蜂の巣に対する興味は尽きない。
最初に蜂の巣を支えていたのは、数ミリに満たない吊り下げ支柱だった。
巣の拡張に伴い、吊り下げ支柱の強度補強も同時進行したのだろう、上下逆ではあるがまるで大木の根元を見る様だ。
支柱の基礎は、スレートの波打った天井に、自力で調合した強力な接着剤で貼り付けたと思われる。
支柱建材の硬さも、巣を覆う外壁材とは明らかに違う、今回は鋸で切り取った。
蜂たちに役割分担があったかどうかわからない。
もし組織で働いたとしたら、指示監督者がいたのだろうか。
この群れには数千匹の蜂がいたと推測する、短期間にこれほどの仕事量を達成するために、高度な指導力
が必要だ等と、難しく考えるのは人間である。
虫の世界は異次元だ、そこに人間の考えを移入してはいけないのだろう、虫けらと侮るなかれ。
山は終日大荒れ 吹き下ろす風が冷たかった。