
四国村の中腹に茶堂が建っている。竹林に沿うた径を行く。やぶ欄がいたる所、うす紫の涼しげな花を咲かせている。
☆ 木枯の茶堂人無き埃かな 正岡子規

この茶堂は、説明板のとおり。
梼原町は、高知県の西部にある町で、雲の上の町ゆすはらと言われ、町の面積の91%を森林が占める、伊予との、県境の町だ。
二度程、龍馬の脱藩した道を訪ねたことがある。そこにも古い茶堂が残っていた。道野山街道別名「脱藩の道」と言われ、龍馬をはじめ、幕末の志士たちがここを通り、伊予へと駆け抜けた。その辺りから移築された、茶堂と思われる。
✾ 千枚田眼下の茶堂風涼し
🌻 万緑のそこひの村やヘリポート

四国はお遍路文化のある国。
四国四県、いたる所に茶堂はある。村はづれの、辻堂が、すなわち茶堂のような建物。
昔から、四国遍路や道行く人に、お茶やお菓子を接待することで、功徳を積んだ。
旅人の姿に、盆に帰って自分たちの祖先の霊を重ねていたのだろう。
今では茶堂に似た遍路小屋があり、お遍路さん、(何時でもお立ち寄り下さい)と、玄関先に木の札を吊った家や、店がある。
お遍路さんを見かけると、収穫している、果実や、畑のトマト、瓜で、もてなす。
脈脈と茶堂の精神が息づいている。

竹林の中に、何体か 道祖神(石仏)がある。肩を寄せ合い、静かに微笑んでいるかに見える。彫刻家 流政之氏の作品。この他に、四国村には、流氏の制作した滝もある。
私は四国村で、竹林に沿うたこの道の辺が、一番心を癒される好きな場所だ。
昨日のしりとり俳句
鍔折れし帽子や夏の旅果てる
新涼の水溢れさす閼伽の桶
巡礼の鈴遠ざかる蕎麦の花
槿咲く無人の駅の跨線橋
この句、何句残すことができる?? 「現俳」のインタネット句会で、幸い三カ月続 けて選評を書いてもらった。だから、しりとり俳句止められない。
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