松岡享子氏講演会「子どものことばを育てる」2015・9・10 芦屋ルナホール
暗い会場でメモを走り書きしたので、意味が通らないところが多々あるがご容赦を。松岡先生、ごめんなさい。
『婦人の友』2015年2月号の松居直さんとの対談「ことばのゆりかご」がきっかけで、この講演を松岡氏にお願いしたそう。会場は、満員で赤ちゃん連れのお母さんもちらほら。
松岡享子先生は、『くまのパディントン』『しろいうさぎとくろいうさぎ』などを訳され、童話『なぞなそのすきな女の子』絵本『おふろだいすき』などの著者である。
まず、松岡先生が長年携わってきた東京子ども図書館の紹介ビデオを見る。風見鶏が屋根にあるレンガつくりの建物。色とりどりのバラに囲まれている。中では、子どもたちが、本を読んでもらって楽しそうにしている。生が躍動しているような子どもたちの笑顔であふれている。東京子ども図書館の仕事の紹介。
次に東北大震災で津波にあいボロボロになった本の山が映る。一転、まるで『ちいさいおうち』を思わせるような建物が。陸前高田こども図書館となっており、運営に東京子ども図書館が協力。その他、在日日系ブラジル人の読書支援活動もしている。
さて、松岡享子先生が登場。魅力的な方です。
子どもに本へ興味を持たせるためには、本を読んであげることだとだと思っていた。本を読めばいいことが起きると信じていた。しかし、1970年代の高度成長で日本が大きく変化すると、子どもが本を楽しまなくなった。シリーズの続きを読まない、内容をケロリと忘れる読み方をする、お話に笑わない、語り手の目を見ない等。
本ではなく子どもが変わったことに気づき、言葉の力や言葉の育て方を考えるようになる。言葉を弱めるものとしては、テレビがある。映像と結びつき、日常生活と関係のない言葉を覚える。つまり、言葉にまつわる日常生活の音や触感を奪い、言葉が軽くなる。刺激が増えるので、言葉を聞き流すようになる。忙しくて、ぼんやりと考えたり、遊ぶことが減る。歌いながら体を動かすことが少ないため、疲れやすくなる。こうして言葉のイメージが小さくなり、お話が自分の身にひきつけられにくいのではないか。
生後1年半から2歳までに言葉の土台が作られるらしい。親と視線があって、赤ちゃんの言いたいことがわかってもらえることが言葉の土台になる。赤ちゃんが発した言葉を親がわかることで、言葉の土台ができ、人とのつながり、信頼、安心感、気持ちの通じ合いとなる。
助産師が赤ちゃんのオムツ替えのときに「オムツ替えて気持ちいいねえ」などと声をかけるとお母さんに驚かれることがあるという。若いお母さんたちは、核家族化で一生懸命孤軍奮闘していて、声をかける暇がない?
赤ちゃんの手づかみは、意欲の現われ。赤ちゃんが他の赤ちゃんに興味を持ってハイハイして近づくと「ダメ」という親がいるが、ほっておけばよいらしい。危ない時に注意すればいい。
最近は、お母さんの骨盤が狭いため、おなかの中の赤ちゃんが体をあまり動かせず、うまれた時に体が凝っている赤ちゃんがいるらしい。マッサージをするとほぐれるらしいが、そんなに体が凝っていては、親と見つめあうことができにくい。
いい読書のためには、言葉を育てる。言葉を育てるためには、いろいろと経験し五感を感じる。ぼんやりする時間を確保し、本を読み終わった後に反芻する時が大切。
赤ちゃんに絵本を読むには、首がすわってからがよい。くつろいだ状態で絵本を読むこと。
したいことができる、しなやかな肉体が意欲を生む。絵本=気持ちいい状態が、絵本への意欲となる。
参考
『こどもとことば』岡本夏木
『言葉の獲得???』荒井まこと???
『新月』タゴール
『こどもの詩』川崎洋
東京子ども図書館のように、本を読んであげようと思った。
あと、改めて体は大切なのだと思った。すぐ疲れれば、意欲もわかないものね。
体がどちらかにバランスが傾けば反対に戻るように働くのと同じように、社会もバランスを取ろうとするという話には希望が持てた。スマホやITなど懸念材料はあるが、本を楽しめなくなった子どもたちが、30年かかって落ち着きを取り戻してきたという。
私は、大きなことはできないが、地元の子どもたちと一緒に本やお話を楽しむところから、地道にやっていこうと思った。
暗い会場でメモを走り書きしたので、意味が通らないところが多々あるがご容赦を。松岡先生、ごめんなさい。
『婦人の友』2015年2月号の松居直さんとの対談「ことばのゆりかご」がきっかけで、この講演を松岡氏にお願いしたそう。会場は、満員で赤ちゃん連れのお母さんもちらほら。
松岡享子先生は、『くまのパディントン』『しろいうさぎとくろいうさぎ』などを訳され、童話『なぞなそのすきな女の子』絵本『おふろだいすき』などの著者である。
まず、松岡先生が長年携わってきた東京子ども図書館の紹介ビデオを見る。風見鶏が屋根にあるレンガつくりの建物。色とりどりのバラに囲まれている。中では、子どもたちが、本を読んでもらって楽しそうにしている。生が躍動しているような子どもたちの笑顔であふれている。東京子ども図書館の仕事の紹介。
次に東北大震災で津波にあいボロボロになった本の山が映る。一転、まるで『ちいさいおうち』を思わせるような建物が。陸前高田こども図書館となっており、運営に東京子ども図書館が協力。その他、在日日系ブラジル人の読書支援活動もしている。
さて、松岡享子先生が登場。魅力的な方です。
子どもに本へ興味を持たせるためには、本を読んであげることだとだと思っていた。本を読めばいいことが起きると信じていた。しかし、1970年代の高度成長で日本が大きく変化すると、子どもが本を楽しまなくなった。シリーズの続きを読まない、内容をケロリと忘れる読み方をする、お話に笑わない、語り手の目を見ない等。
本ではなく子どもが変わったことに気づき、言葉の力や言葉の育て方を考えるようになる。言葉を弱めるものとしては、テレビがある。映像と結びつき、日常生活と関係のない言葉を覚える。つまり、言葉にまつわる日常生活の音や触感を奪い、言葉が軽くなる。刺激が増えるので、言葉を聞き流すようになる。忙しくて、ぼんやりと考えたり、遊ぶことが減る。歌いながら体を動かすことが少ないため、疲れやすくなる。こうして言葉のイメージが小さくなり、お話が自分の身にひきつけられにくいのではないか。
生後1年半から2歳までに言葉の土台が作られるらしい。親と視線があって、赤ちゃんの言いたいことがわかってもらえることが言葉の土台になる。赤ちゃんが発した言葉を親がわかることで、言葉の土台ができ、人とのつながり、信頼、安心感、気持ちの通じ合いとなる。
助産師が赤ちゃんのオムツ替えのときに「オムツ替えて気持ちいいねえ」などと声をかけるとお母さんに驚かれることがあるという。若いお母さんたちは、核家族化で一生懸命孤軍奮闘していて、声をかける暇がない?
赤ちゃんの手づかみは、意欲の現われ。赤ちゃんが他の赤ちゃんに興味を持ってハイハイして近づくと「ダメ」という親がいるが、ほっておけばよいらしい。危ない時に注意すればいい。
最近は、お母さんの骨盤が狭いため、おなかの中の赤ちゃんが体をあまり動かせず、うまれた時に体が凝っている赤ちゃんがいるらしい。マッサージをするとほぐれるらしいが、そんなに体が凝っていては、親と見つめあうことができにくい。
いい読書のためには、言葉を育てる。言葉を育てるためには、いろいろと経験し五感を感じる。ぼんやりする時間を確保し、本を読み終わった後に反芻する時が大切。
赤ちゃんに絵本を読むには、首がすわってからがよい。くつろいだ状態で絵本を読むこと。
したいことができる、しなやかな肉体が意欲を生む。絵本=気持ちいい状態が、絵本への意欲となる。
参考
『こどもとことば』岡本夏木
『言葉の獲得???』荒井まこと???
『新月』タゴール
『こどもの詩』川崎洋
東京子ども図書館のように、本を読んであげようと思った。
あと、改めて体は大切なのだと思った。すぐ疲れれば、意欲もわかないものね。
体がどちらかにバランスが傾けば反対に戻るように働くのと同じように、社会もバランスを取ろうとするという話には希望が持てた。スマホやITなど懸念材料はあるが、本を楽しめなくなった子どもたちが、30年かかって落ち着きを取り戻してきたという。
私は、大きなことはできないが、地元の子どもたちと一緒に本やお話を楽しむところから、地道にやっていこうと思った。