。

 

 

 

 裏蓋もフレームもピカピカに、なりました。

 

 古い時計は常に手をかけて行かないと、分解掃除をしてもすぐに調子が悪くなってしまいます。現代の時計は大変丈夫なので、同じように古い腕時計を扱うと、調子が悪くなったり壊れてしまうこともあります。
 また、今の時計の防水は当たり前の機能ですが昔の時計に水は厳禁で、激しく動かすことも故障の原因になりました。時計を左手に着けるのは、普通は右利きの人が多いので、右手に着けると時計を傷つけやすいと言うこともありますが、激しく動かすことの少ない左手に着けたという理由もあります。
 昔の時計は、大変デリケートなものだったのです。

 

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手賀沼畔の桜

2016-04-06 22:50:24 | 日記

手賀沼畔の桜がほとんど満開です。

 手賀沼公園の桜を見に行ってきました。

 桜の花が咲くと、雰囲気が一変します。こんなにも桜の樹があったんだ・・・

 でも手賀沼公園内には桜は少なめです。樹齢も若いです。手賀沼沿いの道路並木に桜がたくさん植えられています。こちらは、けっこう大きな老木です。ほとんど、ソメイヨシノです。

 

  手賀沼公園向かいの茶処竹山さんで、外の桜を見ながら抹茶をいただきました。
 主菓子は、桜の花の塩漬けを葛でくるんだ葛まんじゅうです。茶碗は黒い曜変天目で、薄茶の緑の泡が映えます。
 竹山さんは、さすがにお茶屋さんです。大変美味しいお茶を出してくれます。薄茶もとても美味しいです。ちなみに、このようにクリーミーに泡立てる点前は、裏千家です。

 

 公園内の桜は、小さい幼木が多いです。

 

  これは、スズメが桜の花を茎からついばんだものです。
 スズメは、桜の花を食べるわけでなし、蜜を吸うわけでなし、何故か花を茎からちぎって散らしてしまいます。昔は、そんな行動はしなかったと思うのですが。桜の樹が増えたせいで、そのような行動が目につくようになったのかもしれません。
 何故、そのようなことをするのか、理由はわかりません。

 

 沼の畔を散歩していたら、居付きの白鳥が若草を食べていました。コハクチョウです。近くで見ると、かなり大きいです。なついている訳ではないのですが、こちらが気に掛けるそぶりを見せないと、ハクチョウも人間を気にしません。お互いに、存在を認め合っているような・・・。
 一般に鳥類は、人の
視線を察知するするというか気配、気を感じ取ります。

 

 菜の花(たぶんカラシナ)も咲いています。甘~い香りがします。利根川の土手は、一面の菜の花で黄色く染まっています。

 手賀沼畔には、地域猫がいます。のんびりベンチで昼寝です。

 

 春になると大きなコイが、人影にエサをくれると思って寄ってきます。冬場は、カモやユリカモメにエサを独占されています。というか魚は水が冷たいので、深場で冬眠しているのかもしれません。

 騒がしいカモやユリカモメは北に帰って、手賀沼は、静かで穏やかな春の陽気に包まれています。水の景色は、心が癒されます。

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セイコークリストロン長針、短針塗装

2016-04-05 00:16:59 | 腕時計

セイコークリストロンの長針、短針の蛍光塗料塗装

 セイコークリストロン(クォーツ)の文字盤の周りと長針、短針が腐蝕していていたので、蛍光塗料を再塗装しました。

 

 左が、クリストロン(クォーツ)、右がファイブ(自動巻き)です。
 クリストロンは、長針と短針の中心に針に沿って夜光塗料が塗られています。その塗料が腐蝕して剥がれています。文字盤もケースと接している周辺部分には腐蝕が見られます。

 

 

 ベゼルを外して補修することにしました。

 

 夜光塗料ではなく、合成樹脂(アクリル)の蛍光塗料を極細の筆を使って塗ってみました。元々塗られていた塗料よりは黄味が強くて、ちょっと派手な色合いです。蛍光塗料は透明なので、夜光塗料が剥がれている箇所は針の地の黒色が見えて、あまりキレイに仕上がっていませんね。不透明な塗料で、塗りなおした方が好いかもしれません。

 塗られていた塗料は、蓄光タイプの夜光塗料だと思います。夜光塗料には蓄光タイプと自発光タイプがあって、古い自発光タイプはラジウムから出る放射線の刺激によって発光します。放射線量は微弱ですがこれを嫌って、現在ではラジウムを使用する自発光タイプの夜光塗料は、ほとんど使われていません。

 

 放射線の検知管を装着した手作りの放射能検知器で測定してみました。カウントが特に上昇するようではなかったので、やはりラジウムは使われていないようです。

 ラジウムを用いた自発光タイプの夜光塗料は、戦前のアメリカで盛んに使われていたそうで、これを筆で塗る職工が塗料の付いた筆をなめ、そのときラジウムが体内に取り込まれて内部被ばくが発生しました。
 塗料自体の放射線量は微量なのですが、ラジウムは骨に蓄積されやすく、長期間取り込まれると内部被ばくで骨髄炎や骨肉腫などの障害が起こって問題となりました。

 

 

ベゼルをはめ込んで完了。でも黄色い蛍光色がちょっと派手で、品がないですねぇ。

 セイコーのシルバーの腕時計は、シンプルなデザインで気に入っています。リュウズの位置が3時の位置ではなく下がった所にあって、それもシャレています。風防のサファイアガラスに傷がありますが、あまり目立たないので、これはそのままとしました。
 放射線も出ていないしwww、まあこれで完了!とします。

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 追伸:腕に着けていたら、いつの間にか止まってました。つい先ほどまで動いていたのに。どうも、電池の接触不良を起こしているようです。電池の接点は、とても微妙です。

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ベンラス・スモールセコンドとエルジンクオーツ腕時計

2016-04-02 14:26:21 | 腕時計

手巻きベンラス・スモールセコンドとエルジンクォーツ腕時計

 またまた、腕時計の修理です。

 アメリカの腕時計メーカー、ベンラスの手巻きスモールセコンドです。ベンラスは、第二次大戦以前に創業されたアメリカの時計メーカーで、40年代から50年代にかけては、軍用時計を作っていました。

 角型のデザインで、風防も四角いガラス製です。ガラス製なので傷は比較的少ないのですが、四角が欠けてしまっています。

 エルジンのデイ・デイト、クォーツです。エルジンも戦前からのアメリカの時計メーカーで、手巻きの古い腕時計は今でも人気があります。戦後は、日本の時計メーカーに買収され、日本でクォーツ時計が作られています。

 風防はサファイアガラスですが、右下の角が欠けています。

 風防ガラスは、欠けたままにしておくと傷がだんだん大きくなっていくので、充填接着剤で補修することにします。

 

 2つの液を混ぜるエポキシ樹脂の接着剤を使いました。乾いても、あまり収縮しないタイプですので、ガラスが欠け落ちた箇所の充填剤にもなります。
 二つのゾル状の液を混ぜると、4~5分で硬化し始めます。一日おいてから、余分な箇所をカッターナイフで削り落とし、形を整えます。

 

 

 

 楊枝を使って少量の充填剤を塗り込み、ガラスの欠けた部分を盛り上げます。
 乾くとどうしてもわずかに収縮してくるので、少し多めに塗って盛り上がるくらいにしておきます。

 

 

 

 円形以外の風防ガラスは、古い時計の物はなかなか手に入りません。アクリル樹脂で補修するなどして、現状を修復することになります。

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