本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

概念・コンセプト(concept)

2020-03-27 21:01:30 | 漢字

『十地経講義』の中にも

頻繁に出てくる言葉「概念」

何となく分かっているような

つもりで読んでいますが

いざ、聞かれると

分からない言葉でもあります。

 

広辞苑には

「事物の本質をとらえる

 思考の形式」とあります

が、これもよくわからない。

貧弱な脳みそでは

こういうことで躓いてしまいます

 

それがまた、横文字の

「コンセプト」となると

また違った意味で使っています。

 

いっそのこと分析してしまえと

漢和辞典片手に、

「概」という字は?

升にあふれる米をひっかいて

平らにする棒、とあります

今ではあまり見かけませんが

昔はお米は升で計っていたので

必ず丸い棒があってそれで

升の米を平らにしたものです。

それを「概」という。

そこから、意味が発展し

「おおむね」という意味になり

「大概」といように「ほぼ」と

いうことになったのです。

 

「念」は、

心に強くとめておく、

ということで、

「憶念不忘」という

心に深く思い忘れない

という言葉があります。

 

それが概念となると

この言葉も先人方の苦労の賜物の

翻訳でしょう

江戸末期から明治初めにかけて

活躍された西周(にしあまね)

という方が翻訳され

和製漢語をたくさん作られました

他にも、

哲学、芸術、科学、技術、意識

知識、定義、命題など

数多くの言葉を日本語に訳されて

います

今、当たり前のように使っている

言葉なんですが

何がどうなって

こういう言葉になったのか

その経緯を知りたいものです。

 

英語の辞書を見ても

いきなり、「概念」と

でてきます。

似たような言葉に「アイデア」

があると書かれています

どう違うのか

もとはギリシャ語で「物の外見」

ということから

「頭に浮かぶもの」と、

それが一時的に浮かぶもの

突然に→「思いつき、考え」

漠然と→「見当」→「感じ」

それが又体系的に浮かぶものが

「意見」→「思想」となった

ということで、

単なるアイデアということも

思いつきもあれば

じっくり考えた意見が思想に

なっていくという。

 

ですから、コンセプトという

言葉の成り立ちということを

知りたいものですが

概念といいコンセプトといっても

なかなか馴染みがなく

何かしらしっくりこないものが

あるのです。

 

よく聞く文としては

「この商品のコンセプトは」

とか、店のコンセプトなど

使いますが

これが、「商品の概念」となると

何かしら難しく感じ

別の意味のようにも思えてきます 

 

『十地経講義』にも

また安田先生の本にもよく

出てきますので

その中で馴染んでいくしか

ないようにも思います。

 

 

 

 

 

コメント
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