冬ざれの病院。
プラタナスの葉も全て散り、周囲の山も眠っている。
今回の入院室は初めての六階。
南病棟は初めてだ。
病室から見えるのは、病院の東に広がる景色。
どこがどうなっているのか、全く分からない風景だ。
ため池があり、小高い讃岐富士擬きの山。
入院をしている間はずっとお天気が悪く、朝の七時が来ても窓の外は暗い。
入院慣れをしてい、手術の手順も想像ができるが、やはり不安が付きまとう。
医大の変化は医師も看護師も、忙しそうに小走で職務をこなしている。
看護師が塵取りの塵を取りに来たのには驚く。
(夫がきちんと整理をやってくれていた)
点滴が九時に終わるのに、九時になっても針を抜きに来てれぬ。
点滴液が終わるまで、看護師が少人数で忙しくしている事には、半日で理解をしていたから、呼ばないでいた。
いよいよ液が無くなるまで、およそ四十分かかった。
詰所へのボタンを押す。
九時までの指示だったけれど、液も無くなったことだし、尿も我慢ができないからと告げた。
個室を希望していたのに、最初は四人部屋だった。
個室の用意ができるまで二時間くらい要した。
最初から、トラブルがあり、さい先が少し不安に。
とにかく以前に比べて、看護師不足が目に見えている。
コロナの影響もあるのだろう、仕事量が増えているのか?
可愛くて優しい人ばかりだけれど、大変だ。
医師が手術の説明に来たのは、八時を過ぎてから。
今回の医師は初めての方。
(看護師が「とにかく手術が立て込み急変の患者さんも抱えているから、お待ち下さい、、」と言う。)
医師の丁寧な説明で説得力があり、安心をする。
親しい主治医は管理職で少し偉くなったのか、翌朝に病室に来てくれた。
この医師の顔を見て会話を交わすと安心感も高まった。
しかし、国立病院も人出不足にみまわれているのかと、つくづく実感をした。
病院も独立採算を問われている?
そんな事を色々と考えさせられた入院だった。
アメニティーグッズの使用料も入院費用も後日、請求書を送りますから、、なんて。。。。
その請求書が届いてお金を払込んで、はじめて私の病気が快癒したと思える。
家の有難さ。
神経が高ぶっていたのか、心が落ち着かぬ。
夫にきつく叱られるまで、午前零時を過ぎても、浅見光彦が主人公の本を読んでいた。
⛄ 底冷えの廊下手術の終ふを待つ
⛄ 鯨吊つたやまちゃんの夢尿意あり
⛄ ベットに利かぬ両の手や山眠る