与那国島の住民投票が、2月22日に行われた。
結果は、自衛隊配備賛成票が過半数を上回った。
賛成票:632票、反対票:445票。合計:1077票。
投票率:85.74%
逆算すると、投票できる人は、1256名。
投票しなかった人全員(179票)が、反対に投票しても、逆転しない。
今回の住民投票を受け、翌日、沖縄新報の社説がでた。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-239305-storytopic-11.html
内容は、次のとおり。
陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備の是非を問う与那国町の住民投票は、賛成票が過半数を占めた。島を二分した住民投票について政府は重く受け止める必要がある。
防衛省は昨年4月、住民の意見が鋭く対立する中で駐屯地の造成工事に着手した。住民の分断を深めた政府の罪は重い。投票には「もう工事は始まっている」といった意識もかなり影響しただろう。
中谷元・防衛相は投票を前に「予定通り進めたい」と述べた。住民投票に法的拘束力はないが、事前にけん制するような発言は極めて遺憾だった。
今回は永住外国人も含む中学生以上の町民が投票した。島の未来を考え、それぞれが悩み抜いた判断に違いない。ただ結果をもって、計画が町民の全面的な信任を得たとまでは言えないだろう。
与那国はもともと保守的な地盤だ。187票差がついたとはいえ、住民の複雑な思いを政府は深く理解すべきだ。
与那国島は尖閣諸島から約150キロにある。配備について政府は南西諸島の防衛力強化の一環と位置付けるが、軍事的合理性に関する疑問は解けない。
専門家からは「与那国の監視部隊レーダーからは尖閣周辺を飛行する航空機の探知は不可能」との指摘がある。仮に尖閣有事を想定したとして、身内からも「空自と海自の領域だ。軍事常識から考えて尖閣問題で与那国に陸自が必要との論理は成り立たない」(海上自衛隊関係者)との声もある。
冷戦後リストラを余儀なくされる陸自の生き残りのための配備であってはならないはずだが、こうした疑問に納得のいく説明はない。
配備に賛成する人々には人口増をはじめ、ごみ処理場や伝統工芸館新設、漁業用施設整備といった振興策に対する期待が大きい。
だが過去に自衛隊基地が置かれた全国の離島では、過疎に歯止めがかからない現実もある。工事などで数年間は潤っても、効果は限定的との声もある。何より本来、離島活性化は沖縄振興予算などで行われるべきで、自衛隊配備を条件に実施される筋合いのものではないはずだ。
配備反対派はレーダーの電磁波による健康不安も強く訴えている。建設差し止め訴訟も検討しているなど、住民への説明が尽くされているとは言えない。防衛省は2015年度末までの配備予定にこだわらず、慎重に対応すべきだ。
この社説を読む限り、陸自駐屯の反対の理由は、つぎのとおり。
・住民が反対する中、駐屯地の工事を進めた → だから、今回、住民投票したのでは?
・防衛大臣が予定通りすすめたいと、発言した → 大臣の発言で住民の意見が変わるの?
・軍事的合理性に関する疑問は解けない → 中国が尖閣諸島の周辺に違法侵入している事には、疑問はないのか?。不安はないのか?
・専門家が監視レーダーでは意味がないと言っている → その専門家とは誰?。また、陸自だけで防衛するとは言っていない。空自は早期警戒機等を飛行させている。
・陸自が必要な論理が成り立たない → 確かに空自、海自の領域であるが、陸自が不要な論理を明確にして欲しい。陸自の装備品には、地対艦ミサイルもあり、200㎞をカバーできる。飛行機では、弾薬が尽きれば、戻らなくてはならないが、地上にあれば、補給のために戻る必要はない。
・陸自の生き残りのための配備 → 誰が言っているの? 近くには、台湾もあり、中国軍船がきているのに、与那国島の安全はどうするの?小笠原に中国漁船が来た時、小笠原住民は、不安がっていた。
・電磁波の訴訟も検討されている → 法治国家なので、裁判で争ったら良い
政治では、参政権がない外国人、中学生まで年齢を下げて、住民投票しての結果での惨敗。
今回の住民投票については、読売新聞が正論を書いている。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20150223-OYT1T50139.html
特に、次の内容(抜粋)で非難している。
<看過できないのは、今回、中学生以上の未成年や永住外国人にも投票を認める異例の措置をとったことだ。賛否を逆転したい反対派の思惑によるものだろう。>
国政を決めるのが、国会であり、政府。
外国に不法に侵略された時、陸自駐屯を反対した町民の責任にすれば良いとはならない。
沖縄新報こそ、「この住民投票について、重く受け止める必要がある」と考える。