Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

結局

2011-08-21 | 想い・雑感
癌が再発してしまったとき
そのことを患者さんに伝えるようにしている
抗がん剤が十分な効果が発揮しうる時代となったからには
その治療内容などの説明がどうしても必要であり
その説明の前提として病状を知っていただく必要があるから
というのが理由の一つである

一旦説明をすれば
その後の経過もきちっとお伝えする必要が出てくる
経過が良い場合も 悪い場合も

そしてほとんどの方は最終的には悪い方向へ

ある時点で改めて
それまでの経過をまとめてお話をすることがある
一つ一つの内容は既にお話した内容なのだが
全体をまとめて聞くことによって
心の中に密かに保っていた希望を打ち砕いてしまうことになるのか
しばらく落ち込んでしまうかたもおられる

あるいはこちらがお伝えしたつもりの内容が
しっかりと伝わらなかった部分がある場合もあるだろう
説明の時には当然言葉を選ぶので
ちょっと引き気味の表現になることもありそれが印象を変える場合もあるだろう

説明と言うのは
むつかしいものである

ただお話する内容は
結局はご本人の命に関する事項であり
どんな説明をしようとも
生死(しょうじ)に向き合わなければならなくなる

本当のむつかしさは
その生死の問題を直視するすべを
本人も医師も知らないところにあるのだろう

ますますむつかしい話である