おばあちゃんよ。
孫の細太郎が風邪をひいて辛そうだから病院にいけば、待合室は満員。
サラリーマンも風邪ひいて大変だわねえ、と外の廊下に置いてあった椅子に細太郎を座らせて待ってたわけよ。
小さな個人病院…クリニックなんだけどね…古い昔ながらの作りだけど、先代からのなじみだし若先生も腕はいいし感じもいいし、とにかくかかりやすいのよ。
病院はこうでなくっちゃね。
だから、廊下といえどもポカポカと暖かい、ストーブがあって。 でも、そうはいったっておばあちゃんとしては、風邪ひきの孫を待合室のソファーに座らせてあげたい。
で、なにげに待合室のサラリーマンをみたら、なんか違和感が。みんな元気そうでシステム手帳に書き込むやら、重そうな鞄をわきにおくやら、とにかく風邪をひいてるようにはみえない。 襟についているバッジをみれば、なんと製薬会社のものじゃないか。
まさか、こいつら…
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。
「あんたたち、営業にきたのなら、廊下で待ってなさいよ」
やつらは一斉に顔を上げ、私をじっとみたものの、
「はぁ」
とお互い顔を見合わせるばかり。
「あんたらっ日本語わかんないの
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ここは病院よ、患者が廊下で待ってて元気なあんたらが何で待合室に座ってんの?おまえらは何を売りにここにきてんだっ
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」
怒鳴りつけると慌てて立ち上がり、そそくさと待合室から出ていった。
「ふんっ
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」
私は仁王立ちしてバカ共をにらみつけると、ばつの悪そうな顔をしていた。
「さすが、近藤さん」
待合室に入りきれなかった患者さんたちは拍手大喝采
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。
「まったく…」
窓口から顔を出した若先生と昔からの看護師のおばちゃんが、苦笑していた。
正しいことして何が悪い。 そう思って細太郎をみれば、
「おばあびゃあん、あだばび、びびいだびょ~
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」
と情けない声を出していた。
やっぱり、バカ息子の子供だわ
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。
ちょっと、がっかり…(-"-;)