こんばんは、へちま細太郎です。。。
日本シリーズをみんなで見ようと4人で集まっていた。
あっけなく我らがヤクルトが負けてしまうと、大学野球部の合宿所にいて電話番していた中村悠平大ファンのしんいちから、
「ちきしょおおおおお」
という、涙涙のメール&ラインが届いた。
当然のことながら、メールはガラケーのオレあて。
日本シリーズが終わっても、みきおとたかひろは帰らず、
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
と、パソコンを開いて、自分だけが見られる動画を開いてダウンロードしている。
「おま、何してんの?」
たかのりがパソコンを覗けば、
「講義室にムービーを持ち込んでもらって、それをアップしてもらっている。で、それをダウンロードしているわけえ」
と、とんでもねえ答えが返ってきた。
「そんなことしていいの?」
「いいわけねえだろ」
と言いつつも、全然悪いことしているという反省のかけらもない。
「泊まり込みで遊ぶには、この方法が一番さ」
こいつら大学で何してんだ?
「実験とかあったらマズイけど、まだ先だし」
そうか、理系にいくと実験なんてもんがあったんだ。
とかいいつつ、ふたりは講義を違法受講、おれたちは正式に申し込んだネットの講義をみていた。
いつの間にか、みんなテーブルに突っ伏したり、床でごろ寝をしてしまった。
と、突然、クラッカーが大音響で鳴り響き、
「お菓子くれ、くれねえと暴れちゃうぞおおおお」
という絶叫が聞こえてきた。
「ぎええええ、いってええ、足踏むなああ」
「だれだあ」
起き上がってみれば、頭からかぼちゃを被ったやつと、死神のかっこうをした二人組が暴れていた。
こんなことをするやつは・・・。
「いやあ、久しぶりいい」
「遊びにきたぜえ」
やっぱり。。。
小栗先輩と水嶋先輩が、
「おまえらも入ってきていいぞお」
と、ドアの向こうに呼び掛けると、ショッカーが団体様で入ってきた。
「有岡軍団さ~ん」
「ラグビーの先輩たちだあ」
うげええ。。。
たかのり・みきおとたかひろが叫んだが、こっちはバスケの先輩たちがきていなくてホッとした。
何考えてんだ、豪農コンビは。。。。
今朝、カウンセリング研究所に行ってみたら、こんな張り紙がしてあった。
ソフトバンク
ダイエー 圧倒的な
「夕べは、パリーグの南海ホークスが、KYな日本一をやらかしたので、
外苑通りでタフマン飲み明かし、終電も始発も乗り遅れたため、本日は特別休講です。
鷹
犬の球団、優勝おめでとう。。。
明日、ヤフーをトップページから外します」
久しぶりに優勝して、淡い期待持ったんとちゃうか?
と、タコ壺は笑ったが、いや、笑えないだろう、おまえんとこの球団は。。。
相談したいこともあるんだが、いや、できない切ないバカ殿だよ、俺は・・・。
久保田だよ、結婚式は来月の8日、日曜日だよ。。。
…
一人暮らしのアパート引き払って、つくばった町の旧公団のマンションに引っ越して、彼女好みの部屋にしつらえてあとは、式を待つだけ。
荷物整理に時たま彼女がお泊まりをして、朝ごはんを作って食べて…。
けっこう幸せ、と思っていたら。。。
朝ごはんは、ごはんでもパンでもOKなんだけどね、まあ、できれば卵かけご飯を食べたいし、納豆も食べたい。シャケの焼いたのも、メザシも好きだ。
スクランブルエッグにベーコンも悪くないね、サラダもいい。
オレンジジュースも牛乳も、ホテルかよ~ってな感じだね。
ところが、今朝の朝ごはんで、悶着。
目玉焼きが出てきて、テーブルに置いてあったのは、醤油。
「え?ケチャップないの?ケチャップ」
「何に使うの?」
「目玉焼きっていったら、ケチャップでしょうが」
オレは、冷蔵庫からケチャップを取り出して、うにっと目玉焼きにかけた。
「気持ちわる~」
「あ?」
「だってえ、目玉焼きは醤油じゃないの?」
「ケチャップだろ、ケチャップ」
オレは、ケチャップつきの目玉焼きをご飯にのせて、
「うまい」
といいながら食べる。
彼女は、まゆをしかめて、
「スクランブルエッグならわかるけど…」
と、醤油を目玉焼きにかけまわした。
「おまえ、かけすぎだろう?」
「これくらいふつう」
彼女は、しょうゆがたれているまんま目玉焼きをごはんにのせて、
「おいし」
と、これまたご飯をかきこみ、
「これで、3杯はいけちゃうよ」
ときた。
「ああ?朝から食い過ぎだ」
「何言ってんの、子供相手には体力が大切なの」
「おれだって子供相手だ」
「はあ?高校生じゃん、おとなじゃん。かけっこして転んで怪我したりしないじゃん」
「高校生だって、転んでけがする」
バイクでな、と言いかけたが言葉をのみ込んだ。
彼女の顔が、般若だ。
「は?いい加減にしてよね」
「何をだよ」
「明日からケチャップ禁止だから」
「おれは、ケチャップなしじゃ、目玉焼きくえないの!!」
「うるさああああい」
というわけで、彼女に顔面ひっかかれて、学校で生徒の笑われて、恥ずかしいったらねえぜ。
ちきしょう、今夜は帰らねえ
ふざけるなあああああああ
と、何で罪のないつばみちゃんをぶんなぐるんだ?
紳士の球団が聞いてあきれるわ。。。
これからも、続々と出てきそうなだな、賭博やってるやつ。。。
本物の紳士の球団、東京ヤクルトスワローズファンの片山教授でした。。。
真夜中にこんばんはぼくがへちま細太郎です。
水嶋先輩は、クーラーボックスをドカッとテーブルに置くと、
「誰かと思ったら、ひな人形のドスケベなオッサンか…」
と近衛少将さんに、オッス、オラ水嶋と挨拶した。
近衛少将は、苦笑い。
「いつぞや、須庭寺におった農民のおのこじゃの」
「豪農といってくれちゃう?」
殿様だろうが幽霊だろうが、全く遠慮のない人だったな、この性格のすこぶる悪いイケメンは。
「何しにきたんすか?」
と、たかのりはクーラーボックスを叩いた。
「あ、これこれ、田舎のオヤジからの差し入れのおすそ分け」
と、ふたをあけて中から肉の塊を取り出した。
「ほほお、これはこれは…」
いつの間にか、鎧かぶとのおじさんが水嶋先輩の背後にふわりと近寄っていた。
いきなりの登場に、
「背後を取るとは、ひきゃうである」
と、一緒に取り出したニンニクをおじさんにぶつけた。
「ぬかったな、わしは吸血鬼ではないぞ」
「落ち武者め」
「おのれ鎌倉武者に向かって」
二人ともノリが良すぎる…。
「でな、これイノシシの肉…」
突然本題に入られても、困るんだが。
「秋の勉強合宿、覚えてっか?」
「うわあ、思い出したくもねえ」
たかのりは、頭をかきむしった。俺だって思い出したくねえよ。
さんざん歩いたあとに勉強なんて、正気の沙汰じゃねえ。
「今年、伝説の体育教師清原が現れて、合宿所に突っ込んできたイノシシ退治したんだと、だからこれ…」
と、肉の塊を叩いた…。
イノシシの肉かよ~。てか、清原って誰だよ~。
こんばんは、ぼくが主人公のへちま細太郎です。
くどいようですが、家出中。
孝太郎先輩の別荘での生活は、気がついたら秋がきていた。
ここにきたときは、確か夏だったな。
ぼくらは別荘にあった参考書や問題集のおかげで、受験勉強もはかどるはかどる。
センター試験の申し込みは、別荘の地元の予備校の模擬試験に通って、何とか申し込めた。間に合った。。。
たまに、鎧兜のおじさんや近衛少将さんがやってきて、
「心配してないから、自分たちで生活してみろ。本当に困った時だけ頼ってこい。ただし、2浪は許さんから今度こそ、国立合格しろ」
と、家族の伝言を伝えにきた。
「心配してないって、なんだそれ」
たかのりは、シャーペンをくるくる回しながら、近衛少将さんをつつく。
「そうはいってもでおじゃる。わが遠い孫どものいうことなれば、まろも言うこときくほかあるまいて」
何言ってんだ、こいつ。最近、この世にいすぎて頭がゆとりになっちゃったか?
鎧兜のおじさんは、テレビに夢中になっていて会話に入ってこない。
「そういえば、関が原と鳥羽伏見のおじさんは?」
と聞けば、
「あやつらは、阪神が破れてしばらくクサっていたが、今は神宮での合戦にいどんでおるぞよ」
挑んでって…、そりゃあ勝ちましたよ、わがスワローズは。いくに決まってんじゃん。
「川端慎吾の妹が気に入っているらしく、たまに女子野球を見に行っているようだが…」
これくらい現世のことをわかって堪能している、あの世の人々も珍しかろう。
「てか、何だその、雛人形のふわふわしてんの」
突然声がして、慌てて振り返ったら水嶋先輩が、ドアの隙間から顔をのぞかせていた。
「悪いけど、チェーンはずしてくんね」
何この人…。
「おめえら、無用心だぞ」
そういえば、かぎかけてなかった。。。
あ~、田舎でゆるんじゃったかな?
てか、何しにきたんだ?この人。。。
タイガースのファンクラブは、今年11年目のダイヤモンド会員。
ファン歴が一番長いCarpは、ドラゴンズとともに3年目のファンクラブ入会継続。
大谷入団の翌年にファイターズに入会。2年目だすがな。
Carpを除けば、みな自動継続になるんだが、欲しいものを選択しなくちゃいけないから、継続の際にはチェックを忘れずに。
応援しているといえば、敵ながらあっぱれなヤクルトスワローズだな。
どうして最下位だったのかわからないし、なぜ解説者たちが最下位を予想していたのか、わからない。
小川監督時代の話だったけど、確かに2年連続で最下位だったけどね。
中村悠平が大のお気に入り。
あと、なんつっても、球界一カッコイイのは、やっぱ「ハマの番長」こと三浦大輔。
わがタイガースに移籍を持ちかけられても、優勝させる、の気合いでベイスターズに残り続けたって、もう、男の生き方として最高じゃないですか。
いいよねえ、次々に移籍していくアゴ男だの、最下位請負人だのとは、全然違うわ。
ちなみに、川口・江藤・大竹は、私の中では
最大の裏切り者
として、今でも許しませんぜ。
そんなわけで、昨年の甲子園のCSで、タイガース勝ってのうれし涙だったのか、Carpが負けて悔し涙だったのか、
今でも謎な、実はやっぱりCarpが№1な私でした。
アニキ、タイガースの監督になってくれるのはありがたいけど、Carpに戻ったら戻ったで、これもヤジられて終りになっちゃいそうだねえ。。。
今日、わかるんだったよねえ、去就が。。。
久保田だよ、あ~疲れた。。。
ハイキングコースの下見の時の話。
だらだら続くのは、つくばった山に向かう道も同じ。
峠を越えて、関東平野を背にして眼下に広がる光景は、またつくばった町を見下ろす景色とはまた違う。
箱庭のような景色だ。
要するに、田舎ってことだな。
でも、ここは絶対におすすめしたいコースだ。
青年の家からムラサキラインにつながる道は、途中ジャリ道でも県道だ。マニアなら「険道」と書く。
そこまでひどくはないし、なぜかホテル?がある。
つきのホテルじゃねえぞ、ちゃんとしたところだ。県の研修施設があるところに、そんなものがあるわけない。
そうだよなあ、勉強合宿なら、わざわざうちの合宿所まで行く必要はないし、ここならお手頃なのになあ。。。
そしたら、藪のやつが、
「青年の家は、昔、サッカー部の合同合宿でやらかしてくれて、以来バツが悪くて使ってねえんだよ」
と、ため息をついた。
「ここいらのサッカー部の合宿は、すべてうちの施設でやっている。温泉つきだし、めしはうまいし、何よりただで使用できるから、重宝がられている」
そんなことは初耳だ。バカ殿、何さらしとんじゃ。。。
「コースは、ま、イノシシ注意でいいですよね。あとは、たまにくる車の注意くらいで。。。それと、養護教諭の配置かな。布川先生とあとは、タコ壺に協力仰いで、と」
「ああ、それと、サル付け加えておいて。余計な食いもん持ってくるなって」
「はあ?」
「猿だよ、猿。出るんだよなあ。日光の方から山づだいに移動してきたのが増えちゃったみたいだから、注意な」
日光の方って、どんだけ離れた距離移動してきてんだよ~。
「案外、野生の猿の方がマシって思えてくるかもな」
ああああ、もう、なんなんだあああああ。
後だし、じゃんけんなしだあああああ。
…とパ二クった俺。
頭にきた俺は、彼女を誘って、県道沿いのホテルで、絶景の夜景を見ながら、結婚式前に子供を仕込んじゃいました。
残念ながら、露天風呂は混浴じゃねえんだよなああああ。
たぶん、あれ、できたと思う。。。
えへへ。
女の子だといいなああああ。
いいかげん、田舎の話題に飽きてきた久保田です。
もうすぐ、けっこんしきいいいいい
えへへ
やっとイノシシの話題からそれて、坂をのぼりきると、そこは夕日峠。
ここからつくばった町を見下ろすと、西日がいい感じで照ってきている。
遠くは、富士山まで見えて、けっこういいんだが、かつてはゾクが大挙して集まってきた場所でもある。おかげでふもとの村から苦情ガンガン、事故も多数発生して二輪禁止になった。
須庭寺の副住職のおっさんも、ゾクに入りたての頃はガンガン飛ばしていたそうだが、目の前をモモンガが横切っていって、事故りそうになったっていってた。
モモンガかよ。。。
ここにきて藪先生が、伝説の教師清原の話題を口にした。
「藤川家がイノブタを引き取りにくるんなら、あいつがくるんだろうなあ」
「清原先生がですか?」
「そうだ、あいつ、腕っ節が強くて、御隠居にヘッドハンティングされて、藤川家の食肉部門につとめているはずだぞ」
「腕っ節とどう関係があるんです?」
オレは、汗をひたすら吹きまくっている藪先生に、清感剤シートを投げつけたくなってきた。
汗かくまで太るなよ。
「豪農イケメンコンビなんてメじゃねえくらいだから、なんつたって素手でイノシシハリ倒したくらいだから」
「げっ」
「まっすぐじゃねえと通用しねえから、猪突猛進なイノシシにしか効かねえけどな」
なんだそれ…。
「だから、まっすぐまっすぐこ~いってつぶやきながら、イノシシと向かい合っているって、悠樹から聞いたぞ」
と、豪快に笑った。
なんなんだよ~。
「そうだ、ちょうどいいや、今回の合宿であいつ呼ぶか、脱走防止に」
やめてくれ~!!
まだ続くんだ、この話は。。。
いつまで、続くんだ?この話。。。
久保田だよ。。。
いのししと豚との交配でできたものを、
「イノブタ」
というらしい。
豚はもともとイノシシを家畜化したものだが、しかし、野生のイノシシの強力な繁殖力だけは、このイノブタに受け継がれているらしい。
だから、猛烈な勢いで増える。
ネズミ算なんてもんじゃない。
イノブタ算だ。
で、このイノブタが恐ろしく繁殖しているのが、福島第一原発の周辺らしい。
逃げる時、豚を放してきたから、そこへ野生のイノシシがやってきて、ということらしい。
繁殖力がすごいうえに、猪突猛進ぶりもハンパないとか。
ただ、こいつら、第一世代の肉は、うまいんだとか。
いいじゃねえの。。。
「イノブタができちまったらどうすっぺ、とまあ、豚舎のオヤジが悩んでいるんだけどよ~」
軽トラのおっちゃんは、まいている手ぬぐいの間から首をかきながら、
「どうすっぺねえ」
と、きいてくる。
しらねえよ、そんなこと。。。
「何とか、なんねえべか」
と、しつこいので藪先生をみれば、明後日の方角をみている。このおやじ、若い時は、伝説の体育教師の清原とガンの飛ばし合いをやっていたそうだが、見る影もない。
どっかで、聞いたような話だな、とそこの、笑うな、こら。。。
「イノブタねえ」
と、つぶやいたら、おっと、食いものののことは、あいつんちに言えばいいんじゃね。
というわけで、
「藤川家の御隠居に聞いてみましょうか?」
といってみたところ、軽トラのおっちゃんは、
「そうだ、忘れてたっぺ。あのイケメンの兄ちゃんたちのことしか思い出せなかったけど。そうだなや、殿さまんちがあったけなあ」
と、すぐにでも知らせてやんねえと、と軽トラをものすごい勢いで走らせて、坂をくだっていった。
「イノシシ、大丈夫なんですかね?」
「知らんよ」
お~い、無責任なこというなあああああ。
ところで、ほんとにイノブタってうまいんか?