かみつけ岩坊の数寄、隙き、大好き

働き方が変わる、学び方が変わる、暮らしが変わる。
 「Hoshino Parsons Project」のブログ

今どきの本棚考

2008年10月12日 | ・・・ったくアホな生活
3日間かかって夜中にゴソゴソやりながら、新しい本棚2本を部屋に据え付けました。
2本増やしたはずなのに…、
なぜか増やしたその日に全部、棚は埋まってしまった。
床に積み上げた本、棚の隙間においている本などだけで、2本分あったということなのだろうか。

今回は、これまでの最も廉価なスチール本棚が手に入らなかったので、木製の安い本棚に替えてみました。プリント印刷の木目であっても、たしかにインテリアとしてはこれまでのスチールよりずっと落ち着いた雰囲気にはなる。

でもこうした本棚のつくりというものが、様々な点で昔から改善されない欠点だらけであることを痛感させられました。


今回、購入したのは、最上部の天板部分をネジで高さ調節して天井に押し付け耐震構造で安定させられるものなのですが、量産品のコストダウンのために、ここまで手を抜かずにはいられないのかと首を傾げることが実に多い。

第一は、肝心な棚板の間隔を決定するダボ穴。
これが、棚の構造を強化するために固定位置の棚板が、均等に配置されると、その間に入れる棚板の枚数や間隔を、どう配分しても、単行本、文庫・新書の組み合わせがきれいに収まらず、実用性のない文庫も納まらないCDの高さの棚か、不要な隙間を意味無く残してしまうことにどうしてもなってしまう。

さらに、ダボ穴の間隔が広いことも、その調整を適切にすることを妨げている。

ダボ穴の間隔を詰めることで、穴をあける工程数が増えることは、たしかに工賃が多少でもあがることにつながり、経営上、可能な限り避けたいことは想像がつく。

でも、部品の数が増えることに比べれば、微々たるものではないだろうか。
実際に大量生産の品となれば、数銭の工賃アップでもばかにならないものかもしれないけれども、1センチの隙間でも調節して適切な高さにしたい私にとっては、この手抜きがもどかしくてならない。
これはスチールの本棚でも同じ経験をしています。


第二には、棚板の木口貼りの方法。
棚板の幅よりも、木口貼りの渕がはみ出しているばかりに、本棚を手前に引き出すたびに木口の角を引っ掛けることになる。
一度、二度ならともかく、数回繰り返していれば、必ず木口貼りが剥がれる原因になる。

これも、角の面取り作業の工程を省いていることでコストダウンをはかっているのだろうが、単純に本を手前に引き出す妨げになる構造というのは、本棚の基本性能レベルを損ねている。


第三は、今回の商品特有の問題。
耐震構造として天板の高さ調節して、天井に押し付ける構造になっているのですが、壁に本棚をぴったりはりつけると、たいてい下の幅木部分の厚みが本棚を壁から浮かせることになってしまう。
この商品は、その点をちゃんと考慮して側板下部のその幅木があたる部分が削り込んである。
ところが、天板の側は、そうした考慮がまったくされていない。

すべての家に共通するわけではないにしても、天井と壁の角に横木が飛び出している場合のことをこの商品は想定して造られていない。
私の家には、この横木の飛び出しがあるので、天板をまずその横木の飛ぶ出た部分の高さにあわせて固定して、手前に隙間が出来て浮いてしまっている分、本などを隙間材として詰め込んであらためて固定することをせざるをえない。

これは、天板の奥行き幅を、棚板の幅よりも少し狭めて、中心軸の位置を中央からずらして穴をあければ、板をすえる向きを変えるだけで、壁にぴったりの位置への固定する方法と、角を少し離した位置から固定する方法とが選択切り替えすることが出来る(図にしないとなにを言ってるかわからない?)。

この問題は、今回買った商品特有の問題ですが、第一、第二の問題などは、多くの安価な本棚に共通してみられる問題。

とりわけ第一のダボ穴と棚板の間隔の問題は、高価な本棚の場合でも同じ問題がみられる。
もっとも、業務用のずっと高額な棚ですら、こうした気のきかないことはみられるので、業界相場からは無理からぬ面もないともいえないのですが、本棚を使う文化として考えるととても悲しい、情けない。

日ごろ店の棚で、棚板の高さを一コマでも下げられる場所があれば、絶えず変える作業をしているものからすると、こうしたことはどうも黙ってはいられなくなるのです。

説明書には親切にフリーダイヤルの番号が記されていたので、
来週にでも電話してみるか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする