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この映画は自閉症のことを描いたもので、弟の成長譚なんかじゃないと思う。成長なんかしてない。自閉症の兄のことをほんのすこし理解したかな。恋人が戻ってくる理由がわからない。何にも描いてない。でもそれで良いのだ。人間ってそういうもんじゃない?トムクルーズの演技がどうとか言うが、これで良いのだと思う。演技はうまくないかもしれないが、それはこういうたいしたことない、というかごく普通の人間をうまく演じているのだ。
自閉症は「スペクトラム」といわれるほど、幅広くさまざまだ。ここに描かれているのはたったひとつの典型に過ぎない。wikiに「サヴァン症候群」とある。
描いてないといえば、死んでしまったこの親のことも何にも描いてない。どういう思いだったのか? 昔、自閉症は高学歴で「冷たい」性格の親から生まれるなどと言われていた時代もあるそうだ。そんなことはないのだが、それでもそういうことを暗示しているのだろうか、などと思ってしまうのだ。
ともかくこの映画は自閉症のこと以外はほとんどなにも描いていない。それで良いのだ。