徒然なる日々からの歳時記

徒然なるままに日々の歳時・興味を綴っております。

桜餅蘊蓄

2012年04月22日 | 日本酒・ワイン・酒・食材・旬
過去にこの記事で少しだけ触れたのですが,桜餅にかかわる蘊蓄です。

写真は,以前から食べてみたいと思っていた長命寺の桜餅。上野に少し用事があって訪れた際,ついでに立ち寄って,買ってきました。蓋をあけるとこんな感じ,最初はちょっとびっくりします。普通の桜餅に比べると大きな桜の葉を2枚,贅沢?に使っているので,ワイルドな感じになります(笑)

さて,蘊蓄なのですが,この桜餅,大きく分けて2つの種類が存在していることは,ご存じでしょうか?

長命寺のものは,ちょっと葉が大きく過ぎて分かりませんが,中身はこんな感じ

あれ違うと思った方は,こちらではないですか?

私も桜餅といえば,後者だったのですが・・。おおむね関東の方は先に紹介したものを桜餅と呼び,関西の方は後で紹介したものを桜餅と呼びます。関東の方は後で紹介したものは「道明寺」と呼んでいると思います。

この二つの桜餅,起源が違って,前者は江戸,後者は上方起源という訳です。

どちらも美味しいので是非食べ比べして見て下さい。

さて,桜餅言えば,塩漬けにした桜の葉ですが,この桜の葉,どの種類でも良いわけではありません。ちゃんと決まった品種の桜の葉が使われています。あまり馴染みはないかも知れませんが,オオシマザクラという種類の葉が用いられています。このオオシマザクラ,皆さんお馴染みのソメイヨシノの片親でして,ソメイヨシノとよく似た大柄の花を付けます。ただ,一点だけソメイヨシノとは異なる特徴があって,爽やかな緑色の葉が花と同時に芽吹きます。これはこれで素敵なのですが,一面の薄紅色に染まることはありません。では,花が先に咲き,葉は後から芽吹くという特徴は?・・・そう,もう片方の親エドヒガンの特徴を受け継いでいる訳です。

で,桜餅に戻ってくるのですが,長命寺のあるのは江戸の頃から花見で有名な隅田川の畔。

江戸の頃から続く長命寺の桜餅は,オオシマザクラの葉を使うのに,隅田川沿いの桜は今,ほとんどがソメイヨシノ,ソメイヨシノが生まれたの江戸の後期から明治の初期・・・,そうなんです,もともとは隅田川の桜はソメイヨシノではなかった訳です。(ヤマザクラ等が多かったといわれています)

長命寺の桜餅は食べながら,かつての隅田川の桜に思いを馳せてみるのもいいかと。

→ 向島長命寺桜もち

追記(おまけ):
5月に開業するスカイツリーも共演,どう見ても傾いて見えますよね(笑)

コメント (4)
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