6月の白い花 ユキノシタ

こんなふうに羽を広げて飛ぶ虫を見たことがある。
鳥だったかもしれない。
花から感じる情感の起伏は人それぞれに固有なものらしい、血液型などによる無機質な性格診断よりはるかに人間的なものかも知れない。
もしそんな診断学のツリー構造ができるとしたらその頂点におきたい花である。

虫取りナデシコ

あずさ川の河原一面が淡いピンクに染まっている、近づくと虫取りナデシコの群落である。
名のとおり、葉の茎節の下に粘液のついた帯状の部分があって、そこを通る小さな昆虫を捕食する食虫植物であると聞いたことがある。
庭に咲くこの花を長い間観察してきたが、いまだかって小さな羽虫一匹も捕捉されているところを見たことがない。

6月の白い花 ブラックベリー

黒い木いちごブラックベリーが花盛り
いよいよ入梅の気配の暗い空
東京出張

6月の白い花 二輪草？？

この花を二輪草と勝手によんでいるけれど、春咲きの二輪草とは逞しさが違う。
庭のあちこちに群れて咲いている。
一様に不ぞろいの花弁の横に、青いさくらんぼのような硬いつぼみが控えている。

山脈に落ちる太陽

日が落ちる位置が北アルプスの稜線を毎日少しづつ北にずれてゆく。
６月２１日の夏至まで北に異動して、以後は同じ行程をたどって南に帰ってゆくのだと思う。
天候や自分の都合で、落日に立ち会えないことも多いけれど、季節が移ろう先触れとして興味深い。

散っても華やかな花 芍薬

朝　カットグラスに挿した芍薬が妖艶に散り落ちていた。
グラスの中に浮かんだ一ひらまでが万華鏡を思わせる。

６月の白い花 のいばら

小鳥が持ち込んだのか、庭の石組みの間に芽生えたノイバラはその強い再生力で、切り取っても切り取っても増殖して新芽を成長させてくる。
注意して触っても、猛禽の爪のような鋭いトゲが手袋を通して容赦なく襲い掛かる。
ノバラが咲く道はイバラの道でもある。
ノイバラの花に清らかさを覚えるのは、清純な匂いと、名曲から広がるイメージと、憎き棘の裏返しによるものである。

紫蘭

大きな石を背にして身構えるように咲いた。
ギボシに追い詰められたらしい。
生態系の破壊
花が終わったら新しい領土に移してやろう。

6月の白い花 こでまり

夜明け前、若い緑の葉越しに、風に飛ばされたらしい白布が見えた。
近づくとそこには「こでまり」が咲いていた。
湿気を少し含んだ6月の朝は、昨夜のけだるさが嘘のように消える。
この花は「こでまり」と違うかもしれないが、我が家では親父の代からそういうことになっている。

６月の白い花 梅花ウツギ

日ごとに緑が濃くなって、樹木の生命力は旺盛である。
梅花ウツギの香が若葉の間を縫って部屋の真ん中まで届く。