本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

四善根位(しぜんごんい)

2020-12-07 21:07:23 | 十地経

「四善根位」ということも

逆算するように知ったのです。

十地経講義も「忍」ということが

続いていまして、

六波羅蜜の中で第三番目

「忍辱波羅蜜」というのがあって

というところから、

 

「それから今度は行の位では

こういうのがあって、

煗(なん)、暖かいという

意味ですね。

煗・頂・忍ですね。

こういう位があるんですよ、

行の位にね。」

 

ということが出てきます

不思議なことに

50年ほど前に聞いた「煗」なん

という言葉がずっと

頭の片隅に残っていたのです。

聞いたときは意味も分からず

おもしろい言葉という

ことしか残っていませんでした

 

ちょうど講義を読んでいる時

こういう漢字だったのかと

あらためて知って、

辞書を引いてみると

「四善根位」という言葉に

出くわしました。

 

四善根位とは

煗位・頂位・忍位・世第一法位

の四つです

煗位とは、あたたかみ

ということで、

あたたかいということが

火の前ぶれであるように

煩悩を焼きほろぼす

見道の智慧の火に近づいて

その前ぶれとして

善根が生じてくるという

位なのです。

 

煩悩をめっする予兆として

智慧の火が直ぐに

燃え上がるのではなく

あたたかみが起こってくる

というのです

 

このことを講義の時

とても楽しいそうに説明されて

おられました

そういう微妙な感情を

「煗」ナンという一文字で

表してる

何だかその記憶だけが妙に

心のどこかに残っていたのです

 

それでみてみると

煗位というのは面白いたとえで

この位にまでくると

たとえ退いて悪行を作っても

いつかは必ず

涅槃のさとりに至る

ということです。

炭火の燠オキのようなもので

一旦火がついたら

小さな炭火でも暖かさを

たもっているという

ことなのでしょう。

 

それから

忍位というのは

ここまでくれば善根が定まって

もう動くことがない

「不動善根」という位で

悪趣に落ちることはない

というのです。

 

『十地経』が始まる前

最初は初歓喜地ですが

そこが始まるのは

この四善根位をを修めてから

という前提があります。

『十地経』では

その「四善根位」を略して

初歓喜地から始まっている

ということです。

 

私にとっては

50年来のどこか残っていた

疑問が解けたような感じです。

 

 

 

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