なかなか、ぐ~の調子がよくなくて、更新するのがめんどくさくなってしまった。
「まったく、どうなってんだあ」
と怒っていたら、
「パソコンから離れられてちょうどよかった」
とおばあちゃんに、にこにこされた。
「そんなもんかなあ」
「そんなもんだよ、本でもよみな」
う~ん…、でも説得力ないよ、向こうで藤川先生が、よしながふみの「大奥」を読んでいて、感動しているから…。
「だから、ああ、なったらおしまいだよ」
それなら、納得だ。
へちま細太郎でした。
「あ~、数学の小テスト、また野茂に負けたあ~」
相変わらず、満点街道をつっぱしる野茂に、2年になってなかなか勝てない。
「2位じゃだめなのか?」
と、鈴木がぼくに自分のテストを自慢げに見せてきた。
「あ…」
鈴木は98点…
「負けたあ~なんでだよ~」
ぼくは、97点のテストを顔に押し当てながら、いつの間にやら追いついてきた鈴木の点数にショックを受けた。
「油断してると、足元すくわれるってことだね」
「くそ」
今回は中学生らしく勉強ネタにしてみた。
へちま細太郎でした。
台風が大雨とともに駆け抜けた夜明けに、けんちゃん先生のところにあかちゃんがやっと生まれた。
男の子だった。
「そうか、男か」
藤川先生は電話をきったあと、
「よっしゃ、これで後継ぎが誕生した」
と、大喜びをしていた。
「あんたね、女系じゃ周りがゆるさないでしょ、実孝んとこにはもう小学生の男の子がいるでしょうが」
おとうさんの意地の悪い言い方にも、
「藤川家の問題だ」
と取り合わない。
「ようするに、種馬っていわれるのがいやなだけだろ」
おじいちゃんが珍しく藤川先生の肩をもった。
「おやじさ~ん、わかってくれましたかあ」
藤川先生が泣きつかんばかりだ。
「ま、あまのじゃくってことだな」
「え?」
「そうそ、ほんとは結婚したいんだけど、お見合いでもいやだし、かといっても恋愛したくてもできないし」
おばあちゃん、おじいちゃんは藤川先生の肩を持っていそうで、実は持っていない。
「うん、ほんとはモテないだけなんだよね」
思わず、つられた僕もいっちゃった。
「細太郎、てめえ」
藤川先生の凄みのきいた声も、もうなれちゃった。だから、
「こわくないよ、それに、怒るってことはほんとのことだもんね」
といったやった。
「あ~、近藤家にも見捨てられてしまった~」
勝手になげいてろ、とおとうさんがつぶやくのが聞こえた。
ほんとだ。
こんばんは、へちま細太郎です。
暑い夏がどんときて、いつ終わるのや雨が降るのやらで、熱帯夜が続いて眠れない。
いつが雨が降るんだろう、降ったら涼しくなるだろうと指折り数えていたら、台風だよ。
農家の人はたまらないだろうな、とニュースを見ていて思った。
「美都田吾作さんなら、どうすんだろうな」
と、ぼつりとつぶやき、思わず周囲を見回して誰の気配も感じなくて、ホッとしたもんだ。
担任の浜中先生が、
「まあ、直撃ってことはないとは思うが、念のために天気予報に注意して、自宅学習の場合はホームページをみろな」
と、明日が休みだといいな、という声を出しながら帰りのHRをやっていた。
う~ん、遊び人め。
部活に向かう途中、タコ壺保健室の前を通りかかったら、“小百合”が表に出ていた。
「ついに捨てられちゃったのかな?」
と、野茂が“小百合”のドドメ色の花をつまんだ。
「何をするんだ、ばかもん」
保健室から中島教授が飛び出してきて、
「久しぶりの雨だから、からだを洗ってやらんと虫がつく」
と、“小百合”の葉を拭いている。
「猛暑でパワーアップしたんじゃないの~。余計不気味だよ」
余計なことを鈴木が言ったもんだから、中島教授は余計ぶりぶり怒りだした。
う~ん、洗った方がいいのは、中島教授だと思うけどな。
何日、家に帰ってないんだ?
けんちゃん先生のおくさんがあかちゃんをうむんだけど、予定日が先週の土曜日だった、けど、まだうまれていない。
ずいぶんのんびりした子供だなあ、さすがけんちゃん先生と香華おねえさんの子供だけあって、マイペースだ。
そんな中でイライラしてるのは、なぜか藤川先生だ。けんちゃん先生が落ち着いているのとは対称的だ。
そんな藤川先生をサッカー部の先輩たちは、
「ゲイなんじゃね?」
「女好きっていっても、いつまでたっても結婚しないし」
「留学してるし…」
なんの関係があるんだ。
「なんか、あやしくね?」
う~ん、否定できないぼくがいる…。
「確かにあやしいよなあ」
もしもし?匿名希望の東山先生?
「種なしかと思ってたが、案外、ゲイ説は捨てがたいものがあるな」
片山教授まで~。
「両方だろ」
中島教授~。
こうして、周囲をやきもきさせても、なかなか生まれてこない赤ちゃんだった。
う~ん、大物かもなあ。
体育の授業で、睡眠不足の生徒がひっくり返って保健室に運びこまれてきた。
「この暑さに何を考えているんだ」
と、担任のバカ殿は怒り心頭。
「ゲームしてて、ろくに寝てねえだとおお」
保健室の奥のベッドで高いびきの生徒は、それを知ってか知らぬか、
「あ~、違う違う」
と寝言を言っていた。
「何が、違うんだ」
う~ん、まあ、そんなもんでしょ。
お初、高校保健室の匿名不希望の布川先生でした。
まだ、若くってよ
「授業がなくてよかったあ」
「でも、部活がある」
陸上部のしんいちが、泣いていた。
「ううっ、暑いのに…」
「仕方ないだろ、生まれて初めて経験する猛暑だ」
「だって酷いよ、ぼくら9月に入って初めて猛暑だって知ったんだよ」
「そうだよな」
「何やってたんだよ、作者は」
矛先をこっちに向けるなバカヤロー。
「サッカー部は練習あるの?」
「ないよ」
たかひろはニタニタと嬉しそうだ。
「藤川先生はともかく、あのけんちゃん先生が部活をやらないなんて…」
「そうだな」
みんなも首を傾げる。
と、そこへ藤川先生がへらへらしながらやってきた。
「おい、藤川家にまた子供が生まれるぞ、実孝のところについでの誕生だ」
実孝って、藤川先生の弟さんなんだけど、先日、またまた男子が誕生したらしい。どんだけ子沢山な人なんだ。
「あの~、二人めって…優華ちゃんは…」
と、言った途端、
「あ~?」
と凄まれた。
藤川先生、子供には罪ないんだから。
暑さで朦朧としているへちま細太郎でした。