明日から2学期です。
生徒が学校にきます。
やだやだ(・_・;)
はい、子猫ちゃんたち、藤川だよ。。。。
俺は、グランドからとぼとぼと、タコ壺保健室へと向った。
夏休み中に、備品監査があって、ちゃんと道具がそろっているかどうかを確認する、重要な作業があるんだが、実は、俺は、タコ壺保健室から聴診器を一つ失敬してきたんだ。
今まで読んでいてわかると思うが、俺は聴診器を使って「イケナイ」遊びを、細太郎の愛犬のリカとやっているんだな。
確かに、女の子に使ったことはあるけどさ、あるんだけど、反応がイマイチで、リカと遊んでいた方が面白いんだ。
犬に使ったと知って、匿名希望の東山先生が大激怒。そりゃあ、誰だって返せとは言わないよな。でも、リカは毎日風呂に入っているからきれいだぞ。うちん中で生活しているしね。
ふだんは怖くもないタコ壺保健室が、今日はなんだか怖い。
なぜか、近寄ってはいけない、といういやな予感がする。
この胸のへんな動悸は、いったいなんなんだ?
聴診器だけのせいじゃない。
「おい」
振り返ると、けんちゃんが追いかけてきた。
「何だよ」
俺は力なく答える。
「悠樹はふだんはいったいどんな生活態度なんだ」
「はあ?」
けんちゃん、あんた、失恋して飯食っていない生徒が心配じゃないのか。
と、ふだんの俺だったらケリが入るところなんだが、でも、なんか微妙な感じがするんだ。
けんちゃんは、俺に対して身構える姿勢をとっているが、俺が何にも言わないので拍子抜けしたみたいだ。
「なんだ?どうしたんだ?」
「う~ん」
俺は、何も答えない。
けんちゃんは、俺の顔を覗き込んで、
「藤川先生、あんたも飯食ってないの?」
と言った。
「悪いが、俺は三度の飯がきちんと食うタイプなんだ。それに、失恋したくらいでひっくり返ってたらキリない」
と、ここまで言ったらけんちゃんがついてこない。
「なんだよ、どうしたんだよ」
俺は振り返って、立ちすくんでいるけんちゃんに声をかけた。
「なんか、嫌な予感がする」
「は?」
「行ってはいけないという、何かこのあたりから、こう…」
けんちゃんは、みぞおちのあたりをさすっている。
「けんちゃんもか?」
俺とけんちゃんは、お互い顔を見合わせた。
いったい、なんなんだ、この変な予感は…