~ 恩師の「心行の解説」上巻より ~
講演 七
「現世は生命・物質不二の現象界
この世界のことなり」
先の続き・・・
昔、よく禅定をして坐っております時に、
飛んできた蚊にせめてこの時間ぐらいはと、
痒いのを辛抱して、
蚊に血の供養をさせてもらいました。
血を吸うところを観察していますと、
お尻がプーとふくれてきます。
そして満腹になると、飛べなくなってポトッと
落ちてしまいます。
普段はやっぱり痒いと蚊を叩いてしまいますが、
このごろは余り蚊さんも喰らいにきてくれません。
これは香川県のあるおばあちゃんから聞いた話です。
「ああ、先生、それで分かりました」と言って
話してくれたのです。
ある大きなお百姓さんの所へ、
よく畑泥棒が入るのです。
それで、その家の人が泥棒の来るのを
待ちかまえていますと、
そこへ盗みにやって来たのです。
「この餓鬼」と暗闇の中で捕えて、桃の木に
動けないようにくくりつけて、
その夜一晩中くくっておいたのですね。
朝行きますと、蚊のお尻が茱(ぐみ)の実のように
なっているのがそこらにいっぱい落ちて、
そしてその人は死んでいます。
死んだ人の顔を見たら、自分の息子だったのです。
これは現実に四国であったことだそうです。
香川県でね。
それは自分のものを盗まれれば腹が立ちますけど、
一晩木にくくりつけられた息子は、
寄ってきた蚊にたっぷりと血を吸われて、
死んでしまったのです。
山の中で藪蚊に襲われたら、これは叶いません。
どの蚊もみな茱の実のようになって、
その辺に真っ赤になるほど
蚊が落ちていたといいますね。
この悲しい出来事も、そのお百姓さんが、
「これからはこんなことはするんじゃないぞ、
人が一生懸命に作ったものだから盗んではいかん」
と言って逃がしてやったら、わが子を殺さなくて
済んだのです。
その子供は、ご近所に好きな人がありまして、
そこへ自分の家の畑のものを取っては
運んであげていたそうですね。
~ 感謝・合掌 ~