宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

縮小コリメート法(その33)

2014-03-22 02:18:00 | 縮小コリメート法
VISAC最強神話ここに始まる

薄雲でハッキリしないが晴れていたのでVC200Lの実写テストを強行!
但し画像処理は最小限です。

まず、

フリップミラーの付け根(2インチスリーブ固定部)のガタガタにより、
撮影ごとに光軸が激しく動いています。
光軸センターに無いと中央集光せずに写野の端っこが明るくなったりします。
また、片側だけ周辺部で星が伸びて写ります。
  |
  +->しかしながら、光軸が合っていると・・・

このように写ります。
M66 , ISO800 , 4X60S = 240sec Total (右端はM66)


以下は光軸がアチコチ動き回った結果、一部で星が伸びています。

M37 , ISO1600 , 60sec 1カット画


M81 , ISO800 , 4X60S = 240sec Total


M82 , ISO400 , 4X60S = 240sec Total


M51 , ISO800 , 4X60S = 240sec Total


本日の結果より、VISACは光軸が合っていれば最強の縮小コリメーターと
言えるのではないでしょうか。スバラシイ!

もう一つの可能性としてこんなこともやってみました。

NGC2392 エスキモー星雲 等倍切出し, 14X30S = 420sec Total


エスキモー星雲の視直径は木星と同じ42"角程度です。
わずか7分の総露光ですが、結構イイ感じではないでしょうか。
だって、コンデジ LX7 で撮ったお気楽撮影なのですから!

<共通データ>

---------------------------------------------------

撮影日時:2014年3月21日
撮影地:飯能市郊外で庭撮り(標高200m)
星空指数:30点
シーイング:4/5
気温:5℃

カメラ:Panasonic DMC-LX7
撮像鏡筒:Vixen VC200L
縮小コリメート用アイピース:PHOTN25mm ( 60°)
フィルタ:ORION SkyGlowFilter 1.25"

ダーク画像:カメラが毎カットごとに自動取得
フラット画像:無し
フラット用ダーク画像:無し

赤道儀:TS-90S
ガイド:ノータッチトラッキング

画像処理:cs5 , SI7
----------------------------------------------------

----- 2014/03/22 追記 -----

PHOTN25mmの真の写野は↓のようになっています。


今回の実写では主点位置が合っていないようです。
VC200L + PHOTON25mmは初めての組合わせのため、星像を見て決めましたが、
間違っているようです。昨年A80M + PHOTN25mmで撮った1枚画を貼っておきます。

M27 , A80M + PHOTON25mm + LX7 , 4.7mmF1.4 , ISO800 , 125sec1カットのみ


こういう感じで写らないとウソだと思います。

コメント (2)
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縮小コリメート法(その32)

2014-03-21 14:58:00 | 縮小コリメート法
VISAC降臨


(^^; イヤ 降臨する程のモンじゃないですけどね・・・
       流通が速くてもう来ちゃいましたよ。

とりあえず付けてみたの図。


なんと、鏡筒側アリガタレールがコの字になっておらずM8ネジに当たって
取り付きません。仕方が無いので手持ちのアリ機構を適当に組合わせて
一応付きました。後日加工しなければなりませんね。

去年A80M鏡筒を買った時、フリップミラー取り付けの2インチ部がガッタガタ
なのに閉口しましたが、なんとVC200Lも全く同じででカタカタ動きます。


システムチャートでは、撮影時はフリップミラーを使えと書いてありますが
使う気になれません。Vixenは全機種コレなんだな。
ココを改善し、まともな2インチ接眼部をラインナップすれば結構イケル筈
なのに勿体ない。
実際の撮影時はコレを使うことにしました。


では、早速山撮りテスト撮影をしてみましょう。
まずは純正2インチアダプターチューブを90°側に付けてみると・・・


70°の広視野PHOTN32mmでは、こ~んなにも妙なケラレ画像となってしまいました。


ミラーボックスのケラレが顕著です。眼視ではもっと明瞭にミラーの端が見えます。
その上ミラーも傾いて固定されているようですね。これで検査PASSEDなのかあ。

では0°側はと言うと、


見事にキレイです!


まあ、これは当然の結果ですよ。
それはともかく、綺麗なのはその周辺画像を含めた写野全体のフラットネス感!
C-8では完全に撃沈だったPHOTON32mm70°でこの結果は期待が持てます。
VC200Lの像面フラットネスは素晴らしそうです。

ちなみに、

VC200LでLX7を使うとどうなるかを、ステラ9で調べてみました。

(2014/03/21の実写データを基に正しく修正しました。)

・焦点距離 = 1800mm , F9
・アイピース = PHOTON25mm , 60°
・LX7 , 4.7mmF1.4 , 合成F = 1.69 , 合成焦点距離 = 338mm


次に、35㎜版素子でVC200Lの1800㎜という焦点距離で撮るとどうなるかを示します。


LX7は1.7型素子なので35㎜版比で、対角4.55倍の描画です。
実写から得られた撮影範囲が円形(約0.9°)です。

つまり、

縮小コリメート法で撮影した場合、おおよそAPSC素子の対角であるφ28mmの範囲を
撮影していることになります。よって、イメージサークルφ30mmフラットと言った
鏡筒が必要になります。どうりで広視野アイピース + C-8 がダメダメな訳です。
VISAC光学系はフラットネスを期待できるため、おそらくは今までで最高の結果
が出ると思われます。

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次のテーマは・・・

2014-03-19 20:53:00 | 撮影機材
コレです。



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縮小コリメート法(その31)

2014-03-18 21:35:00 | 縮小コリメート法
HYPERION36mm用の縮小コリメート撮影アダプターが完成したので、
早速試写してみました。
テスト用なのでスケール代わりに白線を1mmピッチで15本入れたの
ですが・・・使いませんねえ~(^^♪


ストッパーが無いため、結局はノギスをストッパー代わりにして解決。
こうすれば小望遠鏡で見る時や、眼視観望した後に簡単に主点合致位置
へ戻せます。

主点合致位置=4.3mmの位置
ピントを合わせた位置=写野中央から1/5写野程度オフセットした場所。
ピント合わせの手順
   |
   +->アイピースを4Xの小望遠鏡(モノキュラー)で覗く。
      モノキュラーは☆で無限遠にしておく。
      LX7を4.3mm位置にセットする。
      マニュアルフォーカスアシストレバーで2m~∞の間にする。

大切なことは、必ずモノキュラーで望遠鏡側を無限遠設定すること。
初めからLX7のLVと望遠鏡のフォーカスノブで合わせようとすると、
最適位置が無限に見つかってハマる。
LX7を広角端4.7mmF1.4で使う場合、2m~無限遠までは殆どピントが
ボケない。(望遠鏡を通して見た場合)
ここでボケるようでは、望遠鏡側の無限遠が出ていないことになる。
これ、ポイントです。

まだ薄明が終わらないうちに撮り始めたので色が変ですが、
撮影直後になんと雨がパラパラ降って来て撤収!
わずか30分間の試写となってしまいました。

M42 , 4X60S = 240sec Total


M42_HDR , 4X60S + 2X15S + 2X5S = 280sec Total


<共通データ>

2014/03/18 19:06:58~19:21:02 , 飯能市郊外で庭撮り
C-8 + HYPERION36mm + LX7 , 4.7mmF1.4 , 合成F=1.4 , ISO400 , LPS-P2

流石に36mm70°ともなると写野が広いですね。
今まで試した笠井SV30mm60°、PHOTON32mm70°よりも星像は良いです。
ちなみにVixen NLV25mmで撮ったのがコレ。
横960ピクセルで上の画像と同スケールです。


HYPERION36mmでは合成F=1.4で広写野となります。
NLV25mmではF=1.88なので、1段弱明るい訳です。
今回は広写野アイピース全滅状態のシュミカセC-8にしてこの程度は
撮れたと言うことで、収穫アリと言えます。

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