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茗荷の言い伝え

2009年08月28日 | 季節の便り

潤沢な雨量に恵まれてミョウガはまるで熱帯のジャングルのように茂みを拡大した。
かき分けた根元に妖しげな花が咲いている。
こんなになっては、もう食べるのに適さない。
花の咲く前のタケノコに似た形が、香りも味も容姿も良い。
形の整ったものを選んで、2つほどあれば朝の食卓に充分すぎるほどである。
細かに刻んで醤油をかけるだけ、子供のころは顔をしかめて食べたものが、今は美味しいと思えるようになった。
味や香りの感性が鈍化したのかもしれない。
茗荷が美味しいと思う年代が、物忘れが始まる年代と合致するところから、茗荷にとってはなはだ不名誉な言い伝えが生まれたのだろう。
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