こんにちは、へちま細太郎です。
今まで何してたって?論文書いてたんだよ。ぷんぷん。
でもって、となりの部屋の住人のたかのりが、
「選挙いくべ」
と言ってきた。こいつ、国家試験受ける前に大学院進学してさらに研究に余念がない。国家試験の勉強と論文でキャパ越えしているのか、
「気分転換だ」
という。選挙が気分転換とはどんだけ今の政治をアテにしていないかよくわかる。
「だいたいだよ、こんな状態で衆議院解散して議席失うにきまってんだろう」
「まあ、国民の信を問う、といってるんだから思いっきり落選してもらいましょう」
たかひろも一緒になって今の政権に文句たらたらだ。
「最高裁判所の裁判官もあるな。新聞読んでねえし裁判もみたことねえから×のつけようがないな」
「外国人を不起訴にしている検事とか、裁判で罪を問わなかった裁判官もペケにしてえなあ」
と、わいわい言いながら歩いていると、
「大谷が脱臼したってよ~」
とすれ違った野球少年が話している。
「へえ。。。」
「選挙と同じく興味ねえな」
もう、食傷気味なメジャーリーガーの話題は、左の耳から入って右の耳から抜けていった。
投票所に向かうと、チェックされて投票用紙をもらう段階で、
「1枚だけ?昨日のチラシ配ってた選挙の運動員が2枚目には○○党って書いてくださいね」といってたぞ」
と、投票用紙をひらひらさせていたが、
「こっちですから」
と比例区の係の人が慌てて手を差し伸べた。
「あ、どーも」
たかのりは投票用紙に何も書かないで投票箱に入れて、つぎの投票用紙も受け取ると、再びそのまま投票箱に入れてしまった。
「おい、書かねえのかよ」
「白紙にしても一応書いたふりするんだぞ」
慌てていうと、
「誰に入れていいかわかんねえし」
と呆気に取られている係の人の視線を集めつつ出て行ってしまった。
「おまえね、白票は白票で意味ねえぞ」
「いや、白票いれますのアピールもいいかな、と思ってさ」
まあ、そうにはそうだが、一応、書いたふりして白紙っていうのも方法だけど、
「おまえ、言ってることは間違ってねえが踊ってたりするやつ、入れたいと思うか?」
まあ、確かに選挙運動をパフォーマンスと勘違いしているやつも、どうかと思うけどなあ。
「だべ」
ま、そうだな、間違ってねえしな、俺も白票だから人のこと言えねえしな。
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