
かわたれ時の風景。
その日は雨だった。
この時間が一番に淋しい時だ。
街に灯がぽっぽと点り始める。
街灯の向こうは幹線道路になっていて、朝夕はひっきりなしに通勤の車が通るのが見える。

部屋から見える正面の病院。
大きい看板ごとき物も。
横になっていても見える。
(一度もベットを真直に、水平にやった事は無いけれど。)

ベッドの横の枕頭台には、テレビ、薬箱、眼鏡、その他諸々と置いている。
少し手狭だ。
持って来ていたカセットが接触が悪くなったらしく使えなくなった。
これが無ければ、夜も昼も過ごせない。
捨てた。息子が代わりのカセットをすぐに買ってきてくれた。
消灯時間が過ぎれば、イヤホーンを耳に入れて眠気が襲ってくるのを待った。

とある日の食事。
そろそろと涙が出てきそうなメニューの繰り返しになった。
ご飯は一口か二口。
おかずは全部食べるようにした。
いきおい売店に行き、好きなお菓子やヨーグルト、プリンでお腹を満たす。
アイスクリームもよく買った。
お菓子は少し食べて、次のを買う。
いっぱい余ったのを、主人に持って帰ってもらう。
一度だけ、息子がお寿司を持って来てくれた。
美味しい、なんのって美味しかった。
随分と我儘な気まぐれ婆だ。
退院が出来て、嬉しいの何のって、好きな食事が取れる。
次の月曜日には予約。
目の治り具合の検査だ。
少しでも良くなっていますように、、、。✌
☆ 朝未だき時をりヘッドライト過ぐ