自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

’19 ジャガイモ採種に向けて(8)~花をめぐる虫たちの物語②~

2019-06-09 | ジャガイモ

ジャガイモの花はふしぎな側面の持ち主です。緑の葉の上に突き出して,房になって咲く集団花で,離れたところからもよく目立ちます。なのに,訪ねて来る昆虫がさほど目に付かないのです。

モンシロチョウが飛んで来ても,見向きもしません。蜜を持たない花なのではないでしょうか。花粉が葯から吹きこぼれるといったふうではけっしてありません。葯が閉じているふうです。たまにハエのなかまが訪れているのを見かけますが,それらはすべて葯や柱頭を舐めるタイプの昆虫ばかりです。

葯は黄色で,柱頭を取り囲んでいます。花弁は白や紫っぽい色をしています。花弁の色が遠くからの目印になって,「黄色が中心だよ」と道案内をしているのです。にもかかわらず,訪花昆虫がとてもすくないところがふしぎな花です。

そんな中,見かけた昆虫を前々回に続いてご紹介します。

ツマグロキンバエが柱頭を舐めていました。

 

 

ハラビロヘリカメムシでしょうか。吻を伸ばしていることから,汁を吸っていたようです。このカメムシが受粉に関係しているかどうか,わかりません。

 

小さな小さなハエが葯に。これが受粉の大きな貢献者とは思えません。

 

コアオハナムグリが花粉を食しています。これまでに度々観察して来ました。受粉に多少なりとも関与していると思えます。

 

ハナバエのなかまでしょうか。花に関心があるようです。

 

ジャガイモの花には,考えれば考えるほどふしぎが詰まっています。