映画の撮影場所の選択は難しい。
昭和10年頃の山陰地方の鉄道で、架線があるところを蒸気機関車が走るシーンがあった。
勿論、東京、大阪等は、電化されていた。
東海道線の全線電化は、昭和31年。
昭和39年(1964年)に東海道新幹線が開通したので、在来線の電化は、僅か、8年前である。
考えられるのは、電化の区間が一部有っても、電化していない区間があると、蒸気機関車で牽引することは考えられる。
電化されていない区間のみ、蒸気機関車に切り替えるのは、面倒である。
しかし、昭和10年頃、山陰本線での電化の架線は考えられない。
今でも、大阪駅から、山陰地方に行く汽車には、ディーゼル車の列車が走っているぐらい、電化が遅れている地域である。
それ以外で、映画の風景で気付いたこと:
・山の中の川の堰が、綺麗なコンクリート製の堰になっていた。そんなばしょでないところで撮影はできなかったのか?
・軍人が行進している足音とその映像が、微妙に合っていない。確かに、そのカットのみ足音のテンポが違って少し遅いテンポでした。撮影時の準備不足の問題と考えます。今の時代なら、映像を少し早送りすることができて完璧に調整できたとは考えます。
・時代劇の山の風景であるが、如何にも現代の山の風景になっていた。
・昔の街道は、細かったのに、大型トラックが通れるぐらい広い道。
まあ、仕方がないと言えば、仕方がないが、時代考証をしっかりとして欲しいと思ってしまいます。
といって、コンピューター・グラフィックの映像では、少し味気ない。
閑話:
東京や大阪に住んでいると、鉄道の電化は当たり前と思ってしまうが、意外と非電化の鉄道区間は多い。
電化率の高い順の地域の詳細は、ここを参照:
http://deadsection.image.coocan.jp/dead_sec/electrify.htm
100%の都道府県は、次の5都府県。
東京都、大阪府、神奈川県、奈良県、沖縄県。
沖縄県には、モノレールしかないけれど、100%です。
首都圏でも、埼玉県、千葉県も100%ではありません。
中京地区の愛知県も100%ではありません。
6位~9位までは、あとほんの少し電化すると100%になるのでしょうが、採算を考えると難しい路線なのでしょう。
和歌山県の非電化の区間は、渡り路線なので、電化されることは無いと考えます。
また、電化するには、電力、配電盤、架線、ディーゼル車から電車への車両の切り替え等が必要になります。
鉄道の非電化を調べたら、意外なことが分かりました。