俺の名前は、ロナウジーニョ・けんいちろーだ。。。
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で、20万円の蘭の花なんて、どうだっていい。俺は、大切な友人でもあるのぶちゃんの行方を聞きに来たんだ。
「確かに、20万円の蘭はたいしたことはない」
と、中島教授がこともなげに言った。
「このビニールハウスにある蘭は、値打ちものではないのだが、しかし、品種は最高のものだ。最高のものは、まずは100万円はくだらない」
100万円以上の蘭なんて、どんな感覚だ?
ここにある20万円「も」する蘭が、たいしたことはないだ?
「20万だなんて、俺の初任給と対してかわりないじゃないか」
色の白いヤツがぶつぶつと言っている。
「悪いが、扱いには気をつけてくれよ。肥料ひとつにしても、外には出せないんだからな」
「外には出せないって?」
聞き返すと、中島教授は鼻先で「ふん」と笑うと、
「お前は理科の教師のくせに何にもわからんのか。蘭というのは、その花を美しく咲かせるために、肥料を工夫しなくてはならない。この場合、他の愛好家たちをどれだけ出し抜くか、また、どんな肥料がよいのか、これは秘密にしておくものなんだ」
と、ピンセットを俺の鼻先に差し出してきた。
「俺、理科でも化け学が専門なんで・・・」
と、後ずさりした。
「全く、近頃の教師も質がおちたもんだな。だから、貴重な蘭の鉢をぞんざいに扱って、割ってしまうんだ」
「割ったって?誰が?」
白いヤツが聞き返すと、
「あんたらがお探しの、間延びしたうどんだよ。全く、あだな通りのばか者だな」
と、ピンセットを振り回した。
「のぶちゃん」
俺は、中島教授の右手をつかんで、ピンセットを振るのをやめさせた。
「ああ、そうだよ、全く、これだから、体育教師っていうのは・・・」
中島教授の偏見は後で追求することにして、やっとのぶちゃんの情報を聞き出すことができて、俺はほっとした。
って、ほっとしている場合じゃないんだけど、眠くなったので、続く。。。