藤川だよ~ん。
そういえば、昔は“へい・ベイビー、子猫ちゃんたち”なんて呼びかけていたなあ。
変われば変わる、ナンパな俺…。
昨日、一昨日と細太郎たちが、タコ壺保健室で世にも恐ろしいものをみた、と大騒ぎをしていたが、どーせドドメ色のパなんとかいう蘭のことに違いあるまい。
いつまでもあんな不気味な物体をおいておくんだ。
俺は保健室の前に立つと、パなんとかいう蘭が窓越しに俺をにらみつけていた。
けっ、蘭のくせに生意気な野郎だ。
俺がサッシのドアをあけると、蘭が身震いをしたようだ。ざわざわとゆらいでいる。
蘭独特の袋の部分が以前みたときより、不気味にくすんでいる。
「相変わらず不細工だな」
と、俺は蘭に向かって言ってやると、蘭はさらにいっそう身震いした。
「俺は花だからといって、容赦しねえからな」
蘭は全身をゆすり葉をバタバタさせた。
「けっ、いっちょまえに怖がってんのかあ」
俺は嘲笑うように話しかけると、
「わしの小百合に何をいうかっ」
と、背後から中島教授が怒鳴りつけてきた。
「なあにが小百合だあ」
俺は花をぐいっとひっつかむと、
「引っこ抜くぞぉ」
とからかうと、
「小百合から手をはなせえ」
と中島教授が飛びかかってきた。
俺はこんなおやじに殴りかかられるほど鈍くねえ。
サッと蘭を放し脇に飛び退くと、中島教授はその愛しい小百合に頭からつっこみ、バキリっと真ん中からへし折ってしまった。
「ぎゃあっ」
中島教授の絶叫が、後ろから聞こえてきたが、俺はかまわずタコ壺保健室から離れた。
以前、あの蘭に腰を抜かされた仕返しだ、バカヤロウ。
そういえば、昔は“へい・ベイビー、子猫ちゃんたち”なんて呼びかけていたなあ。
変われば変わる、ナンパな俺…。
昨日、一昨日と細太郎たちが、タコ壺保健室で世にも恐ろしいものをみた、と大騒ぎをしていたが、どーせドドメ色のパなんとかいう蘭のことに違いあるまい。
いつまでもあんな不気味な物体をおいておくんだ。
俺は保健室の前に立つと、パなんとかいう蘭が窓越しに俺をにらみつけていた。
けっ、蘭のくせに生意気な野郎だ。
俺がサッシのドアをあけると、蘭が身震いをしたようだ。ざわざわとゆらいでいる。
蘭独特の袋の部分が以前みたときより、不気味にくすんでいる。
「相変わらず不細工だな」
と、俺は蘭に向かって言ってやると、蘭はさらにいっそう身震いした。
「俺は花だからといって、容赦しねえからな」
蘭は全身をゆすり葉をバタバタさせた。
「けっ、いっちょまえに怖がってんのかあ」
俺は嘲笑うように話しかけると、
「わしの小百合に何をいうかっ」
と、背後から中島教授が怒鳴りつけてきた。
「なあにが小百合だあ」
俺は花をぐいっとひっつかむと、
「引っこ抜くぞぉ」
とからかうと、
「小百合から手をはなせえ」
と中島教授が飛びかかってきた。
俺はこんなおやじに殴りかかられるほど鈍くねえ。
サッと蘭を放し脇に飛び退くと、中島教授はその愛しい小百合に頭からつっこみ、バキリっと真ん中からへし折ってしまった。
「ぎゃあっ」
中島教授の絶叫が、後ろから聞こえてきたが、俺はかまわずタコ壺保健室から離れた。
以前、あの蘭に腰を抜かされた仕返しだ、バカヤロウ。