天気は…寒い気もするし暑い気もするな、サッカー大好きけんちゃんだ。
文化祭だが、俺はひたすら眠い。なぜならワールドカップだからだ。文化祭も盛況の中終了し、後片付けもそのあとの見回りもそこそこにして家に飛んで帰ろうとしたら、
「まさか、帰るなんて言うんじゃないだろうな」
という、体育科主任の黒田が声をかけてきた。
「あ、いや…」
正直言って、俺は帰りたい。帰ってサッカーが見たい。
「まさか、サッカーだなんて言うなよな」
と、背後から金本監督が声をかけてきた。
「げっ
」
「なあにが“げっ”だ、おまえ、最近付き合い悪いぞ~」
今度は新井が肩を捕んできた。
「会場もとってある、欠席不可だぞ~」
「ひえぇ」
俺は腕を組まれ、引きずられるように、打ち上げ会場へと連れ込まれた。
お願いだあ~、俺は宴会好きだが、ワールドカップはそれ以上に4年に1度の楽しみなんだ~。うちに帰してくれ~。
と、そんな俺は宴会場のテレビの前で、一人サッカー観戦。だが、人を誘っておきながらやつらはそんな俺をほったらかしにして、へべれけに酔っ払っていた。
単に酒が飲みたいだけだろ~がっ。
だったら誘うなバカ野郎。
おっ、ゴォールゥ~