こんにちは、へちま細太郎
です。
先日、高校生のバスケの新人大会があった。
優勝候補№1だって言われていて第1シードだったのに、
「初戦で負けちまった」
と、帰ってきた先輩たちは青ざめていた。
先輩たちは、中学生の大会で全国優勝までしたのに、あっけなく負けてしまい、先生がカンカンだったからだ。
高校バスケの顧問の関本先生はブチ切れてるし、のぶちゃん先生に至ってはボールを体育館の壁に思い切りぶち当てるキレっぷりだった。
「お前たちがたるんでいるからだあ
」
二人に怒鳴られて先輩たちはうなだれている。
とはいっても、修学旅行から帰ってきた翌日に試合って、それは先輩たちがかわいそうだと思うんだよね。いくら、オーストラリアで時差が2時間(サマータイムあり)といったってさ。
「何やっても絶対怒られるんだから、黙ってはいはいときいてりゃいいんだってば」
と、大学生の(仮)嵐軍団さんが、焼き芋抱えてこのこの光景を見ながらつぶやいていた。
「けんちゃんなんか、怒らせたらもっとこえ~ぞ」
サッカー部は全国大会の経験はないものの、関東大会は常連だし、そこそこ強いとは思うんだけど、高校に入ると藤川先生が顧問のせいか、パッとしなくなってしまう。
「まあ、なんだな、負けるのも練習のうちだしな、ほれ、差し入れだ食え、屁こくなよ」
と、ぼくらに大量の焼き芋の入った箱を渡し、(仮)嵐軍団さんは園芸学部へと帰ってしまった。
「そんなもんかなあ」
「負けてなんぼじゃん」
ぼくらは、ほかほか暖かい焼き芋を頬に当ててしばし幸せな気分に浸っていた。
相変わらずのぶちゃん先生はどなり散らしていたけど、焼き芋に目がとまると、
「勝手に食うなよっ
」
と、ぼくらにも怒鳴った。
「藤川家に染まったな」
「うん」
ぼくらはだれともなく呟いたのであった。