筆者は1939(昭和14)年、旧満洲・新京市(現在の長春)に生まれる。82歳。
4歳で母を失い、継母に育てられる。
少女時代を北陸で、20代と30代をフランスで過ごし、帰国後、執筆を開始。
1980年、「裸足」で第51回文學界新人賞を受賞。
1982年、カトリック受洗。
1984年、親友の叔母をモデルに、
自然死を選んだ癌患者の生き方を描いた『青桐』で第92回芥川賞を受賞する。
文芸春秋 昭和60年7月5日第7刷
「青桐」と「白い原」を収録。
「青桐」は、乳癌に罹り、末期を迎えた叔母が、一切の医療を拒み、
東京の長男宅から富山県高岡市の旧家に戻り、
叔母に育てられた30歳を過ぎた独身の姪・充江が看取るというお話です。
癌も自分の内のもの、自分自身に他ならないと、共生することを選び、
梧桐(あおぎり)をみつめながら、静かに死を受け入れていく叔母。
主人公の充江も、幼い頃に顔に火傷を負い、
その傷跡を今も自分の一部として受け入れ、自分を否定したくないと、
叔母たちに整形手術を勧められても拒んできた。
叔母も早くに夫に先立たれたが、高校の音楽教師をしながら、
自分の二人の子供だけでなく、甥と姪まで分け隔てなく育ててくれた。
充江はそんな叔母が好きだったので、
叔母の最後を看取ることに迷いはないつもりだったが、
日ごとに衰弱していく叔母の姿を見るのは辛かったと思う。
しばらくぶりに兄の家に帰ったとき、火傷の原因を知る。
肉体が腐敗し、癌特有の臭いを発する描写はすさまじく、
ガン末期に病院から自宅に戻り
小学生の子供を2人残して逝った友と同じだったので、
読んでいると、その匂いが、鼻につくように感じられた。
「汚いものは何でも、きれいに片づけて、見えんようにしてしもう、
いうやり方が人間の不幸の因や・・・・・
病気も死もあっていい、現にあるものやさかいに、もっと普通の
暮らしに馴染ませて混ぜていいのではないか」
再読でしたが、改めて考えさせられた一冊でした。
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ハイビスカス・サマーブリーズ・ウィールウィンド
これまでに17輪の花が咲きました。
(2022.08.28撮影)
ハイビスカス・キャッスルホワイト
これまでに6輪の花が咲きました。
(2022.08.27撮影)
ハイビスカス・サマーブリーズ・ハワイアンイエロー
これまでに蕾は4つつきましたが、すべて落下し
念願の一番花がやっと咲きました。2017年7月から育てています。
(2022.08.26撮影)
これで未開化のハイビスカスはロングライフ・ボレアスだけとなりました。