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「新選組血風録」NHK

2011年05月05日 | 映画・テレビ
  NHK・BSで「新選組血風録」をやるらしい。「新選組血風録」っていうなら司馬遼太郎のはずだ、それなら面白いかなあ。ところが見てみると全然それらしくない。思わずタイトルバックの原作を確認してしまった。驚いたことに、原作司馬遼太郎なのだ。びっくりした。頭にきた。ふざけるな。
 たしかにだいたいのエピソードは司馬遼太郎のものだ。だいたい、と書いたけれどつまりだいたい、というのがひどい。原作どおり一話完結にすればいいのに、めちゃくちゃにかき混ぜ、かってなエピソードを挿入し、ともかくめちゃくちゃにしているのだ。なによりひどいのは、司馬遼太郎の精神というか、雰囲気というか、全然匂いも感じられないことだ。
 キャストだけは割りと良い。沖田土方はまあまあしょうがない、という感じだが、芹沢鴨も良いしお梅の井上和香も実に良い。脚本、演出がダメなのだ。
 たとえば芹沢は原作でもきちがいのように描かれている。だが最初、お梅が借金督促に来たときは「さすがの芹沢も閉口して」「逃げ回」るのだ。そういうなんというか可愛げというか、フラがないとなあ。NHKはそこを描かないから芹沢がただのうすっぺらなきちがいになっている。司馬遼太郎の描く芹沢はきちがいだけれど、漢(おとこ)なのだ。
 しつこく書くけれど、お梅が手篭めにされるところも、NHKのように映像にしてはいけないのだ。ましてやお梅に「おとこはみんなけだものよ」みたいなことを言わせるから、安っぽくなる。あそこは沖田から話だけ聞いて、土方がろうばいするのだ。そして、「ところが、お梅は、毎日、日暮れになるとやや濃すぎるほどの化粧をし」通ってくる。そう描くからこそ、深みが出るし、土方が女(人間)ってのはえたいが知れない、と思うのだ。全然わかってない。
 タイトルバックもひどい。まるで東京12チャンネルのように安っぽい。吉田拓郎ってことはないだろう。そうか、安っぽく統一しているのか。ふん。

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