おじいちゃんとおばあちゃんが、剛おにいちゃんの彼女の家に出かけて、ぼくたちは留守番だ。 といっても、ぼくと藤川先生は午前中は学校だけどね。
で、学校ではサッカー部の中学の顧問のけんちゃん先生がいない。
「珍しいこともあったもんだな」
と、藤川先生が首を傾げた。
「よほどのことがあったのか」
のぶちゃん先生もわからないらしい。
「なんだっぺね」
けんちゃんは結局学校にはこなかった。そんなわけで、うちに帰ってきてごろごろしていたら、けんちゃん先生がやってきた。満面の笑みだ。
「とうとうできたぞ、うちにも」
寝転んでテレビがを見ていた藤川先生が飛び起きた。
「できた?こどもかっ」
何もいわないうちから待ってましたとばかりに、勢いこんで叫んだ。
「うんだ」
「そうかっ」
藤川先生嬉しそうだ。
「そうか、よかったな」
けんちゃん先生は、ほんとに嬉しそうだけど、藤川先生の対応がのぶちゃん先生の時とは全然違う。
「全く…」
おとうさんは呆れていたけど、ほんとだよ。 慶次郎も優華も同じ甥と姪だろうに…。困ったバカ殿だよな。
でも、おめでとう、けんちゃん先生。