こんちはゆーきだよ。
つくばった駅伝は、今年も大盛況のうちに終了。
けんちゃん先生の新しいサッカーユニと、のぶちゃん先生の僧侶スタイルは、周囲に流されないぶれないで今年もかわらない。
相変わらず玉の輿狙いのレポーターたちは、今年もなかなかバカ殿を見つけられずにいた。
見つかるかい、今年は妖怪ウォッチだ。
役に立ちそうにもないが、小豚を連れてきて野菜を売らしたが、これがなかなかうまい。コイツの得意技は、
ヨイショ
なんだそうだ。
小栗と水嶋の二人がどうコイツを飼育したんだかわからんが、高校時代より磨きがかかったらしい。
鴨肉のローストを売っていた阿部さんにまでヨイショかまして、タダで鴨肉をせしめていた。
「先生たち、お水いかがですかあ」
げろげろの二日酔いの先生たちに、棒斐浄寺の涌き水を配り歩くマメマメしさ。いじましくて見てらんねえ。
俺は、あんなのが大嫌いなんだ。
でも、嫌いでも相手しないといけないから、ヨイショのヨイショ攻撃だ。すると、何とかもおだてりゃ木に登るの例えで、持ってきた野菜やら米やらすべて売りさばいてくれた。
「ほんと、木に登っちゃいましたね、あいつ」
孝太郎が、呆れ顔だ。
「何とかとハサミも使いようだな」
と、ため息をつきつつ、早くあいつを親元に帰したいと思うのであった。
あのな、最近思い出したように出てくる(仮)亀梨軍団の悠樹だけど。
どうでもいいが、この連休、恒例のつくばった駅伝なんだが、わが顧問のバカ殿が初日からサボりやがった。事務の白い兄ちゃんも、その親戚のつくばった高校の先生も何しとんねん。
夕方、金本監督が細太郎んちに俺運転の軽トラで凸かまして、のんびりメシ食っていた3人を拉致ってきた。
3人いわく、
「忘れてた」
そんなわけあるけえ。サッカー部の後輩たちはちゃんと来てるぞ。
「休みっていったけど、変だなあって思った」
というセリフを吐いていたけど、明らかに反論していないことをみると、絶対こういう状況になることを読んでいたフシがある。
つくばったの先生は、
「高教研の出張があるから、今回はナシって言われたんだけど」
と、同僚のつくばった高校の先生たちをにらんでいたけど、
「そんなこといったっけかああ」
シラきられてた。
つくばったの体育教師、マジでハンパなくこええの。
「中田先生、それはナイっすよ~」
名前からして、恐い
「きいてねえなあ」
「稲葉せんせえ」
「しらねえなあ」
元ヤンキーな野菜サラダ(奥さんのあだ名だと)のだんなでも、この二人にはかなわないらしい。
佐良田先生は、頭抱えている。
ま、なんにしても、あとから車で追っかけてきた奥さんの野菜サラダに、
「恥かかせやがって、離婚よ!」
と、とび膝蹴りをかまされたのは、きつかった。そのあとのセリフが情けなかった。
「そんな、ヤラせてもらえないのに、有責はあんたでしょうがあ」
と、慶子ちゃあんと、抱きついて泣きやがった。
なんなんだ、この人。。。
でも、奥さん、すごい美人だよ、イケメンな先生とお似合いなんだが、しかし、ヤッてないって、人前でいうセリフかよ~。
奥さん、呆れてものも言えなさそうだった。
ヤラセてもらえないなら、俺でもいい?
1年くらい、一人で練習は悲しい。。。
藤川だ。
3連休は寝連休とばかりに、部活を休みにして居候宅でもある細太郎の家で、こ~いっちゃんとオヤジさんの3人でごろごろしていた。
愛犬のシャカイとうさぎのミッフィーは、2匹並んで今はいないリカの座布団に寝転んでいる。
お袋さんは菜々子と一緒に買い物にいって留守だ。
2階にいた広之が、
「こ~いっちゃんさ、辞書ねえの?」
と、聞いてきた。
「ああ?何すんだそんなもん」
「調べもの。細太郎の部屋見てもねえし」
「今時のガキが辞書持ってるかよ、電子辞書だよ」
「にしてもあんたのあるだろ」
細太郎が辞書を持っていないはずはない、入学祝いにやったんだから。
「もう一回探してみろ、細太郎なら持ってるはずだ」
俺は広之とこ~いっちゃんの3人でまたも2階にあがり、まずはこ~いっちゃんの部屋に入った。
「一応、俺も持ってたけどねえ」
がしかし見えてる範囲にはない。
「棚か?」
と、中を開けて見りゃ段ボールの山。
「いらねえもんつっこんだ」
こ~いっちゃんは段ボールを開けると、古い教科書やら問題集やらごちゃごちゃ詰め込んである。
「辞書は日用品だろ、古くても受容はある」
俺は本を一冊ずつ取り出すと、何やら懐かしい赤い小冊子が出てきた。
「あ、赤尾の豆単」
「懐かしい~」
かつては誰も世話になった、受験生のバイブル「赤尾の豆単」だ。
「いや俺もいまだに持ってるよ、勉強したした」
広之が手にとり、パラパラとめくった。
「おまえ、何回繰り返した?」
「俺?俺は3回の途中で挫折」
こ~いっちゃんも広之の手から豆単を受け取ると、懐かしそうにめくりだした。
「俺は5回やったぞ、一応国立受験だったから」
「俺もそのくらい」
3人でパラパラ懐かしげに見ていたが、結局覚えている単語は1番最初だけ。
夕方飯をたかりにきた慶子に念のために聞いてみたら、
「私は2回めの最初で辞めちゃった。覚えてる単語?あんたたちと一緒よ」
と、せーので、
「abandon」
と全員で答えたもんだ。
アホかこいつら~。
何のために勉強したんだ~。自慢できないような受験計画ならば、
「捨ててしまえ」
おあとがよろしいようで。
ちゃんちゃんw
こんばんはへちま細太郎です。
野球の何とかっていうの…プレミア12とか何とかっていうの、負けちゃったね。
大谷すげえな、という印象しかない。
「本命なしの野球だしな、勝ったって意味ねえよ」
たかのりは、今回は前田・大谷以外投げる時は見ていない。メジャー出てないからつまんないんだとさ。
「何読んでんだ?」
と、さっきから熱心に本と格闘している。
「本棚からみつけた」
と、ページをめくる。
「すげえぞ、が弟ナイフで刺されるんだ」
「は?」
「で、ナイフを引き抜く」
「うわ、やだ、なんだそれ」
「高瀬舟」
「は?」
「去年上本に散々叱られながら勉強したんだけど」
「叱られたって…」
俺は呆れて、それまではるみとメールしていた携帯を放り投げた。
「この分だけ聞きゃあさ、サスペンスだべ?」
文芸作品に対してなんてことを…。
「な、森鴎外って医者だったんだよな」
たかのりは、本を閉じてテーブルに置くと、
「やっぱ医学部受けねえ?」
と真剣な目を向けてきた。
「できることならこの時代に戻ってさ、こいつら助けてやりてえ」
マジか、たかのり…。
「おまえ、じいさん、医者なんだろ?なってみたいとかおもわねえの?」
「あったことのないやつなんざ、知らん」
「そんなもんか」
たかのりはため息をつくと、
「なんかよ~、いい作品ってのは、人生変えるくらいグサッとささるんだよなあ」
と、がらにもない発言をして突っ伏した。
そんなもんか…そんなもんかだよな。
あ~あ、はるみに会いたいなあ。
お初でございます、国語の上本です。
3年の現代文は“舞姫”やってます。森鴎外かけますかね?
去年は“高瀬舟”でエライ目にあいました。文芸作品がなぜサスペンスになるのか、理解不能です。
新婚の久保田先生は、新妻の納豆弁当攻撃に昼休みはむせび泣いてますがな。一体、新婚早々何をやらかしたんでしょうか。新婚旅行後回しが嫌がらせの原因でしょうか。
かくいう私も、トンデモな飲み物のせいで、1年経った現在もコンポタが飲めません。
それもこれも、“高瀬舟”をサスペンスにしたバカ野郎の今江たかのりと、唐川たかひろのせいです…。
…。
あ~、思い出したらムカついてきた
何でコンポタにオニオンコンソメ、メロンサイダー・ペプシストロング・ミルクティーをぶち込むんだよっ
そらもう臭いもさることながら、味にいたっては臭いと同じだ。
ドブ臭いんだξ
最後にきたコンポタの味が、とどめをさしてくれた。
あの時、咳がしばらく止まらず、口直しの茶もきかず、夕飯も食えず、嫁さんを泣かせてしまった恨みは忘れるもんか。
だから、今でもコンポタは飲めない。
腹が減った時には重宝するコンポタ。
あ~ちきしょ~、腹減ったあ~。
と、ふつふつと怒りが振り返した俺に、
「先生、小論のお礼でえす」
と、受験指導した3年男子が栄養の授業で作ったという牛乳寒天を持ってきた。
「お、ちょうど腹が減ってたんだ」
「そうかと思いました」
生徒が差し出してきた牛乳寒天は、なぜかプチトマトにブロッコリーの飾りつけ。
「?」
臭いもなんだか…
「あ″」
なんだこりゃ~っ
「大根おろし寒天。俺ら牛乳寒天なんて、一言もいってね~し」
勘違いした俺もバカだが、何でこんなもんばっかり作るんだよ~っ、男子高校生はっ
俺はやらなかったぞっ
理解不能だ、男子高校生なんてっ。
こんばんは
副住職だ。
先日、くそじじいがギックリ腰になって藤川家の病院に入院した。
じじいのくせに、ガキを高い高いしたらなったんだと。
乳児相手に何やらかしてんだ。
で、担当は俺の族仲間の布川だ。当時のこの野郎の髪形はほうきでな、例えていうなら“るろ剣”の十本刀の張だ。
それが今はさらっさらの爽やか好青年オヤジに変化した。
女好きでだいぶ今の嫁さんに苦労かけたらしいが、一念発起して医者になりやがった。
俺が僧侶であいつが医者って、どんな族の集まりだったんだよ。そういえば、建築家もいたわ。
で、ナースや女性の患者にモテモテなんだが、野郎の前歴を知ったらどうなんだかね。
俺が、待合室を抜けようとしたら、どっかのクソガキが暴れている。親はどうかとみれば、二人揃ってスマホだよ。
日曜日だから診療はないが、急患もくる。だれが病気なんだか知らんが、ガキがベンチで飛んだり跳ねたりはダメだ。
受付も見ないふりを決め込んでいる。
これが、うちの一族の経営する病院か?と思ったら、ガキをしめたあとで受付を怒鳴ってやろうと、ガキのそばにいきかけたら、案の定ガキはベンチの背もたれを越えて後ろに落下。途端にぎえっと悲鳴が聞こえてきた。
次の瞬間、
「クソガキがっ」
と怒声が…。
「病院で暴れるったあ、いい根性してんなっ」
げっ、ベンチの向こう側から現れたのは布川だった。
いかにも寝てましたって顔だ。
「あ?親はどこだ、てめぇ」
スマホ夫婦は我が子が落ちたのも気づかなかったが、布川の怒声に何事かと振り返った。その瞬間、
「レオン」
と叫び、クビねっこをつかまれ宙づりにされた我が子に近寄った。
しかし…
「レオンだあ?ふざけたネーミングだな、ガキはペットじゃねえ」
と、そのまんま子供を慌てる親めがけて投げつけた。
母親が何やら喚いていたが、
「あなたの息子が何をしたか、拙僧から説明してさしあげようか」
と、僧服の自分がぬっと現れたもんだから、二人ともひええと悲鳴をあげて腰をぬかしてしまった。
「親なら、しっかり子供の行動を見ていないといけないな」
と、やにわに数珠で経を唱えてやると、子供を抱えて逃げ出してしまった。
「あれ、会計は?」
と、受付を見れば、
「済んでます」
と済ました答が返ってきた。
「あ?」
俺と布川が同時に凄んだ声を出したら、受付は首をすくめてしまった。
「てめぇなんざ、クビだ」
俺の一喝に受付は奥へ泣きながらひっこんでしまった。
これは、やばかったかね?
「いいんじゃないですかあ」
と、布川はとぼけた声を出して、首をボキボキさせた。
う~む。
コイツ、ほんとに医者やれてんのか~?
藤川だ、なあにが結婚だ、バカヤロー
久保田の野郎、あんな若い女の存在を隠して嫌がって、ふざんけんなよっ
俺より先に結婚するとか、昔は成敗もんだ、こんちくしょー
許し難い。
なんでだよ~
なんでみんな俺を無視すんだよ~
痩せても枯れても…って藤川家にはありえんが、藤川家の次期当主だぞ、昔ならお殿様だぞ。
と、喚いていたら、
「えり好みばかりしてるからよ」
2番目の姉の香華が、でっけえかつおをさばきながら、出刃包丁を向けてきた。
「あぶねえ」
けんちゃんが出刃をやんわり取ると、
「理がマネをする」
とひとにらみした。
「あらごめんなさい」
姉は悪びれた様子もない。
「はいはい、わかったんなら、タタキにしてね」
「おっけ~」
夫婦の会話、タイミングばっちしだな。
「うらやまし~」
「そう思うなら、相手みつけな」
「うんだうんだ」
くそっ、人の気もしらねえで~っ
こんちは、へちま細太郎です。
勉強に夢中になっていると、高校時代の数学のノートをひょいと取り上げた孝太郎先輩が、
「きれいでわかりやすいな」
と、感想を言ってくれた。
まあね、数学はしんいちほどじゃないが得意だし。
けど、
「しかし、なんだこりゃ」
と古典のノートをパラパラする。
「見られたもんじゃねえな。おまえ、古典苦手なのか?」
「ほとんど聞いてなかった。藪の古典なんて、誰もきいてないよ」
と、ノートをひったくった。
「おまえ、藪だったの?」
「現代文は上本だったけど、あっちの方がよかった」
と言ってもノートとってなかったけどね。孝太郎先輩は、ふうんと言いながら、今度は生物のノートをめくる、がしかし、
「なんじゃこりゃ」
と、素っ頓狂な声を上げた。
そりゃそうだ。自分にしかわからない取り方だから。
「おまえ、こんなノートの取り方してたの?」
「そうですけど、何か?」
「これで成績トップ?」
「ういっす」
ぐちゃぐちゃに書き込んだノートをぴらぴらさせながら、
「せっかくだから、うちの母校用に、トップのやつのノートを本にしてうろうかと思ったんだが」
「何考えてんすか。おれのノートの取り方が他のやつにできますかっての。だいたい、東大生のノートとかって売ってますけど、それみて東大生になれますか?」
「なれね~よ。必要なのは“東大生の”であって、中味はどうだっていいもん。だいたい、俺はノートとったことねえ」
これだよ。
「まあなんだな、黒板に書いてあることをまんま写してたんじゃ、ダメだってことぐれえわかりゃいいんだがよ~」
全国のみなさん、コピーマシンになってませんか?ノートは自分で作るもんですよ 。
「そうしてくれ、そして俺がコピーして売るからね」
孝太郎先輩、あんたが藤川家のあとついだ方がいいんじゃね?と思ったね。
御隠居さま、そっくりだ