自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ゴミムシダマシの幼虫かな

2023-01-05 | 昆虫

畑の土を耕していると,出て来たのが真っ白で細長い幼虫。

 

それも二匹。

 

「コメツキムシの幼虫が脱皮した直後かなあ」と思ったものの,あとで調べると,どうもそうではないようです。

それならと思い,さらに調べて行くうちにヒットしたのが“ミールワーム”(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)。これは生餌として飼育されているゴミムシダマシの幼虫の総称だとか。それに酷似しています。それで,ゴミムシダマシの幼虫ととりあえず同定しておくことにしました。

初めて見る幼虫だったので,畑でその動きを観察しました。

動きはじつに慌ただしいばかり。すぐに土中に潜り込もうとします。

 

見る見るうちに見えなくなりました。

 

まず,ゴミムシダマシの幼虫にまちがいないでしょう。

 


身近な野鳥 ~イソヒヨドリ~

2023-01-04 | 野鳥

朝,今にいるとたのしそうなさえずりが聞こえて来ます。それもすぐ近くから。それに,しきりと。

家族の一人が外から入って来て,このように言うのです。「ヒヨドリみたいな鳥がきれいな声で鳴いているなあ。あれはヒヨドリかな」と。それで確かめようと思い,外に出て鳴き声のする方を見てみました。すると,たしかにヒヨドリほどの大きさで,色もかなり似ている鳥が一羽,電線にとまって鳴いていました。一言でいえば,灰褐色。これまでに見たこともない鳥です。

証拠写真を撮っておこうと,カメラを持ち出して撮りました。

 

そこからが問題です。ヒヨドリかもしれないという思いも捨てきれません。それなら,ヒヨドリはときにより鳴きまねをするということになります。それにしては,いつもの甲高い鳴き声は一度も出しません。それにヒヨドリなら,電線にじっととまるようなことはまずありません。

 

検索してみました。はじめは手掛かりすらなかったのですが,調べているうちに胸の模様がイソヒヨドリのメスに似ていることがわかってきました。こうなると,鳴き声を聞き比べる必要があります。それでユーチューブで聞いてみると,まさにイソヒヨドリにまちがいありません。

 

しばらくして,また別のところから鳴き声が聞こえて来ました。

 

イソヒヨドリは内陸部ではあまり見かけない鳥のようで,もし見たとすればめずらしいようなのです。道理で,見慣れない鳥だと思いました。このイソヒヨドリが一日中,つまり朝から夕方まで我が家の周りでさえずっていました。それはそれは,なんとも軽快で,きれいなミュージックに聞こえました。

 


"魚露目"で見たシロバナタンポポ

2023-01-03 | 

1月。寒い今,我が家の前の道端でシロバナタンポポが花を付けています。

 

ふつうなら昆虫がほとんど訪れないこの季節に,どうしてかなと思ってしまいます。これはセイヨウタンポポにもいえることです。セイヨウタンポポは染色体数が3倍体なので,受粉を経ないで結実します。これを単為生殖(無性生殖)と呼んでいます。つまり,虫がいてもいなくても,とにかく一年中種子をつくり続けるという,たくましい戦略の持ち主なのです。

 

もっとも,単為生殖ばかりで種子ができても,遺伝子情報が単一化されるので,不利な環境に見舞われると全滅する恐れが出て来ます。主として生き延びるにはどんな環境にでも対応できるという柔軟さがいるでしょう。それには種として多様な形質を残さなくてはならないでしょうし,そのためには受粉による結実法が欠かせないのです。

シロバナタンポポもまったく同じです。染色体数が5倍体なので,昆虫の仲立ちがなくても単為生殖で種子をつくることができます。もちろん,昆虫の活動が活発な季節は受粉による結実が多くを占めます。

 

シロバナタンポポがめずらしい存在だったのに,今では東日本方面にも分布域を広げています。これは,気候の変動や交通網の発達以外に,そうした生き方のたくましさも関係しているのです。

 


杉板・ガラスに産付されたガの卵

2023-01-02 | 昆虫

年末,大掃除をしているときのこと。

ガラス窓の水拭き作業中,ガラスに産付された卵を発見。ガの卵には違いなさそうですが,それがなにかはわかりません。表面の模様が消えかかっているので,これ以上突き止めようとしても無理です。

 

それで,その辺りを見ていたら,下の杉板にもあちこちに卵があるのです。もちろん,同じときに産み付けられたものでしょう。

 

もとは模様があったはず。

 

産付後,ずいぶん日が経っているとみられます。

 

木の幹に産み付けたと勘違いしたのかもしれません。

 

なかにはへこんでしまったものもあります。しかし,孵化した形跡は見当たりません。

 

そのとき思ったのは果たして春孵化するのだろうかということです。秋孵化しそこなって,もう死に絶えているのかもしれません。もし孵化するのなら,今後の観察に期待が持てます。それで,申し訳ないと思いつつ,一つだけ割って内部を見てみることにしました。

そうしたら,中身が詰まっていたー!

 

ということは卵越冬で,今春孵化するということになります。その瞬間を見届けることはむずかしいかもしれませんが,できるだけやってみます。ということで,卵を採取しました。付着面にはじつに固く付いていました。簡単に落下しては困ります。納得。

 

 


"魚露目"で見たマンサク

2023-01-01 | 

1月1日(日)。

皆様,あけましておめでとうございます。本年もどうかよろしくお願い申し上げます。皆様方にとって,この一年がハッピーな経験・体験の積み重ねとなりますように……。

我が家の前栽のマンサクを見ると,蕾がたくさん。まだかたいのですが,それでも黄色い花弁がほんの,ほんのわずかにちらっと見えます。これを目にすると早春の匂いがして,こころが和みます。なにしろ,マンサクは「他の花に先駆けて,マンズサク(先ず咲く)」ともいわれているそうなので,ことばの響きからも気持ちがほっとします。

 

枯れ葉と蕾が同居しています。この木の特徴です。

 

花弁はばね状に曲げられて収まっています。それを守るのが萼片。

 

萼片には微細毛が密集していて,花を守っています。

 

晴れ渡った昼間に撮りました。黄色い花弁がちょっとだけ見えています。

 

この蕾もまた。

 

今の寒さが刺激となって,マンサクの開花が促されます。夏眠から覚めるのです。すると,冬にもかかわらず小さな昆虫が訪れます。いのちの営みは途切れることなく続きます。

それを思うと,わたしも怠けておれません。たのしい出会いを求めて,ゆっくり,そして確かな足どりで歩んでいこうと思うのです。