昨日、大森のダイシン百貨店へ行ってきました。
この百貨店に注目するのは、私がよく言っている、「人が歩いていける範囲内(半径600m)で生活に必要なことすべてが満たされる街作り」の考え方を普及させる上でとても大事な手本を示しているからです。
普通、「人が歩いていける範囲内で生活に必要なことすべて~」といった考え方のベースは、小さなお店や病院、行政の出張所などをその構成員として考えていることが多いものです。
ところが、このダイシン百貨店の成功例を見ると、「人が歩いていける範囲内(半径600m以内)」という考え方が、商圏を小さくとる小規模の事業者だけのことではなく、7階建ての百貨店などの大規模店の場合でもそのモデルが通用するばかりか、大事な成功モデルでもあるということが立証されているからです。
ここの場合は、首都圏で大森駅近辺には大手百貨店やスーパーがあり、駅からやや離れたこの百貨店は、立地的にもかなり不利な条件にあります。
きっかけは、ご他聞に漏れずよくある経営難から数店舗あった店を今ある本店1店舗に整理して、今の社長さんが経営を引き継いだことから始まるのですが、大手スーパー、百貨店に囲まれて生き残る戦略としてとったのが、半径500m以内の顧客市場占有率100%というものです。
少子化やデフレで市場が縮小しつづける時代、今でも多くの小売業種では、より大きな商圏を求めてより好立地の場所へ移転したり、売り場面積のさらなる拡大をはかったりして数字をのばしています。
決算の数字をよくするためにこれらのことはどうしても必要であるという場合もあるでしょうが、これらの解決方法は、これからの時代には真に通用する方法ではなく、あくまでも一時的な延命策にしかすぎないということが、いろいろな人から指摘されています。
にもかかわらず多くの企業は、それ以外の打つ手が思い浮かばず、そうしたことを繰り返しているのがあまりにも多いのが、今の時代の姿です。
それに対して、このダイシン百貨店は、商圏規模の拡大や売り場面積の拡大(間もなく拡大新店舗もできます)をはかる前に、今、来ている顧客の満足度を高め、来店頻度を上げ、客単価もあげるということを第一に考えているのです。
そのためには、まず半径500m以内のお客さんの要望には、極力すべて答えるというものです。
現実には、そのためには効率も無視してもよいというわけではなく、一見、効率も無視したサービスをしているようでありながら、半径500mの限定した顧客の要望ということで結果的には効率も上がるマーケティングができているのです。
そういえば、このことは前にもブログで書いたことがあったみたいですね。
昔使っていたハエ取り紙が欲しいというおばあちゃんがいれば、それを見つけて仕入れてくる。
これは昔の東急ハンズなどが一生懸命やっていたことですが、こうしたことは、本部仕入部の判断でできるようなことではなく、各売り場の担当者が、それを卸してくれる業者を探すために、ものすごい手間をかけて探し出してくるような体制でこそ出来ることです。
ほとんどの企業は、どれだけ売れるかわからないそんな古い商品に手間をかける余裕などないといってあきらめる。
本来は、よそにないものがどれだけ売れるのか調べるだけでも価値のある仕事なのですが、半径500m以内の顧客の要望に答えるという使命をもつと、そこにかかった手間も決して無駄ではない効率性がともなってくる。
あのおばあちゃんが欲しがっているもの、
それは冬の一時期だけ2つ仕入れれば良いということがわかっていれば、それは、どんなにマイナーな商品であっても過剰在庫になる心配はない。
むしろ、3つ目、4つ目のお客はいるのかどうか適切に判断する材料を手に入れているとすら言える。
細かくは触れられませんが、規模の拡大によるビジネスではなく、今、来ている顧客の満足度を高めるビジネスにとっては、中小零細商店であろうが、大型の百貨店やスーパーであろうが、することは同じであるということは、このダイシン百貨店をみると実によくわかるのです。
さらにそのマーケティングは、POSデータを分析することよりも、店頭の従業員のお客とのコミュニケーションのなかでこそ力が発揮されているということです。
私たちが行ったときも、店内いたるところで店員とお客さんが和やかに会話をしており、人気のない階段で店員とおばあちゃんが長くなにか話している姿も見られました。
何度でも言いますが、数字が落ちたから出店する、移転する、増床する、在庫を増やすではアウト!
そして地域で循環する経済というのは、ただの商品券もどきの地域通貨を発行すれば回るというようなものではなく、はたまた行政のテコ入れで解決できるようなものでもなく、なによりもその地域の住民の需要をより具体的につかんで、それに個々の事業者が真剣に応えていくことでこそ、はかられるものであるということ、こうしたことを説明するうえでこのダイシン百貨店は絶対に欠かせないと思っていたのです。
この場所にたどり着いたときは、隣の敷地に出来上がる工事の看板が先に目に入り、もう旧店舗は取り壊してしまったのかと慌ててしまいましたが、運良く、今の姿を見てくることができました。
「半径500m以内の商圏で成り立つビジネスモデル」を究極の目標としている私にとっては、是非また行って来たいところです。
この百貨店に注目するのは、私がよく言っている、「人が歩いていける範囲内(半径600m)で生活に必要なことすべてが満たされる街作り」の考え方を普及させる上でとても大事な手本を示しているからです。
普通、「人が歩いていける範囲内で生活に必要なことすべて~」といった考え方のベースは、小さなお店や病院、行政の出張所などをその構成員として考えていることが多いものです。
ところが、このダイシン百貨店の成功例を見ると、「人が歩いていける範囲内(半径600m以内)」という考え方が、商圏を小さくとる小規模の事業者だけのことではなく、7階建ての百貨店などの大規模店の場合でもそのモデルが通用するばかりか、大事な成功モデルでもあるということが立証されているからです。
ここの場合は、首都圏で大森駅近辺には大手百貨店やスーパーがあり、駅からやや離れたこの百貨店は、立地的にもかなり不利な条件にあります。
きっかけは、ご他聞に漏れずよくある経営難から数店舗あった店を今ある本店1店舗に整理して、今の社長さんが経営を引き継いだことから始まるのですが、大手スーパー、百貨店に囲まれて生き残る戦略としてとったのが、半径500m以内の顧客市場占有率100%というものです。
少子化やデフレで市場が縮小しつづける時代、今でも多くの小売業種では、より大きな商圏を求めてより好立地の場所へ移転したり、売り場面積のさらなる拡大をはかったりして数字をのばしています。
決算の数字をよくするためにこれらのことはどうしても必要であるという場合もあるでしょうが、これらの解決方法は、これからの時代には真に通用する方法ではなく、あくまでも一時的な延命策にしかすぎないということが、いろいろな人から指摘されています。
にもかかわらず多くの企業は、それ以外の打つ手が思い浮かばず、そうしたことを繰り返しているのがあまりにも多いのが、今の時代の姿です。
それに対して、このダイシン百貨店は、商圏規模の拡大や売り場面積の拡大(間もなく拡大新店舗もできます)をはかる前に、今、来ている顧客の満足度を高め、来店頻度を上げ、客単価もあげるということを第一に考えているのです。
そのためには、まず半径500m以内のお客さんの要望には、極力すべて答えるというものです。
現実には、そのためには効率も無視してもよいというわけではなく、一見、効率も無視したサービスをしているようでありながら、半径500mの限定した顧客の要望ということで結果的には効率も上がるマーケティングができているのです。
そういえば、このことは前にもブログで書いたことがあったみたいですね。
昔使っていたハエ取り紙が欲しいというおばあちゃんがいれば、それを見つけて仕入れてくる。
これは昔の東急ハンズなどが一生懸命やっていたことですが、こうしたことは、本部仕入部の判断でできるようなことではなく、各売り場の担当者が、それを卸してくれる業者を探すために、ものすごい手間をかけて探し出してくるような体制でこそ出来ることです。
ほとんどの企業は、どれだけ売れるかわからないそんな古い商品に手間をかける余裕などないといってあきらめる。
本来は、よそにないものがどれだけ売れるのか調べるだけでも価値のある仕事なのですが、半径500m以内の顧客の要望に答えるという使命をもつと、そこにかかった手間も決して無駄ではない効率性がともなってくる。
あのおばあちゃんが欲しがっているもの、
それは冬の一時期だけ2つ仕入れれば良いということがわかっていれば、それは、どんなにマイナーな商品であっても過剰在庫になる心配はない。
むしろ、3つ目、4つ目のお客はいるのかどうか適切に判断する材料を手に入れているとすら言える。
細かくは触れられませんが、規模の拡大によるビジネスではなく、今、来ている顧客の満足度を高めるビジネスにとっては、中小零細商店であろうが、大型の百貨店やスーパーであろうが、することは同じであるということは、このダイシン百貨店をみると実によくわかるのです。
さらにそのマーケティングは、POSデータを分析することよりも、店頭の従業員のお客とのコミュニケーションのなかでこそ力が発揮されているということです。
私たちが行ったときも、店内いたるところで店員とお客さんが和やかに会話をしており、人気のない階段で店員とおばあちゃんが長くなにか話している姿も見られました。
何度でも言いますが、数字が落ちたから出店する、移転する、増床する、在庫を増やすではアウト!
そして地域で循環する経済というのは、ただの商品券もどきの地域通貨を発行すれば回るというようなものではなく、はたまた行政のテコ入れで解決できるようなものでもなく、なによりもその地域の住民の需要をより具体的につかんで、それに個々の事業者が真剣に応えていくことでこそ、はかられるものであるということ、こうしたことを説明するうえでこのダイシン百貨店は絶対に欠かせないと思っていたのです。
この場所にたどり着いたときは、隣の敷地に出来上がる工事の看板が先に目に入り、もう旧店舗は取り壊してしまったのかと慌ててしまいましたが、運良く、今の姿を見てくることができました。
「半径500m以内の商圏で成り立つビジネスモデル」を究極の目標としている私にとっては、是非また行って来たいところです。