ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『希望の海へ』

2015-09-07 16:56:43 | 
『希望の海へ』マイケル・モーパーゴ作 佐藤見果夢訳 評論社
十歳に満たない戦災孤児アーサーは、汽船に乗せられ、イギリスからオーストラリアに送られた。姉のキティから別れる時に渡された鍵を幸運のお守りとして、アーサーは過酷な運命に耐えようとするが・・・。
一部は、アーサーの人生。二部は、アーサーの娘アリーがキティを探しにヨットでオーストラリアからイギリスに向かう話。おもしろかった。キティの鍵、「ロンドン橋落ちた」、アホウドリなどがキーワードとなって話が進む。そして、キティ捜しは、とても現代的な方法だった。その方法が実際的だけど。
アーサーは、心が折れることがあっても、1人の人間として扱いを受けて、立ち直っていく。アーリーも落ち込んでも、自分は一人きりではないと悟って少しずつ元気を取り戻していく。人は、人として回りの人に大切にされることが大事だと思った。
何よりも「児童移民」といわれる人々の実話が元になっていると知ってビックリした。第二次大戦後、オーストラリアは人口を増やすために白人労働者を増やしたかった。イギリスは、戦災孤児などの子どもたちが大勢いた。そこで、イギリスからオーストラリアへ子どもを移民させたというのだ。大半の子どもたちはオーストラリアでは劣悪な環境で強制労働させられたという。知らなかったから驚いた。
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