60歳台後半の男性患者さん
胃癌の末期である
一人で生活している
離婚し
子供も寄り付かないとのこと
転勤した医師から引継ぎこれまで治療を行ってきたが
私が家族と会ったことは一度もなく
前妻と仲が良かったという近所のおばさんが
時にお見舞いに来る程度
残された時間がかなり限られてきた頃
娘が
息子が
そして前妻が
顔を見せるようになってきた
どのような事情が
互いを寄せ付けなかったのかはわからないが
最後の時が近づいてようやく再会
残り少ないという想いが
心のわだかまりを凌駕するのだろうし
これまで会わずに過ごした時間も必要だったのだろう
でも少し悲しい
最後まで近づかない家族は
もっと悲しいけれど
それもまた人間
その時々に
よりよい関係を築き上げる
というのは言うは易しだが
ちょっとしたきっかけから
ささくれ立った関係になってしまうと
時にその修復は極めて困難になる
後になって ああ あの時・・・
と思ってもそこには戻れない
胃癌の末期である
一人で生活している
離婚し
子供も寄り付かないとのこと
転勤した医師から引継ぎこれまで治療を行ってきたが
私が家族と会ったことは一度もなく
前妻と仲が良かったという近所のおばさんが
時にお見舞いに来る程度
残された時間がかなり限られてきた頃
娘が
息子が
そして前妻が
顔を見せるようになってきた
どのような事情が
互いを寄せ付けなかったのかはわからないが
最後の時が近づいてようやく再会
残り少ないという想いが
心のわだかまりを凌駕するのだろうし
これまで会わずに過ごした時間も必要だったのだろう
でも少し悲しい
最後まで近づかない家族は
もっと悲しいけれど
それもまた人間
その時々に
よりよい関係を築き上げる
というのは言うは易しだが
ちょっとしたきっかけから
ささくれ立った関係になってしまうと
時にその修復は極めて困難になる
後になって ああ あの時・・・
と思ってもそこには戻れない