古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

西村京太郎 (2)

2018年03月21日 08時25分25秒 | 古希からの田舎暮らし
『15歳の戦争』は、西村京太郎が著書の595冊目に、86歳にして書いた自分の戦争との関わりを話している本です。
 後半は駄弁めいた戦争談義になっていますが、前半はなかなか面白かった。
 彼は、敗戦で幼年学校が無くなり、旧制中学に戻りました。そして敗戦後できた「人事院」に就職しました。しかし官僚は東大出でないと出世できません。こんなふうに書いています。

 
 10年も、人事院という官庁で働いていると、次第に、自分が、サラリーマン(公務員)に向いていないことがわかってきた。 …… このまま、人事院にいても、課長補佐かと思っているうちに、29歳という年齢になってしまった。30歳になったら、第二の人生を始めるのは無理だろうと、勝手に考えていた。 …… 問題は、辞めて、何をするかだった。が、すぐ決まった。作家以外、なれそうもなかった。
 この頃、一番人気のあった作家は、松本清張で、「点と線」が、ベストセラーになっていた。2時間くらいで読み了えたので、「これなら、自分にも書ける」と、錯覚した。読むのと書くのとは、大違いなのにである。一日も早く、プロの作家になりたいので、あらゆる懸賞小説に応募した。純文学、ミステリー、歴史小説の懸賞にも応募した。ところが全く手応えがない。それも一次審査にも通らないことが、続いた。困ったのは、母親のことだった。 …… 人事院を辞めたとはいえないので、そのことは内緒にしていた。退職金が、だいたい月給の一年分貰えたので、その中から、毎月25日に、一ヶ月分を母親に渡すことにした。 ただ、自宅で、原稿を書くことができない。毎朝、いつものように家を出ると、上野図書館に行くことにした。


 その後西村京太郎はちょっと賞をとったりしますが、競馬場の警備員や探偵のアルバイトをしてしのぎ、48歳にしてようやくベストセラー作家になります。
『点と線』を読んで「これなら書ける」と思う。それを正直に書くところがおもしろい。彼のミステリーも一度読んでみようかな。
 
 肩が凝ってる。畑で杭を打ち込んだから。
 雨で外仕事はできないし、朝からとどろき温泉に行きました。
 年寄りだから〈働く〉〈休む〉のリズムを大切にします。
コメント
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