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hiroの花便り

我が家に咲く花や日々の暮らしを綴っていきたいと思います

「大往生」再読

2017-02-24 | 本・雑誌など

1994年に発売され、大ベストセラーとなった永六輔さんの
「大往生」を22年振りに読み返しました。
(本は1995年1月20日 第52刷発行のもの)



福祉より薬が生んだ長寿国
風邪ひいて卵酒飲む薬剤師
古希という語が死語になる長寿国
見舞客みんな医学の解説者
わからないことは老化と医者は言い

(病院関係者が作った川柳)

歳をとったら転ばない、
風邪ひかない、
喰いすぎない、
これで十年は長生きします。


老人ホームはお洒落な二枚目のお爺さんを探しています。
素敵なお爺さんがいるだけで、お婆さんたちが、
みんないいお婆さんになります。


歳をとったら女房の悪口を言っちゃいけません。
ひたすら感謝する、これは愛情じゃありません、
生きる知恵です。


寝ているところを起こして、
時間ですからって睡眠剤を飲ませるんだぞ。
凄い病院だろう。


人間ドックで若いって太鼓判を押されて、
それで張り切ってすぐ死んじゃう人が多いんだって。


死ぬ前になりますと、人間は炭酸ガスが増えるんです。
この炭酸ガスに麻酔性がありますから、
最後はそれほど苦しまずに終わるようにできているんです。


人さまの前で「人の世話にはならない」という人がいますが、
自分で墓の穴を掘るんでしょうか。


前半に書かれた「老い」「病い」「死」については
著名人の言葉ではなく、著者が全国を旅する中で聞いた、
庶民の言葉がちりばめられています。
ふふふと笑えたり、シリアスで鋭い言葉など、
20年前も今もあまり変わりませんね。

最後に自分自身への弔辞が書かれていました。
「三途の川に流されて、あの世にも、この世にも
いないというのが永さんらしい」と書かれていましたが、
今頃は極楽浄土で中村八大さん、いづみたくさん、小沢昭一さん、
野坂昭如さん達と、ああでもない、こうでもないと
楽しくやりあっていることでしょう。
コメント (14)
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