本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

お寺に棲む龍と獅子と鴨

2020-03-10 20:42:37 | 住職の活動日記

仏法を守護するという龍

そしてまた、

高徳で学識のあるすぐれた僧を

龍象(りゅうぞう)といいます

これは水族と獣類の王に喩えた

ことからこの名前が付きました

それでお坊さんの名前も

龍が付いた方がいらっしゃいます

「龍樹」(りゅうじゅ)

真言宗では龍猛(りゅうみょう)

と呼ばれます

大乗仏教の祖というような方

 

ですから、

「龍」というのはお寺では

何らかの形でいらっしゃいます

 

 

何とも見事な龍

普通は頭だけでそこから

水を吹き出しているのですが

 

 

ここの龍は全身を作ってあります

それにしても

 

 

迫力のある姿です

水を守ってこられた龍神様

弘法大師が神泉苑で雨乞いし

都に雨を降らせたのが

善女龍王という方です

 

 

後ろからの姿も実に丁寧に

作り上げられています

外国の方には珍しいのでしょうか

スケッチをされています

 

それからもう一つは獅子です

唐獅子牡丹の獅子

唐獅子のことは「猊」といいます

ここでは三門の金具に

唐獅子牡丹が作ってあります

 

 

新しくされたのか修理されたのか

輝いています

それぞれの柱には違った姿で

 

 

作ってあります

彫りこんだのではなく

浮き彫りにしてあるところが

凄いです

 

 

上にあるのが牡丹でしょう

獅子(ライオン)は皮膚が弱い

そこで虫をよけてくれる

牡丹の下にいるのです

 

 

それぞれ違った意匠で作られる

というのは意味もあるでしょうし

費用の方もそれなりに掛かっている

ということでしょう

 

 

この三門も立派です

三門というのですから

扉が横並びに三つあります

本来は縦に

空門・無相門・無願門と

仏さまの浄土へ行くには

三つの門をくぐって初めて

お浄土へ行けるということで

そうすると

とても大変なスペースがいるので

横に扉を三つ設けて

三門の形にしたのです。

 

詳しくは

空解脱門といい

人と法との空なることを観じる

次には

無相解脱門

差別の相を離れるという門

最後に

無願解脱門といい

願い求める思いも捨てる

そこで初めて浄土へと

入っていけるということです

 

門ということも大切で

巡礼で回った時、寺は見えるが

門が分からないので

お寺にたどり着くのに

難儀したことがあります

見えるが門が分からないと

入れない

先日も御所で外国の方

「ゲイト?」

入り口が分からなかった、

「ターンライト」

というと、OKといって

行かれました

 

あたりが薄暗くなったころ

 

 

門にがライトアップされました

すると、

どこからでしょう

 

 

鴨さんたちがやって来たのです

しきりに水の中に頭を突っ込んで

なかなか顔を上げません

この水の中に魚がいるのかも

それとも藻のような水草を

食べているのかも

ちょうど夕食の時間のようでした

 

 

 

 

 

 

コメント
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