関東の首都圏に住んでいる人ならわかる、ドラゴンボールスタンプラリー。
細太郎くんを連れて回っているんだけど、興みなさそうな顔して、実は夢中になってる。
荒波くんを笑えない。
でも、ガキんちょがじゃま。
落ち着かないくて何度もぶつかる。まあ、昔の私もそうだったから何にも言えない。親がバカ野郎だってわかってんだけど、何にも言えない。
だって、うちの親もあんな感じだったし。
細太郎くんは、スタンプラリーノートに夢中になっていて我関せずなんだよね。
あんな、パパになったらどうしよう。
父です。
昨日の続きです。
高校の事務室、中学の事務室と顔をだすたび、チョコを預けられ、さすがに大学では、広之も嫌がったはるみというクソ娘がいるせいで、チョコの洗礼はなかった。
が、しかし、タコ壺に顔を出したとたん、
「ええかげんにせえ」
と、顔に雑巾を投げ付けられた。
「なんなのよ、いきなり!」
雑巾を投げ返せば、
「みてみい、このチョコの数!」
と、段ボールにわんさかとチョコが入っている。
「なんだこりゃ」
段ボールのチョコの山は、すべて息子の細太郎あて。
どうも、美都駅にいけば会えると思っていた連中が、細太郎が一人暮らしを始めてからどこに出していいのかわからず、いつも出入りしているタコ壺保健室へと送りつけてきたらしい。
「うちはあんたのクソガキの私書箱やないねんで!」
ごもっとも。
「まったく、彼女がいるってわかっていても送りつけてくるその根性がすごいわ」
タコ壺が文句をいっても始まらない。送りつけてくる理由は、うちのおふくろの作るお返しなんだから。
「その彼女が、根性悪いは意地悪だわ…あんたの息子の趣味はどうなってんの」
「俺だって知らん、あんな悪趣味なやつだとは…」
「だれが悪趣味よっ!!」
いきなりキンキン声が頭に落っこちてきた。
「私が意地悪だってわかってるわよ!!でも、息子の趣味まで悪く言うことないでしょ!!」
振り向けば息子の彼女のはるみが、仁王立ちしている。
さらにその後ろには、
「あら、バカ息子」
と、オフクロが立っていた。
「な、なんで?」
「あらあ、息子の職場を見に来るって言う母親が最近多いっていうじゃない?」
「じゃないって…」
あっけにとられていると、
「匿名希望の東山先生、ごめんなさいね、これかしら?」
と、段ボールに手をかけた。
?とタコ壺を見れば、
「連絡したった」
と、どっこいしょと段ボールを持ち上げた。
「相変わらず、すごいなあ。あ、これ、小学校の時の先輩じゃない」
クソ娘がその中の一個をを手にとって、差出人の名前をチェックした。
「毎年、バス停で喧嘩になっちゃってたんだ、あの先輩、元気かなあ」
はるみは、ニコニコしながら、
「私が持ちまあす」
と、段ボールを外に運んでいく。
「ほら、あんたも手提げ袋よこしなさい」
クソ娘の後ろ姿を追っているとお袋が蹴っ飛ばしてきた。
「悪いけど、全部、俺当てだかんね、というセリフはなしね」
「くそ、誰がちくったんだよ」
どうせ、藤川あたりだろうと、怒りを押さえながら、紙袋を手渡した。
「ああ、あんた、今日は買いものしてきてね」
と、余計な一言を付け加えた。
俺は、こどもかあああああああ!
おひさしぶりです、父です。
相変わらず、ふつうです。
独身です、まだあきらめてませんが。。。
さて、先日のバレンタインデー、赤チャリで学園内事務室行脚を行っていた時だ。
もう息子の細太郎は卒業したし、学校へも来ることはなかったし、それにもうあいつを知っているやつらもほとんどいないから、チョコ攻撃はないと、確信していた。
が、これが、ことごとく裏切られた。
高校の事務室へ顔を出せば、いきなり、
「はいこれ」
と事務長の坂田から紙袋を渡された。
「なんですか?コレ」
「なんですかじゃねえんだよ。いくらいっても女生徒がめんどくさがって総合事務局へいかねえんだよ、なんとかしろよ」
「は?」
受け取った紙袋は2つ、すべて細太郎へのチョコだった。
唖然としていると、
「中学校でも怒ってっと」
と、追撃された。
「は?」
「は?じゃねえよ、ほんと、息子冥利につきるな」
「はあ」
「まあ、みんなおばあちゃんのお返しが目的なんだろうけどねえ」
「今年は、中野(はるみ)もお返し手伝うのかな?」
と、事務室に顔を出した久保田がチョコの入った紙袋を覗きこみ、一瞬で顔をゆがめた。
「何だよ、この数!あの野郎、どこまでにくたらしいガキなんだ!」
と、俺を蹴飛ばしてきた。
「何すんだ!」
「製造責任者が責任取るのが当たり前だろ!」
そんな理屈あるかああああああ!
うらむぞ、細太郎~!
「食べた?」
「くっとらん」
「何で食べへんの?」
「コンビに商法にのせられたニセモノの伝統なぞ、どうでもいい」
片山教授と保健室のおばはんの会話。
そこへ、ジャイアンツオヤジの中島教授が登場した。
「何の話だ」
「恵方巻き」
「あほうまき?」
「わざとかっ!!」
「うちの食堂でもだしとらんじゃろうが」
と、俺に視線を向けてきた。
「せや、あんた、何でださんの」
「阿部さんにきけ」
と、ドアラの耳をくっつけ、中日のキャンプのライブ中継に見入っているあべさんを指差せば、
「うちではやりません。どうみたって恵方巻きを丸かぶりにした姿は、アレをアレしたアレにしかみえません」自主規制でんがな。。。
「そ~なの?」
「そうなんだ」
「へ~」
というオヤジたちと一緒に、元カノのおばさんに視線をむければ、
「ちゃう!!確かに最初はそうやねんけど、今はちゃうで!!」
ほんとのところは、どうなんでしょうかね?
毎年、大量に販売している姿をみていると、なんか物悲しくなってくる藤川でした。
節分には、豆まきじゃああああ。
俺、鬼ちゃんよ
子供、大量にいないけどさっ!!