元ラーメン屋店主のツイート集

ラーメン屋を10年経営し、今は閉店し、介護士をしています。

特殊な趣味は弾圧される世の中

2007年09月24日 | 店主の人生哲学
先週、京都で16歳の専門学校生が警察官の父を
斧でメッタ刺しにする残虐な事件がありました。

計画的犯行で、犯行の理由が「お父さんの女性関係
が嫌いだった」という理由です。思春期、反抗期の
16歳が父親を嫌い、ましてや不純な女性関係が
あれば不潔だと感じるのは普通の流れです。しかし、
そんな事で殺人まで発展するなんて常軌を逸して
います。父親を殺める事が出来る時点で、狂人的な
サイコ異常者です。もはや、人間では無いと思い
ます。

犯人は弁解の余地も無い殺人鬼ですが、テレビの
報道には毎度ながら問題を感じます。

何でテレビのコメンテーターや、番組制作者や、
犯罪心理学者は、ワンパターンの的外れな結論を
なぜ出すのか疑問です。

猟奇的な殺人が起こると、毎回、毎回、犯人の
趣味、趣向と犯罪行為を結びつけます。あたかも、
その趣味により犯罪行為へ促したかのように煽り
たてます。

例えば、アクションゲーム、ホラー映画、
サスペンス映画、漫画、ポルノ、インターネット
など、99.999%のユーザーは娯楽で楽しん
でいるに過ぎません。コメンテーターや専門家は
現状認識が間違っていると思います。

犯罪者は元々が異常者であり、殺人に興味がある
から猟奇的な犯罪ものの映画に興味を持ったりし
ているのであって「映画の影響で・・・」という
のは無いに等しいと思います。

映画で例えるならば、映画先行型ではなく、精神
的異常先行型だと思います。そういった異常者が
映画の犯罪手口を真似るから「映画」=「悪」と
いうイメージが出来上がるのではないでしょうか。

今回の16歳の犯罪者は、ゴスロリファッションの
愛好家という事で「ゴスロリ・ファッション」=
「犯罪予備軍」的な報道の仕方でした。

良識ある大人というのは何でいつもそうなのか、
自分達が理解できない新たなサブカルチャーを非難し、
大人文化が理解できないものは社会の悪と見る
傾向にあります。

僕だって、フリルだらけのゴスロリや、ヤマンバ
ギャルのファッションや、アニメのコスプレで
平然と町を歩ける人を理解できません。仮装パー
ティみたいなコスチュームが普段着化している
若者文化は理解しがたいです。でも、それは
個性的な美意識や、ブームや、大人への反発、
目立ちたい精神などであり、いつの時代もある
ジェネーレーションギャップでしかありません。

自分の価値観や、既存の常識と著しくづれて、
大多数と異なる特殊な嗜好の人を単純に「変人」
呼ばわりするする大人サイドに問題があると思い
ます。

学校教育でも「個性を伸ばす教育」と言いながら、
個性を弾圧するような社会のあり方には疑問を
感じます。無限の可能性を持つ子供達の芽を
摘み、扱いやすい「籠の中の鳥」にして、子供の
行き先のレールをひいてしまった大人たちが今の
日本の問題児達を作ったのでは無いでしょうか?
親の手を離れ自分で選択、決定するようになる
と、誰からも指示されずに行動できないアダルト
チルドレンが、社会に適応出来ず、引き篭もり、
ニート化するケースも多いと思います。

子供が暴力を振るい、同級生から金を巻き上げ、
万引き、窃盗、麻薬をするようなのは親が阻止
しなければいけませんが、周囲に迷惑をかけな
いファッション、趣味、友達付き合いぐらいは
若気のいたりと我慢し放任するのも大切だと
思います。

話が本線からずれてしまいましたが、報道番組
で「ゴスロリみたいな異常なファッションを
好む精神構造が引き起こした事件です」
と、滅茶苦茶な事を言っていました。
ゴスロリ・ファッションをしている人の70%が
殺人を起こすなら、確かに危険な人達と見るのも
理解できますが、今回の1件だけです。
メイドカフェや、メイド美容室なども普及し、
ゴスロリ系は数十万人いると思いますが、その
たった1件の特殊なケースで偏見の目を向けるの
はおかしいです。

僕はヘヴィメタルの愛好家ですが、ヘヴィメタルは
度々犯罪と結びつけられてきました。犯罪者の親が
ミュージシャンを訴えたケースも多いです。ヘヴィ
メタルの歌詞には、残虐なものや、社会のタブー、
悪魔崇拝てきな物など多いけど、それらの殆どは
バンド演出のフィクションです。ダーク&ヘヴィ
なサウンドには、重々しいテーマがピッタリはま
る、それだけの話です。それを真に受けて、邪悪な
危険思想の伝道師とか言う方がおかしいです。
サタニックなヘヴィメタルも悪を推奨しているの
ではなく、悪魔を演じているショーマンでしか
ありません。プロレスを面白くする演出で、
「正義 対 悪役」の対戦をするために
「ヒールレスラー」がいるいように、音楽界の
極悪さを演じているだけです。

「ヒールレスラー」を本当の極悪人と錯覚している
ようなトンチンカンな人々が巻き起こした事件が
あります。1993年、アメリカ、アーカンソー州
ウェスト・メンフィスで3人の小学生が残虐な殺さ
れ方をしました。18歳のダミアン・エコルスが
容疑者として逮捕されました。ダミアン・エコルス、
ジェーシー・ミスケリー、ジェイソン・ボールド
ウェンが裁判にかけれられ陪審員団は有罪と判定し
死刑が言い渡されました。彼ら3人がやった証拠は
何1つ無く、知的障害者であったジェーシー・ミス
ケリーが高圧的な拷問紛いの誘導尋問で自白した
だけです。彼ら3人は事件との接点は何も無く
ヘヴィメタルが好きだあった為に死刑まで宣告され
今も獄中にいる。

今も獄中にいる3人は、ヘヴィメタルをこよなく
愛していて「スレイヤー」「パンテラ」「メガデス」
「メタリカ」のメタルTシャツを着ていたという
理由だけで逮捕され死刑囚になったのは事実です。

もの凄い田舎町で、日本でいう過疎地みたいな田舎
で、悪魔の絵柄のT-シャツ、骸骨のT-シャツ、
「KILL」などデザインされたT-シャツは
異端視され、村人は口々に「あの少年達が犯人で
しょう」と警察に言い逮捕されました。
彼らが冤罪なのか、本当に残虐な犯行を起こした
のかは未だに不明ですが、ヘヴィメタルが好きだっ
たという理由だけで逮捕されたのは事実です。

この事件で、多くのヘヴィ・メタル・バンドが
ボランティアで再審を求める運動をしました。
でも、未だに再審は行われず死刑囚のままです。