8月31日土曜日。
有間ダムの法面崩落にビビリながらも、晴れの予報に期待して
有間峠に出撃。広河原逆川林道が崩れたら浦山ダム側に降りる。
最悪、徒歩で蕨山尾根を伝って帰還できる装備で挑んだ。
台風15号に吸い込まれるように北西方向に雲が飛んで行く。
さて、
下界は37℃の猛暑日だった。
その割には視界がクリアで、真冬のようなキラキラした関東平野
が見える。ふと天頂を見ると・・・・アリャ?
丁度南中するベガ辺りから西側がべったり雲のベール。
その東側は雲ひとつない晴天という絶妙な立ち位置。
三峰方面はどん曇りで稲光が見える。
目的の白鳥座付近は晴れていたが、時間と共に雲のラインに
近づいて行く。それでも雲と晴れの境界線が少しずつ西へ移動し、
2時間程度の撮影ができました。
25時過ぎに突然谷から雲が湧き上がり、なんと雨!!
即撤収 → 2:30 帰還となりました。
--------------
今回はフラットナー・レデューサとしてKenko AC No,2を使いました。
デジタル対応コーティングに期待してAC No,3を使って来ましたが、
10cmF6用としては過補正気味かな?と思っていました。
Hαの画像がムラボケするのはAC No,3にも原因があるかも?
という理由で、今回はデジタル対応コーティングの無いAC No,2で
試写です。
10cmF6 + AC No,2 -> F5.45 , 0.91倍レデューサ効果 ,
StarShoot MonoⅢ(Sony ICX285AL) , ORION Hα 7nm フィルタ ,
3 X 20min = 60min Total

はじめは14 X 5min =70min の画像をブレンドしていましたが、
単に3 X 20minの方が良かったので差し替えました。
雲が多かったため、5分のこま切れ撮像を14カット行いましたが
役に立たなかったようです。
いつも同じ対象でアレですが、比較検討データなのでご容赦。
うん、今回は今までで一番イイ。
ついでにLRGB , Hα , OⅢ , S2 の全フィルタでピント位置を計測。
以下はその結果です。(フィルタは全て米ORION社製)

結像光路中に平行平板を挿入した際のピント位置ずれは、
⊿t=t(1-1/n)
⊿t:ピントのズレ量
t :基板厚
n :基板素材の屈折率
ですから、最大0.2mmの厚差があるこれらのフィルタでは、
最大76μmものピントずれが発生する計算です。
なお、基板をBK7と推測した時の全波長max - min は10μm程度であり、
厚ささえ同じであればピント位置に問題は無い筈です。
ところが、
AC No,2を入れた8月31日の測定結果では、LGBは150μm差が
あってもピント位置ズレは無く、Rだけ+90μmのズレでした。
厚さが同じ筈のHα , OⅢ , S2 はそれぞれ+400μm , +250μm ,
+610μmとなっており、この3枚の中でも最大210μmものピント位置
ズレがありました。
理屈では平行平板のガラス基板に異なる波長が通過した時を計算
していますが、それぞれに波長特性が異なる多層膜干渉フィルタ
では、まったく理屈通りになっていません。
AC No,2などのアクロマートレンズを通過させない状態でも同様
です。AC No,2やNo,3を入れたことが原因ではないようです。
私の冷却CCDは2/3型ですから小さいです。
8.9 X 6.9mmなので、APS-C素子の1/6程度の面積です。
フルサイズなら1/13程の差があります。常にクロップ状態で、
ピントにシビアなのは仕方がありません。
このCCDでは30μmのピントずれは許容範囲ギリギリであり、
50μmのズレは完全にアウトです。
流行りの4/3素子だと4倍弱の撮像面積です。
また、20μm以内程度の厚さ管理がなされているフィルタなら、
フィルタごとのピント位置管理は不要なのかもしれません。
また、
NarrowBand域のフィルタはLRGBと同列には比較ができません。
Hα , OⅢ , S2 の最大ピント位置差は、
・アクロマート補正レンズ無し → 260μm
・AC No,2 を入れると → 360μm
・AC No,3 を入れると → 390μm
となっています。
AC No,3はNo,2よりも短焦点でかなり厚いアクロマートレンズです。
http://sky.ap.teacup.com/eti_forest/365.html
この影響でピント位置ズレが起こるようです。
何れにせよ、
・ドローチューブの強化 -+
|ダイヤルゲージでたわみの数値化
・鏡筒のたわみ減少対策-+
・全フィルタの厚さ測定と再組込み
・全フィルタのピント位置実写検証
によって全体像を把握できました。
その結果・・・
やはり、
Hαフィルタだけは基板の厚さムラ、または蒸着ムラが存在する!
という事実に至りました。
今回の実写はLでバーティノフマスク(PintAide値=0.1)でスタート。
そのままR->G->B->Ha->OⅢ->S2と一気に測定。
Hα以外はどれも隅々までフラットな画像でした。
Hα以外はどういじってもフラット。
Hαはどういじってもムラボケする。
但し、AC No,2 の方が薄い分だけズレ量が少ないようです。
今後、NarrowBand用はAC No,2 を使うことに決定しました。
有間ダムの法面崩落にビビリながらも、晴れの予報に期待して
有間峠に出撃。広河原逆川林道が崩れたら浦山ダム側に降りる。
最悪、徒歩で蕨山尾根を伝って帰還できる装備で挑んだ。
台風15号に吸い込まれるように北西方向に雲が飛んで行く。
さて、
下界は37℃の猛暑日だった。
その割には視界がクリアで、真冬のようなキラキラした関東平野
が見える。ふと天頂を見ると・・・・アリャ?
丁度南中するベガ辺りから西側がべったり雲のベール。
その東側は雲ひとつない晴天という絶妙な立ち位置。
三峰方面はどん曇りで稲光が見える。
目的の白鳥座付近は晴れていたが、時間と共に雲のラインに
近づいて行く。それでも雲と晴れの境界線が少しずつ西へ移動し、
2時間程度の撮影ができました。
25時過ぎに突然谷から雲が湧き上がり、なんと雨!!
即撤収 → 2:30 帰還となりました。
--------------
今回はフラットナー・レデューサとしてKenko AC No,2を使いました。
デジタル対応コーティングに期待してAC No,3を使って来ましたが、
10cmF6用としては過補正気味かな?と思っていました。
Hαの画像がムラボケするのはAC No,3にも原因があるかも?
という理由で、今回はデジタル対応コーティングの無いAC No,2で
試写です。
10cmF6 + AC No,2 -> F5.45 , 0.91倍レデューサ効果 ,
StarShoot MonoⅢ(Sony ICX285AL) , ORION Hα 7nm フィルタ ,
3 X 20min = 60min Total

はじめは14 X 5min =70min の画像をブレンドしていましたが、
単に3 X 20minの方が良かったので差し替えました。
雲が多かったため、5分のこま切れ撮像を14カット行いましたが
役に立たなかったようです。
いつも同じ対象でアレですが、比較検討データなのでご容赦。
うん、今回は今までで一番イイ。
ついでにLRGB , Hα , OⅢ , S2 の全フィルタでピント位置を計測。
以下はその結果です。(フィルタは全て米ORION社製)

結像光路中に平行平板を挿入した際のピント位置ずれは、
⊿t=t(1-1/n)
⊿t:ピントのズレ量
t :基板厚
n :基板素材の屈折率
ですから、最大0.2mmの厚差があるこれらのフィルタでは、
最大76μmものピントずれが発生する計算です。
なお、基板をBK7と推測した時の全波長max - min は10μm程度であり、
厚ささえ同じであればピント位置に問題は無い筈です。
ところが、
AC No,2を入れた8月31日の測定結果では、LGBは150μm差が
あってもピント位置ズレは無く、Rだけ+90μmのズレでした。
厚さが同じ筈のHα , OⅢ , S2 はそれぞれ+400μm , +250μm ,
+610μmとなっており、この3枚の中でも最大210μmものピント位置
ズレがありました。
理屈では平行平板のガラス基板に異なる波長が通過した時を計算
していますが、それぞれに波長特性が異なる多層膜干渉フィルタ
では、まったく理屈通りになっていません。
AC No,2などのアクロマートレンズを通過させない状態でも同様
です。AC No,2やNo,3を入れたことが原因ではないようです。
私の冷却CCDは2/3型ですから小さいです。
8.9 X 6.9mmなので、APS-C素子の1/6程度の面積です。
フルサイズなら1/13程の差があります。常にクロップ状態で、
ピントにシビアなのは仕方がありません。
このCCDでは30μmのピントずれは許容範囲ギリギリであり、
50μmのズレは完全にアウトです。
流行りの4/3素子だと4倍弱の撮像面積です。
また、20μm以内程度の厚さ管理がなされているフィルタなら、
フィルタごとのピント位置管理は不要なのかもしれません。
また、
NarrowBand域のフィルタはLRGBと同列には比較ができません。
Hα , OⅢ , S2 の最大ピント位置差は、
・アクロマート補正レンズ無し → 260μm
・AC No,2 を入れると → 360μm
・AC No,3 を入れると → 390μm
となっています。
AC No,3はNo,2よりも短焦点でかなり厚いアクロマートレンズです。
http://sky.ap.teacup.com/eti_forest/365.html
この影響でピント位置ズレが起こるようです。
何れにせよ、
・ドローチューブの強化 -+
|ダイヤルゲージでたわみの数値化
・鏡筒のたわみ減少対策-+
・全フィルタの厚さ測定と再組込み
・全フィルタのピント位置実写検証
によって全体像を把握できました。
その結果・・・
やはり、
Hαフィルタだけは基板の厚さムラ、または蒸着ムラが存在する!
という事実に至りました。
今回の実写はLでバーティノフマスク(PintAide値=0.1)でスタート。
そのままR->G->B->Ha->OⅢ->S2と一気に測定。
Hα以外はどれも隅々までフラットな画像でした。
Hα以外はどういじってもフラット。
Hαはどういじってもムラボケする。
但し、AC No,2 の方が薄い分だけズレ量が少ないようです。
今後、NarrowBand用はAC No,2 を使うことに決定しました。