北九州実地踏査ツアー報告の合い間を縫って車中泊レポート第三弾を投稿します。
-------------------------------------------------------------------------------
2017年12月9日〜10日、尾道へ一泊二日の車中泊ツアーに行ってきました。
当初は北陸カニツアーを計画していたのですが、前日の天気予報で「日本海側に寒波、降雪のおそれ」という予報が出たのでリスクを回避して急きょ行き先を変更することに。
以前から一泊コースとして候補にあげていた尾道に決めて、時間に余裕があれば往路あるいは復路で岡山にある吉備津神社、吉備津彦神社、楯築遺跡などに行こうと考えて富田林の自宅を出発。
直前に予定変更ができることは車中泊の大きなメリットですね。
ちなみに楯築遺跡には弥生時代後期、古墳時代直前の墳丘墓(楯築墳丘墓)があります。前方後円墳の原型とも言われる双方中円型の墳丘墓です。円筒埴輪の原型と言われる特殊器台とともに吉備の勢力が大和政権成立に大きな影響を与えた、あるいは大和政権の中核勢力であったという説の根拠のひとつになっています。
朝10時出発の予定をしていたものの、なんやかんやで12時をまわってしまったので、この日の岡山立ち寄りはあきらめました。いつも通り阪神高速神戸線から第二神明に入り、そのまま加古川バイパス、姫路バイパスを経て尾道まで国道2号線、つまり一般道を走ることにして高速代を節約。結果、尾道までの交通費は1620円+ガソリン代ということになりました。
夕方になって岡山市内に向かう岡山バイパスで渋滞につかまってしまったので、途中でバイパスを降りて晩ご飯をとることにしました。焼肉屋さんを探しているところに回転寿司の看板が。前回の九州車中泊ツアーで地元の回転寿司屋のコストパフォーマンスの良さを知ってしまった私たち夫婦は回転寿司の看板には敏感になっています。迷わず焼肉を諦めてこのお店に入ることにしました。
時刻は17時過ぎで夕食には少し早いこともあって店内はすいていました。何気なしに見ていたカウンターに貼ってあったステッカーに「マリンポリス」の文字。なんや、大手系列の店やったんか、と少し残念に思ったものの、安くて美味かったので良しとしよう。お会計は2人で2100円ほどでした。
バイパスに戻るとまだ渋滞が解消していなかったので、抜け道を走って渋滞を回避。岡山市内を抜けたあたりでバイパスに戻ると倉敷までは3車線の快適なドライブ。その後バイパスが終わって国道2号線をダラダラと走り、20時半頃に尾道へ到着。
初めての車中泊で倉敷・鷲羽山に行った時も岡山バイパスは大渋滞だったので、今回で学習しました。次からはこの時間にここを走らないようにしよう。
尾道では「尾道平原温泉 ぽっぽの湯」という日帰り温泉施設で入浴。料金は800円と少し高いけど露天風呂が広くて気持ち良かった。
その後、宿泊場所として事前に調べておいた尾道市内の24時間最大800円のコインパーキングに行ってみると、何ということでしょう、12時間最大800円に変わっていたのです。隣に24時間最大800円があったけど7台分しかスペースがなくて満車(泣)。ここに停めて翌朝はそのまま徒歩で市内観光と思っていたので、これはマズイことになった。付近を少し走ってみたけどいい場所がない。結局、もう一度ネットで調べてみると尾道トラックステーションという長距離トラックのための仮眠用施設がヒット。ダメもとで行ってみるとトラック用の広い駐車場にコンビニもあってなかなか良さげ。トラックのエンジン音が少し気になったものの快適に過ごすことができました。ここは車中泊をする方にはオススメです。
翌朝はもともと予定していたコインパーキングに車を置いて、ワンコとともに徒歩で坂道の町を満喫。
パーキングから歩いてすぐのところに千光寺山ロープウェイの乗り場があって、その隣に佇む艮神社。艮を「うしとら」と読むことを初めて知りました。左が艮神社の鳥居で右がロープウェイの乗り場。ロープウェイは境内の真上を上がっていく。
ここは映画「時をかける少女」のロケ地とのこと。
境内の横を登っていく細い坂道は「猫の細道」。猫の匂いがプンプンするのか、ワンコの動きが慌しい。
さらに上がると天寧寺の三重塔。その裏手を進むといよいよ坂道の街を実感する風景が眼に入ってきます。
階段の左手にある広場は尾道共楽園。どうやら付近の家で飼われている猫の集合場所になっているようです。観光客から餌を貰うからか少々メタボな猫が多い。共楽園の上には「みはらし亭」という宿泊施設。崖の上に建っているので泊まるとちょっと不安になるかも。そしてこれより上は千光寺の境内になるのでワンコが入れず、奥さんと交代で行くことに。
境内へ登る階段の途中には「除虫菊発祥之碑」がある。ここに刻まれる上山英一郎氏は殺虫剤産業を興し、日本の除虫菊生産を世界一に導いた人物。あの金鳥蚊取り線香の生みの親です。
まずは境内からの眺め。絶景です。
この千光寺は西暦806年の建立となっていますが、その信仰の始まりはどう考えても磐座(いわくら)信仰です。磐座とは神様が降臨する大きな岩のことで、つまり、仏様ではなく神様を祀ることから始まったのだと思います。山の上にはこれでもかというくらい、たくさんの大きな岩がそびえているのです。
三重石。
玉の岩の上を行くロープウェイ。
梵字岩。
夫婦岩。
石鎚山くさり修行(女鎖)。
ここは修行場で鎖を頼りに岩を登って行くのだけど、おしゃれな格好した母娘があられもない姿でこの女鎖に挑戦していましたが、その様は少し滑稽さを感じました。
境内のいちばん奥にある梵鐘。
ここからの眺めがまた素晴らしい。この街は坂を登るたびに少しずつ景色が変わって行くので同じ方向を眺めても飽きることがない。
そして、ここの魅力は町全体に何とも言えないのんびりとした空気が漂っていることかな。坂道に一歩足を踏み入れると車もバイクも自転車もなく、ただ人がゆっくり歩くだけ。さらに、そこかしこに猫がすわっている。眼下から時折聞こえる電車や貨物列車の音。その向こうには水面が穏やかな尾道水道と横たわる向島。時間が止まったように感じるのです。文学者がこの町を好んだことがよくわかります。
奥さんと交代で千光寺境内まで登った後は違うルートで坂道を下りました。志賀直哉旧宅では地元のおじさんが話しかけてきたので5分ほど立ち話。尾道の美味しいものは何ですかと尋ねたら「小魚やな」との回答。小魚って何?と思ってたら「でべら、ままかり」と続けてくれた。どちらも初めて聞く魚。とにかくランチはそれにしようと決定。
志賀直哉旧宅。
旧宅からの眺め。
千光寺新道。綺麗に整備された階段がまっすぐに続く。
観光ポスターの撮影現場とのこと。
これを下り切ったところで目の前に線路、そして線路をくぐると国道。都会と田舎、現実世界と妄想世界、動と静、あくせくとのんびり、、、この線路が境界線、このガード下が結界のように感じました。
国道を渡るとすぐに東西にのびる長い商店街。おじさんから聞いた尾道名物の小魚を食せるお店を探しながら車に戻りました。見つけたお店は「まかない食堂 むらちゃん」。ワンコを車に残してお店に戻り、私がでべろの海鮮丼、奥さんが小魚の唐揚げ定食を注文。どちらも美味かった。お店の大将も気さくに話しかけてくれ、料理と相まって非常にいい時間を過ごすことができました。
食後は商店街をウロウロ。観光客が多いのでシャッター通りにはなっていなくて、古くからのお店と新しいお店が上手に混在していて、歩いていて楽しい。行列のできるパン屋さん、潰れた銭湯を改装したお土産屋さん、テレビにも出た有名なメガネ屋さん、記念館として公開されている旧商工会議所、尾道ラーメンのお店、、、中でも奥さんが気に入ったのが帆布のお店。
尾道帆布。芸能人がたくさん来店しているようです。
小さなパン屋さん。店内には6人しか入れません。そりゃ行列ができるわな。
もともとは小さな銭湯。店内にもその名残りがありました。
商工会議所記念館の資料を見ていて初めて知ったことが、住友銀行(現在の三井住友銀行)発祥の地がこの尾道だったということ。てっきり大阪だと思っていました。
商店街を端っこまで歩いたので折り返して、すぐ近くの港の通りを経由して車に戻ると時刻はすでに14時半。ここに車を停めたのが8時半頃だったので、この小さな町に6時間もいたことに気がついてビックリ。心が癒される本当にいい町でした。
少し時間が厳しくなったけど、ひとまず岡山の楯築遺跡に向かおうと思い、国道2号線を東に走っていると急に雨が降り出してきました。走るに連れて雨足が強くなってきたので、さすがに遺跡見学はあきらめました。どこかで温泉に入って帰ろうと着替えの用意もしてあったのですが、雨も降っているし予定よりも遅くなっているので、このまま帰って家でお風呂に入ろう、「陸王」も見れるし、ということで温泉もあきらめて、そのまま鴨方インターから山陽道に乗って帰って来ました。
これまで尾道という町は広島へ行く途中、あるいは広島から帰る途中に立ち寄る観光地であったのが、最近は若者を中心に尾道で宿泊する人が増えてきて、市内に宿泊施設が増え始めているということを志賀直哉旧宅のおじさんから聞きました。そういえば、しまなみ海道の終点(始点)でもあるので、四国からサイクリングでやって来た人、あるいは朝一番で自転車で四国に渡る人が尾道を拠点にしているという話を聞いたこともあります。実際、満車だった24時間最大800円のコインパーキングでは車から自転車をおろしているところを見ました。商店街を歩いているときにもサイクリングの格好をしたグループを見かけました。
また、坂道を巡っているときには、若いカップル、私達のような中年夫婦、若い女性の2人旅が多いなあ、と思いながら歩いていました。商店街もそういう二人組が行き交っていました。団体やグループが少ないこともこの町の雰囲気を壊さずにいいのかも。瀬戸内海のど真ん中にあって、古来、鞆の浦とともに潮待ち港として栄え、江戸時代には北前船で賑わった町が観光地としてその賑わいを取り戻している姿を見て、町の雰囲気が気に入ったことと合わせて妙な感動を覚えました。
このレポートを読んでいただいた方、ぜひ尾道を訪ねてみてください。
-------------------------------------------------------------------------------
2017年12月9日〜10日、尾道へ一泊二日の車中泊ツアーに行ってきました。
当初は北陸カニツアーを計画していたのですが、前日の天気予報で「日本海側に寒波、降雪のおそれ」という予報が出たのでリスクを回避して急きょ行き先を変更することに。
以前から一泊コースとして候補にあげていた尾道に決めて、時間に余裕があれば往路あるいは復路で岡山にある吉備津神社、吉備津彦神社、楯築遺跡などに行こうと考えて富田林の自宅を出発。
直前に予定変更ができることは車中泊の大きなメリットですね。
ちなみに楯築遺跡には弥生時代後期、古墳時代直前の墳丘墓(楯築墳丘墓)があります。前方後円墳の原型とも言われる双方中円型の墳丘墓です。円筒埴輪の原型と言われる特殊器台とともに吉備の勢力が大和政権成立に大きな影響を与えた、あるいは大和政権の中核勢力であったという説の根拠のひとつになっています。
朝10時出発の予定をしていたものの、なんやかんやで12時をまわってしまったので、この日の岡山立ち寄りはあきらめました。いつも通り阪神高速神戸線から第二神明に入り、そのまま加古川バイパス、姫路バイパスを経て尾道まで国道2号線、つまり一般道を走ることにして高速代を節約。結果、尾道までの交通費は1620円+ガソリン代ということになりました。
夕方になって岡山市内に向かう岡山バイパスで渋滞につかまってしまったので、途中でバイパスを降りて晩ご飯をとることにしました。焼肉屋さんを探しているところに回転寿司の看板が。前回の九州車中泊ツアーで地元の回転寿司屋のコストパフォーマンスの良さを知ってしまった私たち夫婦は回転寿司の看板には敏感になっています。迷わず焼肉を諦めてこのお店に入ることにしました。
時刻は17時過ぎで夕食には少し早いこともあって店内はすいていました。何気なしに見ていたカウンターに貼ってあったステッカーに「マリンポリス」の文字。なんや、大手系列の店やったんか、と少し残念に思ったものの、安くて美味かったので良しとしよう。お会計は2人で2100円ほどでした。
バイパスに戻るとまだ渋滞が解消していなかったので、抜け道を走って渋滞を回避。岡山市内を抜けたあたりでバイパスに戻ると倉敷までは3車線の快適なドライブ。その後バイパスが終わって国道2号線をダラダラと走り、20時半頃に尾道へ到着。
初めての車中泊で倉敷・鷲羽山に行った時も岡山バイパスは大渋滞だったので、今回で学習しました。次からはこの時間にここを走らないようにしよう。
尾道では「尾道平原温泉 ぽっぽの湯」という日帰り温泉施設で入浴。料金は800円と少し高いけど露天風呂が広くて気持ち良かった。
その後、宿泊場所として事前に調べておいた尾道市内の24時間最大800円のコインパーキングに行ってみると、何ということでしょう、12時間最大800円に変わっていたのです。隣に24時間最大800円があったけど7台分しかスペースがなくて満車(泣)。ここに停めて翌朝はそのまま徒歩で市内観光と思っていたので、これはマズイことになった。付近を少し走ってみたけどいい場所がない。結局、もう一度ネットで調べてみると尾道トラックステーションという長距離トラックのための仮眠用施設がヒット。ダメもとで行ってみるとトラック用の広い駐車場にコンビニもあってなかなか良さげ。トラックのエンジン音が少し気になったものの快適に過ごすことができました。ここは車中泊をする方にはオススメです。
翌朝はもともと予定していたコインパーキングに車を置いて、ワンコとともに徒歩で坂道の町を満喫。
パーキングから歩いてすぐのところに千光寺山ロープウェイの乗り場があって、その隣に佇む艮神社。艮を「うしとら」と読むことを初めて知りました。左が艮神社の鳥居で右がロープウェイの乗り場。ロープウェイは境内の真上を上がっていく。
ここは映画「時をかける少女」のロケ地とのこと。
境内の横を登っていく細い坂道は「猫の細道」。猫の匂いがプンプンするのか、ワンコの動きが慌しい。
さらに上がると天寧寺の三重塔。その裏手を進むといよいよ坂道の街を実感する風景が眼に入ってきます。
階段の左手にある広場は尾道共楽園。どうやら付近の家で飼われている猫の集合場所になっているようです。観光客から餌を貰うからか少々メタボな猫が多い。共楽園の上には「みはらし亭」という宿泊施設。崖の上に建っているので泊まるとちょっと不安になるかも。そしてこれより上は千光寺の境内になるのでワンコが入れず、奥さんと交代で行くことに。
境内へ登る階段の途中には「除虫菊発祥之碑」がある。ここに刻まれる上山英一郎氏は殺虫剤産業を興し、日本の除虫菊生産を世界一に導いた人物。あの金鳥蚊取り線香の生みの親です。
まずは境内からの眺め。絶景です。
この千光寺は西暦806年の建立となっていますが、その信仰の始まりはどう考えても磐座(いわくら)信仰です。磐座とは神様が降臨する大きな岩のことで、つまり、仏様ではなく神様を祀ることから始まったのだと思います。山の上にはこれでもかというくらい、たくさんの大きな岩がそびえているのです。
三重石。
玉の岩の上を行くロープウェイ。
梵字岩。
夫婦岩。
石鎚山くさり修行(女鎖)。
ここは修行場で鎖を頼りに岩を登って行くのだけど、おしゃれな格好した母娘があられもない姿でこの女鎖に挑戦していましたが、その様は少し滑稽さを感じました。
境内のいちばん奥にある梵鐘。
ここからの眺めがまた素晴らしい。この街は坂を登るたびに少しずつ景色が変わって行くので同じ方向を眺めても飽きることがない。
そして、ここの魅力は町全体に何とも言えないのんびりとした空気が漂っていることかな。坂道に一歩足を踏み入れると車もバイクも自転車もなく、ただ人がゆっくり歩くだけ。さらに、そこかしこに猫がすわっている。眼下から時折聞こえる電車や貨物列車の音。その向こうには水面が穏やかな尾道水道と横たわる向島。時間が止まったように感じるのです。文学者がこの町を好んだことがよくわかります。
奥さんと交代で千光寺境内まで登った後は違うルートで坂道を下りました。志賀直哉旧宅では地元のおじさんが話しかけてきたので5分ほど立ち話。尾道の美味しいものは何ですかと尋ねたら「小魚やな」との回答。小魚って何?と思ってたら「でべら、ままかり」と続けてくれた。どちらも初めて聞く魚。とにかくランチはそれにしようと決定。
志賀直哉旧宅。
旧宅からの眺め。
千光寺新道。綺麗に整備された階段がまっすぐに続く。
観光ポスターの撮影現場とのこと。
これを下り切ったところで目の前に線路、そして線路をくぐると国道。都会と田舎、現実世界と妄想世界、動と静、あくせくとのんびり、、、この線路が境界線、このガード下が結界のように感じました。
国道を渡るとすぐに東西にのびる長い商店街。おじさんから聞いた尾道名物の小魚を食せるお店を探しながら車に戻りました。見つけたお店は「まかない食堂 むらちゃん」。ワンコを車に残してお店に戻り、私がでべろの海鮮丼、奥さんが小魚の唐揚げ定食を注文。どちらも美味かった。お店の大将も気さくに話しかけてくれ、料理と相まって非常にいい時間を過ごすことができました。
食後は商店街をウロウロ。観光客が多いのでシャッター通りにはなっていなくて、古くからのお店と新しいお店が上手に混在していて、歩いていて楽しい。行列のできるパン屋さん、潰れた銭湯を改装したお土産屋さん、テレビにも出た有名なメガネ屋さん、記念館として公開されている旧商工会議所、尾道ラーメンのお店、、、中でも奥さんが気に入ったのが帆布のお店。
尾道帆布。芸能人がたくさん来店しているようです。
小さなパン屋さん。店内には6人しか入れません。そりゃ行列ができるわな。
もともとは小さな銭湯。店内にもその名残りがありました。
商工会議所記念館の資料を見ていて初めて知ったことが、住友銀行(現在の三井住友銀行)発祥の地がこの尾道だったということ。てっきり大阪だと思っていました。
商店街を端っこまで歩いたので折り返して、すぐ近くの港の通りを経由して車に戻ると時刻はすでに14時半。ここに車を停めたのが8時半頃だったので、この小さな町に6時間もいたことに気がついてビックリ。心が癒される本当にいい町でした。
少し時間が厳しくなったけど、ひとまず岡山の楯築遺跡に向かおうと思い、国道2号線を東に走っていると急に雨が降り出してきました。走るに連れて雨足が強くなってきたので、さすがに遺跡見学はあきらめました。どこかで温泉に入って帰ろうと着替えの用意もしてあったのですが、雨も降っているし予定よりも遅くなっているので、このまま帰って家でお風呂に入ろう、「陸王」も見れるし、ということで温泉もあきらめて、そのまま鴨方インターから山陽道に乗って帰って来ました。
これまで尾道という町は広島へ行く途中、あるいは広島から帰る途中に立ち寄る観光地であったのが、最近は若者を中心に尾道で宿泊する人が増えてきて、市内に宿泊施設が増え始めているということを志賀直哉旧宅のおじさんから聞きました。そういえば、しまなみ海道の終点(始点)でもあるので、四国からサイクリングでやって来た人、あるいは朝一番で自転車で四国に渡る人が尾道を拠点にしているという話を聞いたこともあります。実際、満車だった24時間最大800円のコインパーキングでは車から自転車をおろしているところを見ました。商店街を歩いているときにもサイクリングの格好をしたグループを見かけました。
また、坂道を巡っているときには、若いカップル、私達のような中年夫婦、若い女性の2人旅が多いなあ、と思いながら歩いていました。商店街もそういう二人組が行き交っていました。団体やグループが少ないこともこの町の雰囲気を壊さずにいいのかも。瀬戸内海のど真ん中にあって、古来、鞆の浦とともに潮待ち港として栄え、江戸時代には北前船で賑わった町が観光地としてその賑わいを取り戻している姿を見て、町の雰囲気が気に入ったことと合わせて妙な感動を覚えました。
このレポートを読んでいただいた方、ぜひ尾道を訪ねてみてください。