へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

アメリカザリガニじけん その2

2006-02-28 23:34:01 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です

きのうのつづきです。

あの日いらい、水そうにはアメリカザリガニしか住んでいません。
しんいちくんは、ザリガニを家に持って帰るといいましたが、よしこちゃんたちに、
「せっかく持ってきたのに、なんで持ってかえらなきゃいけないの?」
といわれたので、おいたまんまです。
ぼくは、アメリカザリガニが生きた魚を食べちゃったということで、生きた魚はえさにできないよ、ととほうにくれていました
すると、ぼくと一しょにしいく係をしているあゆみちゃんが、まいにちえさを持ってきてあげていました。よしこちゃんもきょうこちゃんも、たのしそうにザリガニのせわをしています。魚がかわいそう、といっておきながらよくへいきでせわができるな、とせすじがさむくなりました
あゆみちゃんが持ってきたえさは、あゆみちゃんのうちが魚やさんとしんせきで、毎日売れ残りをもらってきているそうです。

さらだ先生が、
「女は小学生でもおばあちゃんでも、若くてもそうじゃなくてもやっぱり女は女だ。おっかねえ」
と、つぶやいたのはほんねなんじゃないか、とおとうさんがしみじみといってました。

そりゃあそうだな…。ぼくは、おとなのきぶんにすこし近づいたきになりました。

ところで、アメリカザリガニですが、よしこちゃんが、
「日よう日に家ぞくでフランス料理を食べに行ったのね。そしたら、アメリカザリガニがあったんだよ。おいしかったよ」
と、はなしていました。
げっ!!
「じゃあ、このザリガニも毎日えさをあげたら大きくなって食べられるかなあ」
うげげっ!!
ぼくは、しんいちくんとそうだんして、ザリガニを近くの小川に逃がしてあげました。
かわりに、たくさんのおたまじゃくしをとってきて水そうに入れました。そして、そのことはしんいちくんと2人だけのひみつにしました。
ザリガニがおたまじゃくしにかわって、しばらくは女の子たちがごちゃごちゃいってましたが、女の子のもんくは聞き流してしまえ、とおとうさんがおしえてくれたので、しんいちくんもぼくも気にしないようにして、おたまじゃくしに足がはえ手がはえ、かえるになっていくのを楽しみにかんさつしていました。
そして、水そうがかえるだらけになると、ゲコゲコなきだしてまぢうるさい。
「なんとかしてよ」
「うるさいよ」
「しいく係のしごとでしょ」
と、ぼくのまわりをとりかこみよしこちゃんたちが口ぐちにわめくので、ぼくとしんいちくんとで水そうをベランダにだしておきました。
つぎの日、水そうは空っぽでした。 かえるは、どこへいったんだろう。ぼくもしんいちくんもさがそうとはおもいませんでした。

外へでた方がしあわせだよ。

今の水そうには、となりのクラスからもらった金魚が2匹およいでいます。 でも、この金魚がぐうぜんにもおすとめすだったみたいで、たまごを生んだらしく、きもちのわるいうにょうにょしたものが、水そういっぱいにうかんでいます。

ぼく、しいく係、やめたい・・・
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アメリカザリガニ じけんその1

2006-02-27 18:30:21 | へちま細太郎
こんにちは、へちま細太郎です。。。

ぼくは、しいく係です。仕事は、クラスにある水そうの中にいる魚にえさをあげることです。
魚は、去年3年生になったとき、クラスで学校の近くの田んぼや小川に行ってとってきました。魚の名まえは、先生が教えてくれましたが、ぜんぶわすれてしまいました。ある日、しんいちくんがアメリカザリガニを持ってきて、
「これも入れよう」
といって、水そうに2ひき入れました。とても強そうでした。
次の日、水そうをのぞいたさらだ先生が、
「うわあっ、だれだ、ザリガニなんか入れたのはっ
と、いきなりどなりました。
みんな、さらだ先生のことばにびっくりして水そうをのぞいてみたら、魚が1ぴきもいませんでした。水そうの中には、2ひきのザリガニしかいなかったのです。みんな、いっせいにしんいちくんを見ました。しんいちくんは、今にもなきだしそうな顔をしていました。
ザリガニが、魚をぜんぶ食べちゃった。しんいちくんは、泣くのをがまんして、
「ごめんなさい、ごめんなさい」
と、下をむいてなんどもあやまりました。
先生も、
「いいんだ、気にするな。こういうのは、自然の中では当たり前のことなんだ。ザリガニは魚を食べなきゃ生きていけないんだぞ」
と、しんいちくんをなぐさめてくれました。そして、つぎになんかいおうとしたときに、よしこちゃんが、
「ばっかねえ。こんなでっかいザリガニ入れたら、魚食べちゃうに決まってるでしょ。頭わるいんじゃない?
と、とげみたいにいったのです。しんいちくん、ひっく、ひっくとそれでもなかないようになかないように、いっしょうけんめいにこらえていましたが、
「ほおんと、魚かわいそう。いたかったろうね」
「だから、男の子ってだめなのよ」
「男だけが強いとでも思っているのかな」
と、女の子たちがいっせいにわめきはじまったので、ついにしんいちくんは、
「うわーんうわーん
と、なきはじめてしまいました。
そして、
「しいく係もせきにんじゅう大よね」
と、きょうこちゃんが、こんどはぼくをこうげきしてきました。
ぼくは、女の子たちもザリガニかっこいいね、といっていたのを思いだしていたので、いいかえそうとしましたが、こわいかおのきょうこちゃんやよしこちゃんたちを見たとたん、なにもいえず、しんいちくんにつられてないていましました
「なけば、いいとおもってんの」
「やあね、すぐなく男の子って」
「男じゃないよね」
と、いう声にかこまれて、どうしていいのかわかりませんでした。

さらだせんせい、つったってないで、なんとかいったらどうだ。。。

ぼくは、なきながらそんなことをおもっていました。

このじけんはながいのであしたにつづく。。。
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ぼくのうち

2006-02-26 23:19:03 | へちま細太郎
こんばんは、細太郎です
ぼくのうちは2つあります。1つは今住んでいるアパートです。もう1つはおじいちゃんとおばあちゃんが住んでいるところです。ここに、1年前まで住んでいました。
なんでアパートにひっこしたかというと、おうちをたて直したから。
おとうさんはいつもおばあちゃんにしかられているから、おうちができてももどりません。 ほんとは、二世帯住宅にしてあるからもどってもいいんだけどね。
おとうさんの部屋もぼくの部屋も、ちゃんとあるんだよ。ぼく、新しいおうちの方がいいよ。
だけど、おとうさんはいいます。
「早く結婚しろっていうことだろ」
おとうさんは、こうもいってわらいます。
「独身が気楽でいいぞお。細太郎も結婚なんかするなよぉ」
おとうさん、わらいがかわいてるよ
おとうさん、ほんとはもてないんだろうな。やだやだ

ぼく、もてたいよ
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きれいなおねえさん

2006-02-25 23:54:25 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

きのう、あんなに早く帰ってきてね、とおとうさんにたのんだのに、おとうさんは帰ってきませんでした。
ぼくはおとうさんが帰ってくるまで、ゲームをしていましたが、ゲームは1日1時間と決められていたけど、とっくにやくそくの時間はすぎちゃった。
おとうさん、どうしたんだろう。じこかなあ。心ぱいになって、おばあちゃんに電話しようと思ったけど、おとうさんがおばあちゃんにしかられたらかわいそうだからやめました。

テレビをつけて、朝ろくがしたフィギュアスケートをみました。だって、きれいなおねえさんたちが、氷の上でおどったり回転したり、ぼくどきどきしちゃったから、なんども見てるよ。金メダルとったおねえさん、きれいだね。こんなおねえさんがおとうさんのおくさんになってくれるといいな。でも、だめだろうな。だって、おとうさん、おならするんだよ。ぜったいむり。それに、ごはんを作るだけのために結こんなんかしてほしくない。

いつまでも、きれいなえんぎをしてね。

おとうさんが帰ってきたのは、ぼくが寝ちゃったあとでした。げんかんをあける音がしたから、おきていくと、おとうさんが女の人に担がれて入ってきました。スケートのおねえさんほどじゃないけど、きれいな人でした。
「だれ?」
と聞くと、
「あなたが細太郎くん?お父さん、酔っぱらっていたから、連れてきてあげたよ。お父さんね、1人で車の中で寝ていたのよ」
と、言ってげんかんにドスンとおろして寝かしました。ずいぶん、らんぼうな人だなあ。と、思っていると、いきなり黒い手帳を見せて、
「お姉さんは、お巡りさんです。明日、お父さんが目を覚ましたら、これを見せなさい」と、一まいの紙を渡してくれました。そして、おやすみなさいと言って帰りました。
なんだろう、この字読めない。

朝になっておとうさんは、トイレでゲロ吐いてました。白い顔がいつもより白くなっていました。でも、次にあのお巡りさんがおいていった紙を見るなり、
「なんだこりゃあ!!駐車違反で罰金?まぢかよっ!!」と、青い顔になりました

おとうさん、今日は同じょうしないからね。
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さらだせんせい

2006-02-24 18:48:53 | へちま細太郎

こんにちは、へちま細太郎です。 今日の給しょくは、ソフトめんでした。ソフトめんって、うどんでもないし、ラーメンでもないし、いったいなんなのかな。こんど、仲よくしているタコ壺保健室」の先生におしえてもらおうっと。クラスには、まだインフルエンザやかぜでやすんでいる友だちがいるので、ソフトめんがたくさんあまっていて、もらってきました。
おとうさん、こんばんのごはんは、ぼくが作ったカレーとソフトめんだよ。はやくかえってきてね。ぼく、ごはん食べずにまっているよ。

 ぼくのクラスのたんにんのせんせいは、さらだひろゆきせんせいといいます。さらだせんせいは、きょねん結こんしたばかりです。
おくさんは、高校の体いくのせんせいで、部かつでバレーボールを教えているといっていました。かえりがおそいんだって。
だから、いつもおべんとうばこをもってきて、あまったおかずをもってかえります。どくしんのときとぜんぜんかわっていません。
結こんていったい、なんなんだろう。おくさんて、ごはんを作ってくれるから、男のひとは結こんするんでしょ?
だって、おばあちゃんが、おとうさんの顔を見るごとに、
「このまま私たちがとしをとったら、細太郎のごはんを作ってあげられないよ。だから、早く結こんしなさい」といいます。

おかあさんは、ごはん作りがいやだから、おとうさんとりこんしたのかな。
でも、おとうさん、さらだせんせいみたいに、給しょくのおかずのあまりを持ってかえってきちゃだめだよ。だって、さらだせんせい、おばちゃんのせんせいたちに、いつもいじめられるんだもん。せんせい、かわいそう

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ぼく、へちま細太郎といいます

2006-02-23 17:26:38 | へちま細太郎
はじめまして、ぼく、へちま細太郎といいます。3月で9さいになります。小学校3年生です。
ぼくは、おとうさんとふたりぐらしです。おとうさんは30さいで、クラスの中では、一番か二番めくらいにわかいおとうさんです。じゅぎょうさんかんにきても、友だちのおとうさんやおかあさんがおじさん、おばさんなのにくらべて、おにいさんみたいにみえるので、ちょっと自まんです。みんなからも、いいなあ、とうらやましがられています。
えへん。。。

ぼくは、仕事でおそくなったおとうさんのかわりに、時どきご飯を作って待っています。ほんとはおばあちゃんたちと一しょに食べることが多いんだけど、ぼくはおじいちゃんやおばあちゃんよりも、おとうさんが大すきなので、おとうさんをまっていて一しょに食べます。おとうさんは、子どもは早くご飯を食べて寝なさい、といつもおこります。でも、台所でひとりでさめたおかずでご飯を食べているおとうさんを見ていると、なんだかかわいそうになって、やっぱり待っていてあげようかなあ、と思ってしまうんです。
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