高電圧を張り巡らせて、農作物を害獣から守る牧柵の効果はてき面で、百姓は枕を高くして眠れた。
ところが今年になって柵内に鹿が出没し被害が拡大している。
農地に無数の足跡と、糞を残し、野菜の柔らかい新芽を剪定したようにきれいに平らげてゆく。
多分 どこかの開いていた牧柵の隙間から迷い込んだ群れが、牧柵に阻まれて山に戻れず、人のテリトリーに住み着いたのではないかといわれている。
野菜畑に牧柵を張ろうとカミサンが言う。
野菜はスーパーで買ったらと私が言う。
このままでは、収穫した切口から雫が滴るような新鮮なきゅうりは食べられない。
アマガエルは、我関せずと構えている。