Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

誰が治療方針決定?

2011-09-01 | 医療・病気・いのち
90代の女性が紹介されてきた
施設入所中にお腹にしこりが見つかり
提携しているクリニックへ連れて行ったところ
検査が必要とのことでこちらへ

施設職員に伴われやって来た本人は
特に症状を訴えることもない

お腹を触ると確かに下腹部にしこりがあり
触れると少し痛がる
血液検査とCT検査のみを行ったところ
恐らくかなり進行した大腸癌

・大腸の進行がんである
・お腹の壁にも浸潤していると思われ そこで炎症を起こしている
・近い将来腸閉塞になる可能性が高い
・しかし詰まるのが先か 寿命が尽きるのが先か 誰にもわからない
・局所の感染から敗血症に至る可能性もある
・胸水の貯留は癌性胸膜炎によるものかもしれない
・根治術は無理である
・人工肛門造設など外科的処置が望ましい状況ではあるが全身状態からリスクが高い

 などを職員に説明した

施設に持ち帰り検討するとのこと

翌日その施設から電話が入り
遠方にいる息子と娘に連絡したが
どちらも
「もう関係ないからいいようにしてくれ。亡くなれば引取りにはいく。」というらしい
子供が許せぬようなことを母親がしたのか
母親が子供の面倒を見なかったのか
子供に余裕がないのか
理由はわからないが 悲しい人生の終末期である

年齢および体力からみて
先のことは見通せない
癌の事だけを考えて治療方針を立ててよいわけでもない
なにがよい選択となるのかだれにもわからない

ただこの治療方針は医師が決めることではない
といって施設の担当者が決めてよいのか
本人の認知症が進んでいる状況で誰が意思決定をするのか

このような問題は
現在の医療現場では日常的に起こっていると思う

親子

2011-09-01 | 想い・雑感
親が病に倒れる
普段あまり会話を交わすことがなかった子供は
あわてだす

こんなことなら…

と多くの後悔が錯綜し
取り戻せるはずもない時間を何とか逆行させようとするかの如く
動き始める

医師に対しては
様々な治療方法を希望してくる

病状とその時点での治療方針を説明したうえで
とんでもない
と思われる治療方法以外は
検討することを私は約束するが
治療はあくまで患者本人の想いに従って進めるから
十分親と話をするよう促す

親と会話を交わす時間を十分持つと
空回りしていた親への想いが
しっかりとかみ合ったものへなっていく

治したい という思いは変わらず持ちつつも
無理な治療に親を攻め立てることをしなくなる

子供の気持ちは
親への大いなる応援になる

子供が病室を訪れ 顔を見せてくれる
それだけで親はうれしく 幸せになれる

病室の空気までも
柔らかくなる