Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

方便

2007-03-15 | 医療・病気・いのち
嘘も方便という言葉を
医療の現場で
ほとんど聞かなくなった
以前は本人のショックを考え
不治の病であってもそれを言わないことが普通であったし
言ったとしても随分と遠回しな表現をしていることがほとんどだった

しかしこの4~5年で
すっかり風向きが変わり
個人情報とか
情報開示とかをキーワードとしてうち振られ
国からも患者情報はあくまで患者本人の物であり
家族といえども病状説明をする際には本人の了承が必要
との通達が行われるご時世である

皆 本当に自分の病状すべてを知りたいのだろうか

知りたいけれど 知りたくない
という面を持っている人が多いのではないだろうか
嘘とまでは行かなくても
オブラートに包むような方便を望んでいる人が多いのではないだろうか

まあひとそれぞれなのだろうが
言わないと後で訴えられたりする
言えば言ったで伝え方が適切でないとやはり訴えられたりする
そこを法的な問題にするならばはっきりした基準を作る必要がある

命に関する問題だけに
様々な個人の考えがあり
はっきりしない面があるのは当然であるが
裁くのであれば 基準を明確にしないまま
この問題を医療の現場に押しつけておくのは納得できない

本来は司法が出てくるものではなく
患者と医療者が語り合い
意思の疎通を図りながら
そして話し合いながら
現状への理解を進め
治療方法を選択していくというのが良いのだろうが
今の医療現場に
それほどの余裕は求められないことがほとんどだろう

私個人としては
よく言葉を交わすことを通じて
お互いが
患者として 医療者として そして人間として
成長していく
というのが理想なのだが
絵空事であろうか

書いているうちに主題がずれまくり
失礼