宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

解像度について

2012-05-14 15:25:00 | 天体写真
大気がある以上、解像度には限界があります。
関東では1”角以下になることは滅多にないと聞きます。
ならば、限界分解能1.16"角の10cm反射鏡でも十分でしょうか?

左:M5 10cmF6(600mm) , 右:M13 65cmF12(7800mm)


撮像データ

M5

10cmF6(600mm) , K-5 , ISO 800 , 300sec X 4 composite ,
195%拡大(ピクセル等倍が100%ですから、その2倍です)

M13

65cmF12(7800mm) , K-5 , ISO 3200 , 600sec X 2 composite ,
31.9%拡大

画面上で同じ大きさになるように表示させています。
この二つの球状星団は、大きさも明るさも似ています。
K-5の1620万画素ともなると、195%拡大しても中感度コンポジット
ではなんとか見られます。

どうでしょうか。
たった10cmでも65cmと大して変わらない解像力を持っている
様に見えませんか?もちろん、集光力では比べ物になりませんが。

ワンショットカラーのDSLRでこれだけの画像となる訳ですから、
1600万画素のモノクロ冷却CCDカメラなら、実に素晴らしいモノと
なるでしょう。主流の830万画素機でもK-5以上の画像となりそう
です。そう考えると、TOA130やR200SS、バイザック辺りが最も
効率が良い光学系と言えるのではないでしょうか。

次の例はバイザックVC200Lで素晴らしい作品を撮影されている
demio1948氏の作例と、恐れ多くも勝手に比較をさせて頂いたも
のです。私が日頃目標にさせて頂いている方の作品です。

左:VC200L+0.71Xレデューサ 右:10cmF6 2倍トリミング


撮像データ

----- demio1948氏のVC200L -----

日時:2012.03.26 22時00分~
場所:三峰ヘリポート駐車場
気温:-2℃
架台:EM200B(AGS-1s)
鏡筒:VC200L+レデュザー(0.71×)
ガイド:lodestar+PHDによるオフアキガイド
カメラ:SEO cooled60D(-22℃)+IRcut
ISO:1600
露出:10分×8コマ
SI6にて画像処理
焦点距離:1280mm

----- 私の10cmF6反射 -----

日時:2012. 04. 17 23時15分~
場所:三峰ヘリポート駐車場
気温:0.5℃
架台:TS-90S
鏡筒:ミザール10cmF6反射
ガイド:80mmF5 + SSAG + PHD
カメラ:PENTAX K-5ノーマル機
ISO:3200
露出:5分X4コマ
PDCU4 , Photoshop cs5にて画像処理
焦点距離:1200mm相当にトリミング

元々比較しようと思って撮影したものではないため、
データが揃っていませんが、やはりVC200Lの解像度は素晴らしい
と思います。10cmF6で少しでも近づけるには、ISO800で10分×8枚
は露光しないといけないでしょう。VC200Lで2倍トリミングすれば
もう十分な(地上望遠鏡として)撮像になるような気がします。

*demio1948さんへ

画像を勝手に使用してしまいました。お許しください。
問題があれば即刻削除しますからご指摘願います。
コメント (2)
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