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ヤリタナゴ秋の移動作業2011

2011年11月23日 23時52分29秒 | 自然観察
今日は藤岡市のヤリタナゴ生息地で行われた「ヤリタナゴ秋の移動作業」に参加。
ヤリタナゴは県内に唯一生き残っている在来タナゴ類で、藤岡市のごく一部でのみ生息が確認されています。
「ヤリタナゴ秋の移動作業」は、産卵母貝であるマツカサガイがいない水域に流下してしまったヤリタナゴを上流の繁殖地(マツカサガイ生息域)に戻す作業で、毎年この時期に行われています。

※藤岡市のヤリタナゴは市の天然記念物に指定され、原則として捕獲が禁止されています。「ヤリタナゴ秋の移動作業」は、藤岡市の特別な許可を受け、文化財保護担当官の立会いの下で実施されました。

水路で“ガサガサ”


ヤリタナゴ



ヤリタナゴは捕獲数を確認した後に、繁殖適地に再放流されました。

タナゴ類は独特の繁殖生態をもっています。それはイシガイ科やカワシンジュガイ科の淡水生大型二枚貝類に産卵することです。ふ化した仔魚もある程度の大きさに育つまで会の中で過ごします。生活史の中で一番弱い卵と仔魚の段階を二枚貝の中で守られて過ごすという鉄壁の体制です。しかし、これが現在では完全に裏目。移動能力の弱い淡水生の大型二枚貝は環境の変化に魚よりもずっと弱い存在です。生息環境の変化により、まず産卵母貝が姿を消し、それに伴ってタナゴ類の姿も消えていきました。
在来タナゴのうち、環境省のレッドリストに載っていないのは西日本に生息するカネヒラのみ。その他の在来タナゴは、すべて絶滅危惧か準絶滅危惧に指定されています。


本日の作業で見られた生き物たちから
ヨシノボリ


ヨシノボリの腹鰭は吸盤状になっています。ハゼ科魚類の特徴の一つです。


モツゴ

おちょぼ口なので、くちぼそ(口細)とも呼ばれます。

ギンブナドジョウ


ナマズ

口には鋭く細かい歯がたくさんあります。

コイ


クサガメ

最近、川や池で見かけるのはほとんどが外来種のアカミミガメ(ミシシッピアカミミガメ)で、クサガメを見かけることは少なくなっています。アカミミガメはペットショップで売られている「ミドリガメ」と同一。ペットして飼っていたミドリガメを飼い主が池や川に放した(捨てた)ことで、野生化したアカミミガメが増加し、在来種との競合などが問題となっています。
ペットショップでは「ゼニガメ」も販売されています。ゼニガメ(銭亀)は元来、イシガメの幼体を指す言葉でしたが、現在ペットショップで売られているのはほとんどが輸入されたクサガメの幼体であると言われています。
ペットショップで買ったゼニガメが成長して飼いきれなくなって池などに捨てるという事例も少なくないと思われます。そうすると、もともと生息していたクサガメと交雑し、遺伝子汚染を引き起こしている可能性があります。
ペットは最後まで責任を持って飼い、野外に放すことは厳に慎むべきです。
(在来種とされているクサガメですが、江戸時代に朝鮮半島から移入された“外来種”という説もあります)

アメリカザリガニ

ヤリタナゴ生息地では駆除の対象種


昼食はとっても美味しいカレーライス

私は毎回、やりたなごの会のお母さんたちが作ってくれるお昼を楽しみにしております。はい。

ホトケノザ



ヤリタナゴ保護ネット



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